前作を遙かに凌ぐスケールのデカさが何と言ってもこの作品の最大の魅力だ。前作では単なるカメオ出演だったブルース・ウィリスにシュワちゃんが加わった上に、チャック・ノリス、ジャン=クロード・ヴァン・ダムまでが名前を連ねるとは、いくらピークを過ぎたとはいえこれだけの主役級が一堂に会するようなキャスティングをやってのけるとは、それだけでも賞賛に値するんじゃないかな?
冒頭からストーリーや理屈など二の次と言わんばかりの派手なドンパチの連続で、観ている者を退屈させる暇もない。おまけに、前作は野郎ばかりのむさ苦しい映画だったのだが、今回は東洋の美女ユー・ナン(日本の女優で言えば京野ことみを美人にした感じだろうか)が紅一点で花を添えているのがいい。とてもいい(笑)。個人的な希望としては、ラストで彼女をエクスペンダブルズに迎え入れて、続編を製作してほしかったのだが。
そして、それよりも嬉しいのは、先に書いたとおり前作ではほんの顔見せ程度の出演だったシュワちゃん(ブルース・ウィリスは正直どうでもいい)が、ど派手な銃撃戦に参加していること。あのターミネーターの名セリフ“I'll be back”もちゃんと用意されていて、“I'll be back”を連発するものだからブルース・ウィリス扮するチャーチにたしなめられるというコミカルな場面もあったりする。極めつけはスタローン、シュワちゃん、そしてウィリスの3人のワンショットで、そのあたりは往年のスターのファン心理を実に巧く捉えたニクイ演出だ。
出番は少ないものの、それだけにチャック・ノリスの登場シーンはカッコ良すぎる(笑)。そして、今回は悪役だったJCVD。私は全盛期の彼の作品は敢えて避けてきたために1作も観ていないのだが、おそらくスタローン扮するロスとの一騎打ちで見せた回し蹴りは往年の彼を彷彿とさせるものだろう。ただ、それ以外はあまりにあっさりロスに倒されてしまった気がするのはちょっと物足りない。贅沢を言えば、スタローンだけでなくシュワちゃんとの肉弾戦も観てみたかった。
今回エクスペンダブルズに初参加のビリーを演じるリアム・ヘムズワースは、名前から察しがつくとおり『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースの実弟(ということを、『ハンガー・ゲーム』ではなくこの作品で気づいた)。早々と序盤でお役御免になってしまうのがちょっと残念だった。