評     価  

 
       
File No. 1691  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年11月23日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   水田 伸生  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   力めよ、乙女。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   井上 真央 [as 西川千晶]
玉山 鉄二 [as 熊田公雄]
浅茅 陽子 [as 大林和枝]
西田 尚美 [as 中山絵美]
渡辺 直美 [as 藤代美香]
ソニン [as 伊藤麗子]
犬山 イヌコ [as 姫野かおる]
中鉢 明子 [as 吉田沙織]
石丸 謙二郎
佐藤 二朗
野間口 徹
木南 晴夏
綾田 俊樹
大川 ヒロキ
和田 正人
齋藤 隆成
石塚 英彦
笹野 高史 [as 藤代直正]
風間 杜夫 [as 花宮賢一郎大分市長]
松坂 慶子 [as 西川容子]
 
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あ ら す じ    真面目な性格の大分市役所広報課職員西川千晶は、市長の花宮賢一郎から、市のPRのために女子綱引きチームを結成するように”との無理難題を課されてしまう。マイナースポーツのためか、メンバーを公募しても人が集まらない。頭を痛めた千晶は、勤務先の給食センター廃止に反対して仲間とともに市役所に直談判に乗り込んだ母西川容子の姿を見て、市長との取引を思いつく。給食センターの職員を綱引きメンバーにして、全国大会出場まで勝ち抜いたら廃止を取り消そうというのだ。
 こうして集まった“綱娘”メンバーは、千晶の母・容子を筆頭に、「デートがある」と練習をサボりがちの大林和枝、反抗期の息子に手を焼く主婦の中山絵美、ペットショップ店員に恋い焦がれる伊藤麗子、認知症の父・藤代直正の介護に追われる食欲旺盛な藤代美香、競輪に夢中の姫野かおる、そしてタバコがやめられない吉田沙織という7人だった。そして、千晶は足りない1人のメンバーさせられた挙げ句、キャプテンまで押し付けられてしまう。コーチには、イケメンだが空気の読めないシイタケ農家の熊田公雄が抜擢され、とにもかくにも全国大会を目指す綱娘たちの活動がスタートする。
 前途多難なチームは小学生との練習試合にも完敗ししてしまい、この敗戦を全く意に介さないメンバーの態度に怒った千晶は、チーム脱退を宣言する。だが、容子から引き留められた千晶は、表には見せない女性たちの真の姿を知ることになる。なぜ和枝は練習をサボっていたのか?なぜ絵美の息子は母に反抗していたのか?それまで見えていなかったものが見えた時、千晶はたった1本のロープを8人で引き合うという単純な競技が、どれほどみんなの心を一つにしてゆくものであるかを理解する。“女に生まれてよかった。”心からそう思う千晶と気持ちを新たに結束した綱娘たち。しかし、市長の暗躍により、給食センターは再び廃止の危機に陥ってしまう。果たして、このピンチに千晶たちはどう立ち向かうのか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    3連休の初日11月23日に公開される作品だけで観たい作品が5本もあって、今年最高の映画ラッシュとなったこの3連休。時間の都合で最初の1本に選んだのが井上真央チャンとなった。そして、恥ずかしながらこの作品を観て、綱引きが全国大会はもちろんのこと、世界大会まで存在するスポーツだと言うことを初めて知った。
 真央チャンのイメージ通り、変な小細工をすることのない直球勝負のような作風が気持ちいい。そして、こういったストレートな人情話に私はめっきり弱いのだ。基本は綱引きというスポ根作品だが、もちろんそれだけではない。ひょんなことから女性綱引きチームを率いることとなった真央チャン扮する西川千晶の悪戦苦闘、そしてメンバーの女性たちが抱える悩み。メンバーが千晶以外はほとんどが主婦なのだから、誰しも何らかの家庭の事情を持つのは当然だろう。夫が大怪我をしたために、家計を一人で支えなければならない浅茅陽子扮する和枝。夫を亡くし、必死に夫の連れ子の本当の母親になろうとする西田尚美扮する絵美。彼女らはそんなことをおくびにも出さずに明るく振る舞っている。そんな姿を見せられたら、私のような単細胞はついつい応援したくなってしまい、知らずのうちに握り拳に力が入っていた。
 市長を演じた風間杜夫は、小賢しい憎まれ役が似合っている。7人の雇用よりも1,000人をという彼の理屈も、わからないじゃないけどね。ただ、市の助役(?)かな、市長の腰巾着のような役回りに佐藤二朗をキャスティングしたのはいかがなものかと思うが。
 ラストではついに綱娘が地区大会の試合に臨む。最初は圧倒されながらも、徐々に力を発揮して盛り返さんばかりのところでエンド・クレジット。彼女たちが勝ったのか負けたのかはわからないが、その懸命な姿で幕を閉じる潔さが、爽やかな余韻を残す作品だ。