評     価  

 
       
File No. 1608  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2012年06月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョン・シングルトン  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   偽りの日常か、
真実の自分か。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   テイラー・ロートナー [as ネイサン]
リリー・コリンズ [as カレン]
アルフレッド・モリナ [as バートン]
ジェイソン・アイザックス [as ケヴィン]
マリア・ベロ [as マーラ]
ミカエル・ニクヴィスト [as コズロフ]
シガニー・ウィーヴァー [as ベネット医師]
デンゼル・ウィッテカー [as ギリー]
 
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あ ら す じ    ごく普通の高校生ネイサンは、ある日、クラスメートで幼馴染みのカレンと2人で、学校の課題に取り組んでいる際に、誘拐児童を載せたサイトに13年前の自分の写真が掲載されているのを発見する。ところが、それはとある一味がネイサンの居場所を突き止めるために仕掛けた罠で、ネイサンの居場所を察知した一味は早速刺客を差し向けてくる。目の前で父ケヴィンと母マーラを殺されてしまったネイサンは、家に訪れていたカレンを連れて命からがら脱出するのだった。
 怪我をしたカレンのために病院に向かうと、ネイサンは警察に助けを求めた。ところが、応じた相手のバートンはCIAのエージェントだという。そして、そこへ現れたネイサンの主治医の精神科医・ベネット医師は、ネイサンとカレンの2人を病院から車で連れ出す。そして、車の中でネイサンはベネットから、ケヴィンとマーラは彼の守護者で、自分もその一人だという信じ難い話を聞かされるのだった。
 誰が味方で誰が敵なのか、誰を信じて誰を疑えばいいか、途方に暮れるネイサンは、やがて自分が追われる理由が国家をも揺るがすある暗号の存在であること、それを追い求めているのは凶悪な犯罪組織を率いるコズロフであることを知る。そして、逃げ続けることに終止符を打ったネイサンは、単身コズロフと対決する決意を固めるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『トワイライト・サーガ』でベラに恋する人狼のジェイコブを演じてブレイクした、テイラー・ロートナーの主演作。6月1日の映画の日に、『君への誓い』とこの作品のどちらを観るか迷った結果、翌日以降でも1,200円のレイトショーで観られる『君への・・・』は我慢して、初日を逃したら1,800円を払わなければならないこの作品を観ることにした。そんな経緯だから、中身にはあまり期待していなかったのだが、これが「瓢箪から駒」で、文句なしに「面白い!」と思える当たりの作品だった。おかげで、仕事帰りの疲れなど忘れてしまい、時計を気にすることもなくあっという間に106分が過ぎてしまった。
 テイラー・ロートナー演じる普通の高校生・ネイサンが(ちょっと高校生には見えないけど)、ある日突然今まで暮らしてきた生活が実は偽りだと知らされ、危険の中に身を投じながら真実を突き止めていく。ある意味『ボーン・アイデンティティ』の高校生版とも言えるような作品だが、ハリウッドの若手随一の鍛えられた肉体の持ち主であるテーラー君ならではのアクションは見応えがある。さらに、単なるアクション物に終わらない、予測不能な展開はスリル満点だ。なんせ、周囲の誰が味方で誰が敵なのかがまったく読めないから、観ている者はネイサンの不安を否が応でも共有せざるを得なくなるのだ。
 そんな中、唯一信じられるのが事件に巻き込まれることとなった幼馴染みのカレンで、彼女を演じるリリー・コリンズの可愛らしさも見所のひとつだ。そして、アルフレッド・モリナ演じるバートンが、表面上は紳士的にネイサンの味方をアピールしてくるが、どうも裏があるように思えて、不安をかき立てる。唯一味方に思えたシガニー・ウィーヴァー扮するベネット医師も、途中で事故を起こしてお役御免になってしまうから、まさに孤立無援の状態で、カレンを守りながらネイサンがどうやって真実にたどり着くのか、不安と比例して期待感も高まるというものだ。
 今回の悪役・コズロフを演じるのは、『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』でもテロリストを演じたミカエル・ニクヴィスト。『ミレニアム』3部作で主人公ミカエル・ブルムクヴィスト(今でもどちらが役名でどちらが彼の本当の名前なのか、時々混乱してしまう ^-^;)を演じて世界的に有名になった俳優だが、ハリウッドでの扱いが立て続けに悪役というのは、個人的には不満を感じる。「悪役専門俳優」なんていうイメージが定着してしまわないか、他人事ながら心配だ。