評 価
File No.
1631
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年07月14日
製 作 国
アメリカ
監 督
ブラッド・ファーマン
上 映 時 間
119分
公開時コピー
なぜ、はめられたのか?
それは、過去の殺人事件から
始まった
。
オフィスは高級車(リンカーン)。
腕は一級。離婚歴アリ、
子持ちのちょいワル弁護士。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
マシュー・マコノヒー
[as ミック・ハマー]
マリサ・トメイ
[as マギー・マクファーレン]
ライアン・フィリップ
[as ルイス・ルーレ]
ウィリアム・H・メイシー
[as フランク・レヴィン]
ジョス・ルーカス
[as テッド・ミントン]
ジョン・レグイザモ
[as ヴァル・ヴァレンズエラ]
マイケル・ペーニャ
[as ジーザス・マルティネス]
ボブ・ガントン
[as セシル・ドブス]
フランシス・フィッシャー
[as メアリー・ウィンザー]
ブライアン・クランストン
[as ランクフォード刑事]
トレイス・アドキンス
[as エディ・ヴォーゲル]
ローレンス・メイソン
[as アール]
マルガリータ・レヴィエヴァ
[as レジー・カンポ]
ペル・ジェームズ
[as ローナ]
シェー・ウィガム
[as コリス]
キャサリン・メーニッヒ
[as グロリア]
マイケル・パレ
[as カレン刑事]
ミカエラ・コンリン
[as ソーベル刑事]
マッケンジー・アラジェム
[as ヘイレイ・ハラー]
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あ ら す じ
バツイチの
ミック・ハラー
は、黒塗りの高級車リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代わりにし、麻薬売人や娼婦といったアウトサイダーたちの容疑を晴らす敏腕弁護士だった。ある日ミックは、保証金立替業者の
ヴァル・ヴァレンズエラ
から、資産家の青年
ルイス・ルーレ
が女性を殴打した事件を紹介される。金になると目論んだミックは拘留中のルイスと面会し、半ば強引に保釈手続きを取り付けた。そして保釈後、親友の私立探偵
フランク・レヴィン
とともにルイスと再び会い、事件について詳しい話を聞くのだった。
ルイスは当日夜、バーで知り合った
レジー・カンポ
という26歳の女性に誘われるまま彼女の自宅を訪ねたが、着いた途端に背後から頭部を殴られ失神し、近所に住むゲイのカップルに取り押さえられたと話し、賠償金目当ての彼女の計画に自分はハメられたと主張する。しかしフランクが入手した捜査資料によると、レジーは知人のふりをして自宅を訪れてきたルイスに突如暴行され、首にナイフを当てられながらも瓶で彼を殴り命からがら逃げたと証言しているのだった。
ルイスの話に違和感を感じたミックはいつものように司法取引でまとめようと提案するが、ルイスはあくまで無罪を主張する。翌日、バーの監視カメラの映像からレジーがルイスを誘惑する姿が確認され、彼女が売春婦であることが判明する。この重要証拠を手に担当検事
テッド・ミントン
に起訴を取り下げるようもちかけるが、現場にルイスの所有する血まみれのナイフが発見されており、ルイスによる暴行事件だと確信していることを告げられる。そして、顔の右半分に怪我を負ったレジーナの写真を見たルイスは、4年前の事件と非常に似ていることに気づく。
それは、女性がレイプされた揚句に惨殺された事件で、容疑者
ジーザス・マルティネス
の弁護を担当したミックは無罪を主張する彼に無理矢理罪を認めさせ、司法取引を行って死刑を免れて終身刑となった事件だった。マルティネスに面会に行ったミックはルイスの写真を見せると、明らかにマルティネスは動揺する。ミックはルイスが4年前の殺人事件の真犯人で、今回も同様にレジーを殺そうとしていたのではないかという疑いを抱く。しかし弁護士には秘匿特権があるため、依頼人を告発することができないのだ。
その夜、ミックを訪ねてきたルイスは4年前の殺しを認めた上で、脅しにかかってきた。そしてそれは単なる脅しではなく、裁判が始まるやフランクが殺されてしまう。殺害に使われたのはミックの自宅から盗まれた銃で、フランク殺しの最重要人物となったミックは、ルイスが有罪と知りながらも彼の無罪を勝ち取るために法廷で戦わざるをえない状況に陥るのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
主演が今ひとつパッとしない(失礼)マシュー・マコノヒーだけに、あまり期待はせずに劇場に臨んだのだが、これが意外に面白かった。彼のキャラクターのこと、正義漢に燃える弁護士なんて似合うはずもなく、コピーにある通りヤバい仕事で弁護料をふんだくるちょいワル弁護士が似合っている。そして、そんな彼に好感が持てるのは、金持ち以外は相手にしないようなサラリーマン弁護士ではなく、相手を選ばず、時には弁護料抜きでも仕事を請け負うような、ちょっと熱い面も持ち合わせていることだ。おかかえ運転手が車を離れた隙に駐禁を食らい、給料から引いてくれと自ら申し出たのにもかかわらず、「安月給なんだから(って自分で言っちゃダメでしょ ^-^;)」と気にも留めない鷹揚さからも、「コイツ、見かけによらずいい奴じゃん」と好感度が上がる。
そんな彼が金になると睨んで請け負った弁護がこの作品のすべてかと予想していたら、意外にも事件は4年前の殺人に連鎖していて、それが故に彼が動くに動けない自縄自縛の状態に陥るのだ。単純な展開を予想していた私は、この時点で完全に我を忘れてスクリーンに釘付けになってしまった。
マシュー演じるミックの元妻で検事でもある、マリサ・トメイ演じるマギーが今ひとつ本筋に絡んでこないのはちょっと残念だし、ウィリアム・H・メイシー(このヒト、自分でも何がいいのかわからないけど気に入ってる)がいい味出してるのに、早々と殺されてしまうのも個人的には惜しまれる。ただ、そこからストーリーは俄然謎を秘めて面白くなっていくのだ。
虫も殺さないような涼しい顔をしたライアン・フィリップ演じるルイス・ルーレ、こういう輩が実は裏ではトンデモないワルだったりするだけに厄介だ。そして、平気で弁護士の家に侵入して脅迫したりするのだ。もっとも、この息子にしてあの母親ありで、フランシス・フィッシャー扮するルイスの母親・メアリーもまた輪をかけて始末が悪い。この親子を観ていると、シュワちゃんの『キンダーガートン・コップ』のクリスプ親子を思い出させる。
クライマックスである法廷での弁護シーンでは、ルイスの過去を暴きながらも無罪に持ち込むミックの弁護が光る。それだけではなく、レジーの件では見事に無罪に持ち込みながらも、巧みに4年前の犯罪の真犯人であることを明らかにしていくのだ。「お前は一体どちらの味方だ?」と言いたくなるのも当然のミックの見事な身の交わし方は必見だ。