評     価  

 
       
File No. 1642  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2012年08月04日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   それは、細胞の一つ一つが単独で生きている
それは、生物に同化して擬態する
それは、すでに我々の中にいる・・・
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   メアリー・エリザベス・ウィンステッド [as ケイト・ロイド]
ジョエル・エドガートン [as サム・カーター]
ウルリク・トムセン [as Dr.サンダー・ハーヴォーソン]
エリック・クリスチャン・オルセン [as アダム・フィンチ]
アドウェール・アキノエ=アグバエ [as デレク・ジェームソン]
ポール・ブラウンスタイン [as グリッグス]
トロンド・エスペン・セイム [as エドヴァルド・ウォルナー]
イム・バブス [as ジュリエット]
ヨルゲン・ランゲレ [as ラース]
ジャン・ガナー・ロイス [as オルヴァ]
スティグ・ヘンリック・ホフ [as ペダー]
 
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あ ら す じ    コロンビア大学の考古生物学者ケイト・ロイドは、偶然氷の中で発見された太古の昔に死んだと思われる生命体の調査のため、世紀の大発見に沸き立つノルウェー南極観測隊の基地へと降り立つ。そこには、化石が閉じ込められた何の変哲もない氷塊が置かれていた。
 ドリルで氷塊に穴を開けた途端、“それ”は解き放たれた。その物体は、狙いをつけた生物の体内に侵入、細胞に同化してその生物そのものになりすまし、自らの生存のため人間同士を争わせようとする宇宙からの生命体だったのだ。しかもケイトの計算によると、“それ”はすさまじい勢いで増殖して、やがては地球上の生物全てを同化してしまうことが判明した。
 突如、ひび割れた隊員の顔面から無数の触手が伸び、気絶した隊員の腕が別の生物に変形する。あり得ない光景にパニックに陥る生き残ったメンバーたち。ケイトと隊員たちは、氷に閉じ込められた南極基地の中で、親しかったはずの仲間が変形して襲いかかる“それ”の恐怖と、誰が“それ”に乗っ取られているのかすら分からない疑心暗鬼に巻き込まれていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    1982年に公開されたジョン・カーペンター監督作『遊星からの物体X』の発端となるノルウェー基地での前日譚を描いた作品。なぜ前作から30年も経って、今さらビギニングなのか?という疑問はあるが、『ダークナイト』での失敗を踏まえて、DVDで前作を復習してから劇場へ臨んだ。
 基本的には前作と何も変わっていない。まるでアメリカの南極基地での出来事をそのままリメイクしたような作りで、なぜこんなビギニング物を今さら製作したのか、さらに疑問が膨らむ。前作と明らかに異なるのは主人公が女性だという点くらいだが、そのヒロイン・ケイトを演じるメアリー・エリザベス・ウィンステッドがこんな作品には不似合いな美形で、調べてみたら『スコット・ピルグリム』でヒロインのラモーナを演じていたことがわかって納得。彼女の次作『リンカーン/秘密の書』も期待大だ。
 その彼女が最後に助かるのか、それともエイリアンにやられてしまうのかは伏せておくとして、ラストではノルウェーの南極観測基地には誰もいなくなってしまう。だったら前作でヘリに乗って犬を狙撃していたのは誰?と矛盾しているように思えるが、ラストに意外な生存者が現れて、一応前作への繋がりも筋が通っていることがわかる。前作を観ていなくても、この作品を理解するのには何も困らないものの、前作を観ていれば結末がわかっているだけに、前作とどう繋げるのかをチェックする楽しみがある。というか、私にとってはそれしか楽しみがなかったのだけど。
 それにしても、CG技術が30年前とは比較にならないほど高度な映像を可能にしているにもかかわらず、この作品の映像は今のレベルからすると稚拙な印象を受けるし、物体Xの造形も前作と変わりなく思えるのは、その善し悪しはともかくとして、敢えてCGを抑えてカーペンター監督版のイメージを踏襲したためだろう。