評 価
File No.
1648
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年08月11日
製 作 国
スペイン
監 督
ジャウマ・バラゲロ
上 映 時 間
101分
公開時コピー
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ルイス・トサル
[as セサル]
マルタ・エトゥラ
[as クララ]
アルベルト・サン・フアン
[as マルコス]
ペトラ・マルティネス
[as ベロニカ]
アイリス・アルメイダ
カルロス・ラサルテ
アンパロ・フェルナンデス
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あ ら す じ
セサル
はバルセロナにあるマンションで、住み込みの管理人として働いていた。住人たちともフランクに接する好青年だが、彼には密やかな愉しみがあった。マンションに住む美女の
クララ
が仕事から帰宅しベッドで眠りはじめると、ベッドの下から這い出してくるセサル。彼はマンションの住人の合鍵を使える立場を利用して、夜な夜なクララの部屋に潜入していた。
セサルは寝入るクララに薬を嗅がせより深い睡眠に落とし込み、彼女の体を慰め続ける。セサルの異常な行動は、日を追うごとにエスカレートしていく。そしてある夜、クララの留守中に彼女の部屋に侵入したセサルは、突如クララが恋人と共に帰宅したことに慌て驚き、荷物をベッドの下に置き忘れたまま、朝までバスタブで寝入ってしまう・・・・・。
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たぴおか的コメント
美女(副題には白肌の美女とあるが、個人的には“?”マークが付く)と彼女にまとわりつく変質者ストーカー男の物語ということは知っていたが、「美女がストーカーに脅かされてその魔手からいかにして逃れるか?」という展開だろうと思っていた私の予想は見事にはずれてしまった。この作品、女性ではなくストーカー野郎が主人公で、すべては彼の立場から描かれているのだ。
主人公の変態野郎ことセサルを演じたルイス・トサルは、ちょっとハビエル・バルデムを思わせるような風貌で、見かけからしてこの作品のセサルのようなキャラクターにうってつけに思える(見た目で人を判断しちゃいけません>自分)。表向きの顔は誰にでも懇切丁寧なマンションの管理人なのだが、そういう輩に限って裏では何をしでかしているかわからないという典型例だろう。そして、セサルが住人の一人であるクララにストーカー行為を行った背景には、どうやらセサルのマザー・コンプレックスに原因がありそうだ。
クララを演じたマルタ・エトゥラは、上に書いた通り正直に美女とは言い難いのに加えて、この手の作品のヒロインとしてはちょっと年齢が高すぎるんじゃないだろうか。冒頭でセサルと同じベッドで寝ていたシーンを見せられた時は、てっきりセサルの妻だと思い込んでしまったほどだ。そして、この手の作品にしては、思っていたほど彼女の露出は少なく(別に彼女の露出を目当てで観たわけじゃないので念のため ^-^;)、エロティックさよりもむしろセサルの犯行がバレるかバレないかというサスペンス性の方に比重が置かれているようだ。
クララの部屋にゴキブリを大量発生させたのはともかく、彼女の化粧品に異物を混入して彼女の顔中を炎症だらけにしたりと、セサルのクララに対する感情が愛情だけなのか、それとも何らかの憎悪を伴っているのかが今ひとつ判断しかねる。「かわいさ余って憎さ百倍」というくらい、愛情と憎悪は紙一重の感情なのかも知れないが、セサルの愛情にはかなりサディスティックな嗜好があるようで、ラストシーンではそれが彼のクララへの手紙によっても明らかになる。こういう歪んだ表現でしか女性を愛することができないセサルは、ある意味寂しくそして悲しい男の代表なのかもしれない。