評     価  

 
       
File No. 1695  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2012年11月24日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   デリック・マルティーニ  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   運命に逆らってやる。
私には無限の可能性があるんだから。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   クロエ・グレース・モレッツ [as ルリ・マクマレン]
エディ・レッドメイン [as エディ]
レイ・マッキノン [as ロイド]
ロリー・カルキン [as クレメント]
ジュリエット・ルイス [as タミー]
ブレイク・ライヴリー [as グレンダ]
アレック・ボールドウィン [as ボウ]
アンソン・マウント
ロバート・ベイカー
 
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あ ら す じ    アメリカ中西部のネブラスカ州。荒廃した農村地帯に住むルリ・マクマレンは、13歳の誕生日を迎えたばかりの少女。テレビで映画を見ることと絵を描くことが大好きだが、トラブルを抱えたアル中の両親からは相手にされず、友だちもない彼女は、熱心な映画鑑賞が育んだ想像力で現実逃避しながら、孤独で退屈な日々を送っていた。そんなある日、母と父が何も言わず立て続けに突然蒸発する。1人残されたルリは、家を出て憧れの地ラスベガスに向かうことを決意する。映画のような光り輝く夢の場所に行けば、自分を愛し、助けてくれる人と出会えるはずだと信じ、誕生日に貰った拳銃“スミス&ウェッソン45口径”を手に、ヒッチハイクを始めるのだった。
 幸先よく出会ったのは、童顔で片足が不自由な流れ者の青年エディだった。だが、車に乗せてもらうと、当初は愛想が良かったエディの態度が次第に豹変し、気まぐれな性格が明らかになってくる。やがて口論となり、恐ろしくなったルリは車を降り、その日は誰もいない僻地のど真ん中で野宿する。次の朝、どこか悲しげでセクシーな女性グレンダと出会ったルリは、彼女の車に同乗させてもらい、絆を深めながら、西に向かって車を飛ばす。ある街で、グレンダのリッチな恋人の家に辿り着くと、そこでルリはエディと再会。和解した2人は一緒に買い物に出かけるが、再びエディが本性をむき出しにしてくる。果たしてルリは、エディから逃げ切ることができるのだろうか……?そして、夢のラスベガスに無事辿り着くことができるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツのこれが初めてとなる単独主演作品。ローティーンの成長は早いもので、『キック・アス』の時はまだ幼い子供だった彼女も、思春期の少女へと着実に変わりつつある。ただ、縦に成長する分にはいいけど、横にも成長しているように感じるのは気のせいだろうか?・・・・・いや、決して気のせいではないように思う(笑)。タイトルの“HICK”とは田舎者という意味で、『田舎者』というだけではあまりに貧相だから、『ルリ13歳の旅』という副題を付けた邦題は、作品の内容はともかくとしていい気配りだろうと思う。
 内容はクロエ・グレース・モレッツ演じる13歳のルリが、憧れのラスベガスを目指すロード・ムービーなのだが、個人的にはどうも内容が気に入らない。ローティーンの少女が出会う相手としてはロクな人間がいないし、唯一の救いは最後に登場するアレック・ボールドウィンが演じるボウくらいのもの。特に、エディ・レッドメインががサイテーなキャラで、挙げ句にルリにあんなこと(どんなことかはこの場では伏せておきます)までさせてしまうとは・・・・・教育上絶対によろしくない(笑)。少なくともこの作品、文部科学省から推奨されるようなことは絶対にないだろう。
 ルリが家を出た理由も今ひとつハッキリしないし、さらにはルリが出会う人物、エディやグレンダなのだが、そのキャラクター設定が明確にされていないように思える。だから、ルリが彼らと出会って何を感じ、何を学んだのかが感じ取れない。極言すれば、よくわかったのは「ルリという少女が家出をして、ラスベガスに向かう途中でエディとグレンダに出会いました」ということだけなのだ。そこからはコピーにあるような「運命に逆らう」ことや「無限の可能性」は感じ取れない。『キック・アス』のミンディや『モールス』のアビーのような得意なキャラクターならともかく、この作品のルリのようにどこにでもいるような平凡な少女を演じて観客を魅了するには、もう少し勉強が必要だということなのだろう。