評     価  

 
       
File No. 1658  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年09月07日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   本広 克行  
       
上 映 時 間   126分  
       
公開時コピー       

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   織田 裕二 [as 青島俊作]
柳葉 敏郎 [as 室井慎次]
深津 絵里 [as 恩田すみれ]
ユースケ・サンタマリア [as 真下正義湾岸署署長]
伊藤 淳史 [as 和久伸次郎]
内田 有紀 [as 篠原夏美]
小泉 孝太郎 [as 小池茂]
北村 総一朗 [as 神田指導員]
小野 武彦 [as 袴田健吾副所長]
斉藤 暁 [as 秋山指導員]
佐戸井 けん太 [as 魚住二郎]
真矢 みき [as 沖田仁美]
筧 利夫 [as 新城賢太郎]
小栗 旬 [as 鳥飼誠一]
香取 慎吾 [as 久瀬]
 
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あ ら す じ    警視庁湾岸署管轄内で開催されている国際環境エネルギーサミットの会場で誘拐事件が起こり、さらに数時間後には被害者が射殺体で発見されるという事件が発生する。湾岸署内に捜査本部が置かれ、管理官・鳥飼誠一が指揮を執ることとなった。ところが、警察が押収した拳銃が使用されたにも関わらず、所轄の捜査員には情報開示されず、全ての捜査情報を文面にて鳥飼へ報告することが捜査会議にて発表される。
 異例と言える捜査方針が敷かれる中、第2の殺人事件が発生する。被害者は前回と同様に6年前の少女誘拐殺人事件の被疑者と目された人物だった。警察上層部では実行犯の目星をつけていたにもかかわらず、共犯者を突き止めるために実行犯を泳がせ、事件とは無関係な人物を容疑者として青島俊作に逮捕させる。ところが、彼には事件当時湾岸署で恩田すみれの取り調べを受けていたという確固たるアリバイがあった。捜査本部の捜査方針に疑念を抱いた青島は、監房審議官の室井慎次に問い詰めたところ、室井の返事は「自分に預けろ」だった。
 不当逮捕の疑いがあることが湾岸署内に広がり、上層部は誤認逮捕と自白強要、そして、それを命じたという濡れ衣で、青島と室井に辞職を勧告するが、これは鳥飼の発案だった。青島は警察手帳を取り上げられてしまうが、折り悪く第3の事件が発生する。追い詰められた実行犯が、今や湾岸署署長となった真下正義の息子を誘拐したのだった。青島は鳥飼の制止を振り切って捜査に飛び出し、現場の指揮を鳥飼に代わって室井が執ることとなった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    前作のサイテーな出来に唖然とさせられ、この『THE FINAL』も劇場で観るか迷ったのだが、貴重な休日は避けて仕事を終えた後の平日のレイトショーに臨むことにした。クドいようだが前作がサイテーだったので、いくら何でも今回はそれよりはマシだろうとは思っていたが・・・・・前作と比べても五十歩百歩、言っちゃ悪いが駄作の域を出ない内容で、TVのスペシャルで充分だ。
 予告編ではあるシーンで銃声がして青島が倒れ、「さらば、青島」と表示される。実はこれに釣られて観てしまったのだが、観てみるとこれまた笑えないギャグとしか思えない。実は青島は銃で撃たれるわけでも何でもなく、ただ古傷の痛みで転倒しただけという、なんとも間抜けなシーンだった。
 最後だから何でもアリだと言わんばかりの力業がやたらと目立つ。殺人事件の容疑者として、事件発生時に湾岸署で取り調べを受けていたという、これ以上はない確固たるアリバイがある人間を任意同行するなんて、あまりにも非現実的。とうてい起訴などできないし、万が一立件したとしても裁判では無罪になるのは火を見るよりも明らかだ。そんな無理を通した理由が、警察内部の不祥事(=犯行)を隠蔽するのが目的でありながら、不当逮捕の責任を青島と室井に負わせて辞職勧告だなんて、結局内部の不祥事以外の何物でもない。まさに恥の上塗りというやつだ。
 青島が真下の息子が捕らえられている倉庫を発見したが、「子供はバナナが好きだから」だって?そんなのは奇跡と言うほかはない偶然の積み重ねであって、何の根拠もない。たまたまそこに子供がいたからいいようなものの、もしハズレていたら確実に子供は殺されていたぞ。すみれ&バスのシーンには、呆れるのを通り越して目を覆いたくなるような凄まじさだ。警察手帳もない乗客にバスを明け渡すなんてあり得ないし、当たり前に考えればバスを降りてタクシーを拾うんじゃないの?無理矢理バスを降ろされた客はどうなる?闇雲に倉庫に突っ込んで真下の息子や青島、和久を撥ねたりしたらどうするつもりだ?倉庫会社への損害賠償は?もう重箱の隅などつつかなくても、あげればキリがない粗の数々。真面目にコメントする意欲さえ失せてしまいそうだ。
 有終の美ということで、このところご無沙汰だった筧利夫や水野美紀らが登場するのはわかる。だが、解散したはずのスリーアミーゴズを無理矢理登場させての小ネタには、もううんざりどころか不愉快ですらある。
 このシリーズが警察上層部と現場との軋轢を常にテーマにしてきたようだが、ドラマはともかく映画では見るに堪えるのはせいぜい1作目までで、2作目で真矢みきを登場させて以来、どう見ても茶番劇にしか見えないまでに成り下がってしまっている。
 この作品最大のヒーローは青島や室井ではなく、大杉漣扮する・・・・・役名がわからない(泣)。あれだけの役にもかかわらず、各映画関連サイトはおろか、オフィシャルサイトのクレジットにすら名前がないとはどういうことだ?この作品の中で最後に大杉漣が取った行動こそ、唯一溜飲を下げるシーンだったのに。