評     価  

 
       
File No. 1685  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年11月10日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   三池 崇史  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   まるで出席をとるみたいに、
先生はみんあを殺し続けたんだ。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   伊藤 英明 [as 蓮実聖司]
二階堂 ふみ [as 片桐怜花(2年4組)]
染谷 将太 [as 早水圭介(2年4組)]
林 遣都 [as 前島雅彦(2年4組)]
浅香 航大 [as 夏越雄一郎(2年4組)]
水野 絵梨奈 [as 安原美彌(2年4組)]
山田 孝之 [as 柴原徹朗]
平 岳大 [as 久米剛毅]
吹越 満 [as 釣井正信]
(以下、2年4組の生徒たち)
KENTA [as 蓼沼将大]
宮里 駿 [as 伊佐田直樹]
横山 涼 [as 塩見大輔]
堀越 光貴 [as 坪内匠]
武田 一馬 [as 泉哲也]
竹内 寿 [as 鈴木章]
米本 来輝 [as 中村尚志]
岸田 タツヤ [as 山口卓馬]
荒井 敦史 [as 加藤拓人]
西井 幸人 [as 鈴木翔]
秋山 遊楽 [as 脇村肇]
中島 広稀 [as 木下聡]
藤原 薫 [as 田尻幸夫]
永瀬 匡 [as 鳴瀬修平]
尾関 陸 [as 渡会健吾]
小島 藤子 [as 阿部美咲]
塚田 帆南 [as 芹沢理沙子]
岸井 ゆきの [as 星田亜衣]
林 さくら [as 去来川舞]
藤井 武美 [as 清田梨奈]
菅野 莉央 [as 高橋柚香]
山谷 花純 [as 三田彩音]
神崎 れな [as 牛尾まどか]
山本 愛莉 [as 久保田菜々]
山崎 紘菜 [as 塚原悠希]
夏居 瑠奈 [as 小野寺楓子]
綾乃 美花 [as 佐藤真優]
伊藤 沙莉 [as 永井あゆみ]
三浦 透子 [as 横田沙織]
秋月 成美 [as 柏原亜星]
松岡 茉優 [as 白井さとみ]
藤本 七海 [as 林美穂]
兼尾 瑞穂 [as 吉田桃子]
宇治 清高 [as 松井翼]
 
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あ ら す じ    蓮実聖司は、担任する2年4組の生徒から“ハスミン”という愛称で呼ばれ、絶大な人気を誇る高校教師だった。学校やPTAの評価も高く、いわば「教師の鑑」とも呼べる存在だったが、それはすべて仮面に過ぎなかった。彼は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)だったのだ。
 蓮実は自らの目的を達成するためには、たとえ殺人でも厭わない。学校が抱える様々なトラブルや、自分の目的の妨げになる障害を取り除くために、いとも簡単に人を殺していく。そんな蓮実に疑念を抱いたのは、物理学の教諭・釣井正信だった。釣井は自分の蓮実に対する考えを4組の早水圭介に話すが、その直後電車の中で首吊り自殺を遂げてしまう。しかし、これも蓮実の仕業だった。そして、自分と釣井の会話が蓮実に盗聴されていたのではないかと気づいた早水もまた、蓮実の手にかかり殺されてしまう。
 4組の安原美彌が万引きをネタに教師の柴原徹朗から体を要求されていることを知った蓮実は、美彌を助けるふりをして弱みにつけ込み、美彌と肉体関係を結ぶ。そして、4組の男生徒・前島雅彦が教師の久米剛毅と同性愛の関係にあることを掴み、久米を脅して久米の車と家を使って美彌との関係を続けるのだった。
 いつしか周囲の人間を自由に操り、学校中を支配する存在になっていく蓮実。だがすべてが順調に進んでいた矢先、小さなほころびから自らの失敗が露呈し、それを隠蔽するために蓮実はクラスの生徒全員を惨殺することを決意するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    三池監督のエンジン全開とでも言うべきだろうか、徹底したバイオレンス作品で、「R15+」の視聴制限が設けられているのもうなずける。血に弱い人や残酷シーンを観たくない人には絶対に勧められない作品。主役の蓮実聖司を演じるのは、「こんな伊藤君は観たくない!」なんて悲鳴が『海猿』のファンや女性ファンから聞こえてきそうな伊藤英明だ。『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』でも主演が伊藤英明だったが、三池監督に気に入られているのだろうか。私は正直伊藤英明の演技は決して上手くないと思っていたのだが、人格障害者である蓮実という役柄にはそれが逆に功を奏しているように思える。何度も予告編で見せられた、階段から降りてくる生徒を制して猟銃で殺害するシーンの満足げな表情は、強烈に印象に残る。
 『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭・新人賞をW受賞した染谷将太・二階堂ふみが共演しているのも見所のひとつだ。そして、てっきり2人が演じる早水圭介と片桐怜花が最後まで残るのだろうという私の予想はあっさりと裏切られ、山場である猟銃による大量虐殺を待たずに早水は殺されてしまう。う〜ん、なかなか贅沢な使い方をするなぁ、と妙なところで感心させられた。たたみかけるようなバイオレンスシーンで圧倒する後半に比べると、前半は嵐の前の静けさで少々退屈させられるが、だからこそ後半が盛り上がるのだろう。
 本編が終了してエンド・クレジットに切り替わる前に、スクリーンに映された文字が“TO BE CONTINUED”。蓮実が警察に逮捕されたというのに、この続きがあるというのか?この点が実はこの作品で最も驚かされた点で、続編がどんな展開になるのか、観ないわけにはいかなくなった。