評     価  

 
       
File No. 1662  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年09月14日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ターセム・シン・ダンドワール  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   おとぎの国で
バトルが始まる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリア・ロバーツ [as 女王]
リリー・コリンズ [as 白雪姫]
アーミー・ハマー [as 王子]
ネイサン・レイン [as ブライトン]
メア・ウィニンガム [as ベイカー・マーガレット]
マイケル・ラーナー [as 男爵]
ロバート・エムズ [as チャールズ・レンボック]
ショーン・ビーン [as 国王]
ジョーダン・プレンティス [as ナポレオン]
マーク・ポヴィネッリ [as ハーフ・パイント]
ジョー・ノッフォ [as グラブ]
ダニー・ウッドバーン [as グリム]
セバスチャン・サラセーノ [as ウルフ]
マーティン・クレバ [as ブッチャー]
ロナルド・リー・クラーク [as チャック]
 
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あ ら す じ    幼い頃から城に幽閉されている白雪姫はある日城から抜け出し城の外の森へと足を踏み入れて、巨人に襲われたという木にぶら下げられている2人の男を見つける。2人を助けると彼らはお礼を言い行ってしまうが、白雪姫はその一人の若い男に惹かれていた。白雪姫が向かった先はこの国にある活気で溢れるある村だった。しかしそれは彼女がまだ幼い頃の話で、今ではその名残はなく村の住人は貧困に苦しんでいた。城に住む彼女の義理の母である女王の贅沢三昧のせいだった。その事実に驚いた白雪姫はこの状況を打破しようと考える。
 城に2人の男が訪れる。そのうちのひとりが遠い国の王子であることを知った女王は、盛大なパーティを開き彼と結婚することを考えた。そうすればもっと贅沢ができると考えたのである。白雪姫もまた王子にこの国を助けてもらおうとしていた。そしてパーティ当日、白雪姫は王子と対面して彼があの森で出会った巨人に襲われたという男だと気づく。しかし、女王の狙った相手と話をしたことで怒りを買った姫は捕らえられてしまう。女王は側近のブライトンに白雪姫を殺すように命令する。命令に逆らえないブライトンは白雪姫を森へ連れ出したが、本当は心優しい彼には殺すことはできず彼は白雪姫を逃がし、女王には白雪姫が死んだと伝えるのだった。
 翌日、目を覚ました白雪姫は、自分が小屋のような場所にいて、周りに人がいることに気づいた。森の中で倒れたところを彼らに助けられたのだ。彼らと寝食を共にするにつれ、白雪姫と小人たちは互いに打ち解けていく。そんなある日、仕事から帰った彼らが大金を持っていたことに驚く。彼らは森を通る人間を襲い金を奪っていて、その日彼らが襲ったのは村から税金とし巻き上げた金を城へ運ぶ馬車だった。村の貧困を知っていた白雪姫はそれを村へ返しに行き、これを奪い返したのはこの七人だと教えるのだった。
 女王は王子を虜にするため鏡の精に惚れ薬を頼む。さらに白雪姫が生きているのを知り、彼らの住む小屋を魔法を使い攻撃し始めた。突然の襲撃をなんとか乗り切った白雪姫達は王子の結婚式の知らせを耳にし、結婚式に皆で乗り込むことを計画する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ちょっと前にクリステン・スチュワートが“戦う白雪姫”を演じた『スノーホワイト』が公開されていたから、いやでも比較したくなってしまう。ハッキリ言って、作品のスケールや制作費、それにキャスティングに関してはクリステン版『スノーホワイト』に軍配を上げざるを得ないし、観る前は「きっと、『スノーホワイト』とは勝負にならないだろうな」なんてナメてかかっていたのだが、観てみるとこれが侮れない。いや、それどころか、個人的にはこっちのリリー版『白雪姫と鏡の女王』の方を抜群に気に入ってしまった。
 その最大の理由は単純、リリー・コリンズの反則的なまでの可愛さで、男性が100人観たら95人以上がトリコになってしまうと言っても過言じゃない。そんな彼女が大暴れする舞台は、ストーリーさえも大幅にデフォルメされたコメディで、彼女はコメディエンヌとしても才能が充分なようだ。ディズニーが制作したら、絶対にこんな作品はできないだろう。加えて、悪役の女王をジュリア・ロバーツが演じているが、これまたコミカルな悪役がよく似合っている。彼女を観ていると、余裕たっぷりに悪役女王を心底楽しんで演じているように見えるのはさすがだとしか言いようがない。また、白雪姫を助けるはずのアーミー・ハマー演じる王子が頼りなかったり、その分7人の小人たち(ちょっとガラが悪すぎるかもしれないけど)の方がよっぽど頼りになったり。
 本来の白雪姫であれば、女王に呪いをかけられるのは白雪姫で、王子のキスで生き返るというのが定番だが、この作品ではそれさえも逆に設定されていて、女王は王子に、あろうことか自分を好きになるような呪いをかける。これが、いかにもこの作品の女王らしくて面白い。そしてジュリア・ロバーツ女王にゾッコンになってしまった王子は、白雪姫のキスで正気を取り戻すのだ。その辺りが王子を「頼りない」と思わせるのだが、そんな王子をアーミー・ハマーが大真面目に(まぁ、ふざけて演じるわけにはいかないから当たり前のことだが)演じているから、真面目なシーンでも滑稽に見えてしまう。という感じで、『スノーホワイト』よりも単純で分かり易く、どちらかと言えば子ども向けに振られているような作品だ。
 ちょっと意表を突かれたのはエンド・クレジットで、リリー・コリンズが唄を披露してくれているのがまた嬉しいのだが、これをいきなりパッと見せられたら、映像も流れる曲もインド映画のエンディングだとしか思えないのだ(笑)。でも、まるでリリー・コリンズのPVのような映像は嬉しい限りだ。