評 価
File No.
1699
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年12月08日
製 作 国
イギリス
監 督
ラッセ・ハルストレム
上 映 時 間
108分
公開時コピー
イエメンに鮭を泳がせろ!?
ありえない国家プロジェクト始動!
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ユアン・マクレガー
[as アルフレッド・ジョーンズ博士]
エミリー・ブラント
[as ハリエット・チェトウォド=タルボット]
クリスティン・スコット・トーマス
[as パトリシア・マクスウェル]
アムール・ワケド
[as シャイフ・ムハマンド]
トム・マイソン
[as ロバート・マイヤーズ]
キャサリン・ステッドマン
[as アシュレイ]
レイチェル・スターリング
[as メアリー・ジョーンズ]
トム・ベアード
[as ピーター・マクスウェル]
ジル・ベイカー
[as ベティ]
コンリース・ヒル
[as ベルナード・サグデン]
アレックス・テイラー=マクドウォール
[as エドワード・マクスウェル]
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あ ら す じ
砂漠の国イエメンに、鮭を泳がせて釣りをするというプロジェクトの顧問を頼まれ、水産学者の
アルフレッド・ジョーンズ博士
は呆れていた。依頼人は、イエメンの大富豪
シャイフ・ムハマンド
で、英国外務省の支持も得ているが、荒唐無稽であることに違いはない。だが実は、中東情勢が悪化し、首相広報担当官の
パトリシア・マクスウェル
が、英国への批判をかわすための話題作りに“イエメンでの鮭釣り”を選んだのだ。しかも、雨季の水を蓄えた地層を見つけたシャイフは、人々の生活のために砂漠に水を引く長期計画を実行、既にイエメンにはダムが完成していた。プロジェクトに専念しないとクビだと上司の
ベルナード・サグデン
から迫られたアルフレッドは、科学者としてのプライドと家のローンとの間で揺れるが、給料が倍になると聞いて承諾するのだった。
北海で鮭を1万匹捕まえ、世界最大の輸送機で生きたまま運ぶ。費用は5000万ポンド。実現不可能だからと、思いつきのホラ計画をペラペラと話すアルフレッドだったが、窓口であるフィッツハリス&プライス投資コンサルタントの
ハリエット・チェトウォド=タルボット
は「さっそく取りかかりましょう」と微笑む。だが新チームを組むことになったこの二人には、私生活に心配事があった。アルフレッドの妻
メアリー・ジョーンズ
は以前から仕事にしか関心がなく、夫婦は機械的な結婚生活を送っていた。一方、ハリエットは、つき合い始めてまだ数週間の軍人の
ロバート・マイヤーズ
が中東に派兵されることとなり、彼の安否が気にかかって仕方なかった。それぞれの悩みを胸に秘め、シャイフと面会するためにスコットランドの城へ2人は向かう。金で買えないものはないと考える不遜な男と思いきや、シャイフは大富豪である前に人間味に溢れた一人の釣り人だった。竿を手に共に川へ入り、率直に語り合ううちにアルフレッドは彼に共感と敬意を抱くようになる。
そんな折、ロバートが戦闘中に行方不明になったという報せが届く。会社を休み、家に閉じこもり、ただひたすら安否の情報を待つハリエット。何度も電話して出社を求めるアルフレッドのメッセージにハリエットは傷つきイラ立ち、突然、訪ねてきたアルフレッドに怒りをぶつける。ところがアルフレッドは心配して手作りのサンドイッチとワインを持ってきただけであった。アルフレッドの冷たく聞こえる言葉の陰に隠れた不器用な真心に気付くハリエット。そしてアルフレッドは、彼女へのビジネスパートナー以上の想いに気付き始めていた・・・・・。
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たぴおか的コメント
劇場のポスターでは、監督であれば「○○○の監督」ってな具合に、たいていかつてのヒット作が名前に列記されるのだが、ラッセ・ハレストレムの場合は未だに『ギルバート・グレイプのラッセ・ハレストレム』で、それ以来代表的なヒット作がなかったということになるのだろう。この作品は、そんなラッセ・ハレストレム監督久々のヒット作と言っていいんじゃないだろうか。決して派手さのない、穏やかなストーリーだが、じんわりと心に染みいるものがあって、観終えた後で久しぶりに爽やかな気分に包まれた。
砂漠で鮭釣りだなんて荒唐無稽なシチュエーションの作品だが、金さえ有ればどんな無理でも通ってしまうのかなぁ、と妙なところに感心。そんな無理難題を投げつけた石油成金のシャイフ・ムハマンドだが、コイツが見かけによらずできた人物で、砂漠で鮭釣りという無茶な注文の理由には共感してしまう。
砂漠川を作り鮭を放つというプロジェクトに挑んだ、ユアン・マクレガー扮するアルフレッドと、エミリー・ブラント扮するハリエットの苦労談が中心になるかと思っていたら、前振りでは確かにその気もあったものの、意外にも後半は2人のラブ・ストーリーに比重が置かれている。そして、それが不自然さを感じさせずごくスムースに移行するので、観ている私もついつい釣り込まれてしまう(鮭じゃないのにね(笑))。
クライマックスではいよいよ鮭が放流されるのだが、その鮭たちが一斉に川を遡り始めるシーンは、わかっていても感動してしまう。そして、プロジェクトが見事成功してめでたし、めでたし・・・・・と思わせておいて、予想もしないどんでん返しが用意されている。一つは、死んだと思われたロバートの生還で、もう一つは人為的な妨害のためとはいえ、プロジェクトが失敗に終わってしまうのだ。ロバートの出現には、当然ながらハリエットの気持ちはロバートとアルフレッドの間で揺れ動く。一方のアルフレッドは、プロジェクトが失敗に終わり、しかもハリエットまで失ってしまうという、二重のダメージを受けてしまうのだ。
ラストはやや出来過ぎのハッピー・エンドかもしれないが、この作品にはそんなハッピー・エンドが似合っている。最初はイヤな奴だと思ったけど、最後にあんな決断ができるとは、ロバートも結構いい奴だね。