評 価
File No.
1606
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年05月26日
製 作 国
日 本
監 督
深川 栄洋
上 映 時 間
124分
公開時コピー
きっと、あなたがここにいる。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
香里奈
[as 滝川由紀子]
麻生 久美子
[as 武田聖子]
吉瀬 美智子
[as 小坂容子]
板谷 由夏
[as 平井孝子]
上地 雄輔
[as 武田博樹]
要 潤
[as 今井哲夫]
林 遣都
[as 和田慎太郎]
波瑠
[as 北村裕子]
加藤 ローサ
[as 安西博子]
向井 理
[as 森本蒼太]
檀 れい
[as 光山晴美]
初音 映莉子
吉田 羊
黒川 芽以
森崎 博之
野間口 徹
矢島 健一
モロ師岡
池田 成志
左 時枝
段田 安則
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
滝川由紀子
、
武田聖子
、
小坂容子
、
平井孝子
の4人は、仕事も境遇も違うが気の合う友達同士だったが、それぞれ女として生きることに悩みを抱えていた。
大手広告代理店に勤める由紀子は、30歳を目前にして焦りを募らせていた。若い恰好が年相応ではないと指摘されたこと、大学時代からの付き合いの
森本蒼太
とのトキメキのない恋愛、念願の女子イベント企画をめぐってのクライアントとの対立が相次ぎ、いつまでも“ガール”ではいられないのかと、自分を見失う。
大手不動産会社に勤める34歳の聖子は課長職に抜擢されたものの、新しく部下になった
今井哲夫
は自分より年上の男性で、事あるごとに露わになる今井の男性優位の考え方についに怒りを爆発させてしまう。一方家庭では、夫の
武田博樹
よりも稼ぎもキャリアも上で、子どもがほしいという本音を言えずにいた。
老舗文具メーカーに勤める34歳の容子は、恋にも無縁のずぼらな生活を送っていたが、ある日、ひと回り年の違う新入社員
和田慎太郎
の教育係を任される。あっという間に女子たちから人気を集める慎太郎に容子もまた惹かれていくが、自分の気持ちを抑え込もうとする。そんな中、実家に帰ると妹の結婚が決まっており、両親には気を遣われる始末だった。
孝子
は離婚を経て、6歳の息子を抱えながら3年ぶりに営業職に復帰した。仕事でシングルマザーを言い訳にしないよう頑張り、息子のために父親代わりに鉄棒やキャッチボールを教えられるよう練習にも励み、シッターの帰る時間に間に合うよう急いで帰宅するという息つく暇もない毎日。しかし職場では妙に気を遣われ、息子は母の姿に違和感を抱いていた。孝子は仕事も家庭も大事にしたいのに空回りしていることに、虚しさを覚えるのだった。
もう“ガール”ではないのかもしれない。それでも懸命に女として人生と向き合う彼女たちは、それぞれの舞台で輝くことができるのだろうか・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
期限まで残り数日となったTOHOシネマズのフリーパスを使わなくてはと、あまり気が進まなかったものの劇場へ赴いた作品。気が進まない理由は言うまでもなく客層で、予想通り単独女性や女性の2人組、3人組が8割を占めていた。そりゃそうだよな、自嘲気味な気分に浸りながら観たが、観ているうちにそんな気分は消し飛んでしまい、私のようなオッサンでもそうなのだから、まして女性が観たならば上映終了後はさぞかし爽快な気分になれたことだろうと思う。
女性の目から見て描かれた作品だと思ったら、意外にも原作者は男性だった。けれども、男性が書いたからこそ、逆にあれほどまでに女性礼賛の作品になったのだろう。典型は要潤演じる今井で、今時の20代、30代の男性サラリーマンに、あれほどまで女性だからという型に無理矢理押し込むような、極言すれば“女性蔑視”とも言える凝り固まった概念から抜け出せないヤツはいないだろう。彼を観ていると同性の私でさえ非常に不愉快な気分になってしまうのだから、女性が観たら・・・・・果たしてもっと不愉快に感じるのか、それとも今さら腹も立たないのか、リサーチしてみたい気がする。
今井とは逆の意味で、上地雄輔扮する博樹のような男もまたレアアースのように稀少な存在だ。麻生久美子扮するキャリア・ウーマン(あ、この言葉自体男女平等に反しているね、反省!)の伴侶としてはまたとない相手ではあるが、どうしても彼を観ていると人間としてのプライドや矜恃といったものが欠落しているとしか思えない。彼女のスタンスを認めながらも、自らも向上しようという意欲が微塵も感じられず、ただ現状に甘んじているだけにしか見えないのだ。あくまでフィクションだから、極端なキャラクターの方がわかり易いし面白いのは確かなのだが、その反面現実性に欠けるようにも思える。
主演は香里奈ということになっているが、私が観た印象では麻生久美子のエピソードがメインであるように感じた。女性だからという偏見と闘いながら生きている聖子に対して、由紀子は自らの生き方を同性である女性(加藤ローサ)に否定されただけでうじうじと悩んでいるだけにしか見えないのだが、考えてみればそう感じるのも私が男性であるためかもしれないな。
今までは表情を崩すこともなく、常に冷静な役柄のイメージが強かった吉瀬美智子だけに、この作品で彼女が演じた容子というキャラクターは新鮮だった。林遣都扮する和田に食事に誘われ、エレベーターの中ではしゃぐ彼女が可愛いのなんのって・・・・・改めて惚れちゃったよ(笑)。