評     価  

 
       
File No. 1655  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年09月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ダニエル・エスピノーサ  
       
上 映 時 間   115分  
       
公開時コピー   お前は悪魔と逃げている  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   デンゼル・ワシントン [as トビン・フロスト]
ライアン・レイノルズ [as マット・ウェストン]
ヴェラ・ファーミガ [as キャサリン・リンクレーター]
ブレンダン・グリーソン [as デヴィッド・バーロー]
サム・シェパード [as ハーラン・ホイットフォード]
ルーベン・ブラデス [as カルロス・ヴィラル]
ノラ・アルネゼデール [as アナ・モロー]
ロバート・パトリック [as ダニエル・キーファー]
リーアム・カニンガム [as アレック・ウェド]
ジョエル・キナマン [as ケラー]
 
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あ ら す じ    南アフリカの米国領事館に、一人の男が出頭した。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントでありながら敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト。彼は南アフリカでとある極秘情報をMI6エージェントから入手したものの、正体不明の敵の襲撃を受け、壮絶なカーチェイスの末に自ら米国領事館へと出頭したのだ。
 世界的な犯罪者確保の連絡を受けたCIAは、早速ダニエル・キーファーらエージェントを送り込み、フロストをCIAの隠れ家(=Safe House)に連行する。ところが、外部には一切知らされていない隠れ家にもかかわらず、敵の急襲を受けてしまう。キーファーらは的の凶弾に倒れ、残されたのは隠れ家を管理している新米CIAのマットひとりとなった。フロストから残って客人をみすみす殺されるか、それとも自分を連れて逃げるかの選択を迫られ、マットはやむなくフロストを連れて隠れ家から脱出するのだった。
 なぜ極秘の隠れ家が敵に知れてしまったのか、フロストはCIA内部に裏切り者がいるのだと言う。マットは次第に心理操作を得意とするフロストの話術の前に、疑心暗鬼を募らせていく。敵の正体も目的もわからないまま、マットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「デンゼル作品にハズレなし」とまで言わしめる、オスカー俳優デンゼル・ワシントンの、『アンストッパブル』以来2年ぶりとなる主演作。かつては優秀なCIAエージェントだったデンゼル扮するトビン・フロストが、なぜかCIAと袂を分かち、世界各国から指名手配されるほどの大物犯罪者と成り下がったわけだが、そこはデンゼルだけに単なる悪党ではなく、彼の行動の原点にはある強い動機があったわけだ。
 そんなトビンと行動を共にする羽目に陥った、ライアン・レイノルズ扮するマットは、“客室係”と呼ばれる駆け出しの諜報員だ。この作品の原題である“SAFE HOUSE”とは“客人”と呼ばれる逮捕した犯罪者を秘匿するためのCIAの隠れ家で、その隠れ家に常駐し連絡役を務めるのが“客室係”だ。そんな駆け出しのCIAエージェントのマットに対して、トビンは何か感じるところがあったのだろう。観ているとトビンとマットが、やがて先輩指導員と新米エージェントであるかのように思えてきて、そんな2人の関係が観ていて心地いい。
 壮絶なまでのカーチェイスとアクション、そして誰が敵で誰が味方なのかわからないというスリル、その三拍子が観る者を全く退屈させない。CIA内部の裏切り者が誰なのかは意外にあっさりと明かされてしまうが、そんなことさえ枝葉末節に過ぎないのだ。
 デンゼル・ワシントンの、いかにも世界を股にかけた大犯罪者と言わんばかりの貫禄十分な演技はさすがで、どんなシチュエーションに置かれても決して動じることがなく、憎らしいほど沈着冷静だ。ライアン・レイノルズも不慣れなミッションに戸惑いながらも、次第にエージェントとしての能力を開花していくマットを好演している。マットの恋人アナ役のノラ・アルネゼデールもハッキリした顔立ちの美人で好感が持て、ラストシーンをさらに引き立ててくれている。トビンが最初にマットに言った「お前の方が彼女から離れる」と言った言葉が現実になってしまい、声をかけずにアナの前から姿を消すマットの姿が印象的だった。