評     価  

 
       
File No. 1635  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2012年07月21日  
       
製  作  国   イタリア  
       
監      督   ナンニ・モレッティ  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   神さま、
なぜ、
私なんですか?
 
就任演説の直前、新・法王様が逃げだした!
笑って、ホロリ。人生に束の間の休息を。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ミシェル・ピッコリ [as 新ローマ法王(メルヴィル)]
イエルジー・スチュエル [as ヴァチカン報道官]
レナート・スカルパ [as グレゴリー枢機卿]
ナンニ・モレッティ [as 精神科医]
マルゲリータ・ブイ [as 精神科医]
フランコ・グラツィオージ
カミーロ・ミッリ
ダリオ・カンタレッリ
ロベルト・ノービレ
ジャンルカ・ゴビ
 
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あ ら す じ    現ローマ法王の崩御を受けて、コンクラーヴェによって新しい法王を選出するために各国からヴァチカンへ枢機卿たちが招集される。サン・ピエトロ広場には、新法王誕生を祝福しようと民衆が押しかけ、世紀の瞬間を今か今かと心待ちにしていた。システィーナ礼拝堂で投票が行われるが、枢機卿たちは心の内では重責を担う法王に選ばれたくないと一様に思っていた。投票の結果、誰も予想だにしなかったダークホース的な存在・メルヴィルが有力候補を押しのけて当選してしまう。
 サン・ピエトロ広場に溢れかえった人々は、新法王の決定を知らせる白い煙と鐘の音に、新法王が顔を見せるのを心待ちにしていた。ところが、内気なメルヴィルは重圧に耐えきれずに、その場から逃げだしてしまう。慌てたヴァチカン報道官は医師を呼んで新法王を診察させるが、異常はどこにもない健康体だった。さらに、精神科医を呼んだものの、法王に対するNGが多すぎて診察すらままならなかった。やむなく報道官は法王の身分を知らない街中の精神科医に診察させるため、法王を連れ出すが、あろうことか診察を終えた法王はそのままローマの街に逃げだしてしまう。
 新法王が行方不明という前代未聞の事態に慌てた報道官は、事が公にならないよう画策し、街中を捜索する。一方ローマの街に逃げ込んだメルヴィルは、市井の人々と触れ合ううちに、人生における大切なものや信仰心、そして法王の存在意義を見つめ直していく。果たして、ローマの街で彼が見つけた回答とは・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    う〜ん・・・・・結構期待していたのだが、単なる軽妙なコメディに終わってしまっていて、残念なことこの上ない。ローマ法王の崩御からスタートして、コンクラーヴェ(法王選挙)が行われるまでは、淡々とした描写の中にも思わずクスッと笑ってしまうようなスパイスが利かされていて、嫌でも法王の逃亡劇に期待が高まるのだが・・・・・これが見事に期待外れに終わってしまったのだ。
 逃げだしたメルヴィルがローマの人々と触れ合いながら大事な物を見つけ出していく、そんなストーリーなのだが、人々との触れ合いがあまりに浅薄過ぎる。彼がかつて役者を目指していたのはわかるが、彼らとの触れ合いがメルヴィルの心境にどんな影響を与え、メルヴィルがそこから何を見いだしたのか、その辺りがまったく感じ取れない。まるで子供の作文のようで、「メルヴィルが逃げだしてAさんと誰と会いました。そして次にBさんに会いました。また、Cさんとも出会いました。そして、メルヴィルはひとつの答えにたどり着きました」みたいな、単に出来事の羅列だけで、観る者はそこから何も感じられないのだ。これじゃ、感動も何もあったもんじゃない。
 ここからはネタバレになってしまうかもしれないので、それでも構わない方はどうぞ。そんな市井の人々と触れ合うことによって、彼が法王になる決意を固めた・・・・・というならまだわかるが、彼が大衆の面前に戻って吐いた言葉には正直唖然とさせられた。さらには、主人公が不在のヴァチカンで、なぜか精神科医を中心に繰り広げられるバレーボールの試合がくどい。あんなシーンに時間を割いて、一体何が面白いんだか、私にはさっぱり理解できなかった。監督のナンニ・モレッティが単に出たがりなだけ?