評     価  

 
       
File No. 1701  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年12月15日  
       
製  作  国   フランス / スペイン  
       
監      督   ブノワ・ジャコー  
       
上 映 時 間   100分  
       
公開時コピー   世界でいちばん
残酷な、片想い。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   レア・セドゥ [as シドニー・ラボルド]
ダイアン・クルーガー [as マリー・アントワネット]
ヴィルジニー・ルドワイヤン [as ガブリエル・ド・ポリニャック夫人]
グザヴィエ・ボーヴォワ [as ルイ16世]
ノエミ・ルボフスキー [as カンパン夫人]
ミシェル・ロバン ジュリー=マリー・パルマンティエ
ロリータ・シャマー
マルテ・コフマン
ヴラジミール・コンシニ
アンヌ・ブノワ
ドミニク・レイモン
エルヴェ・ピエール
アラダン・レイベル
ジャック・ノロ
ジャック・エルラン
マルティーヌ・シュヴァリエ
ジャック・ブーデ
ジャン=クレティアン・シベルタン=ブラン
ジャン=マルク・ステーレ
セルジュ・レンコ
 
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あ ら す じ    1789年7月14日。バスティーユ監獄が陥落し、フランス革命が勃発したその日、ヴェルサイユの人々はまだ何も知らずいつもと変わらぬ華やかな一日を送っていた。国王ルイ16世の妃マリー・アントワネットだけは予知したかのように悪夢に目覚め、早朝からお気に入りの朗読係シドニー・ラボルドを呼び出す。自分に心酔するシドニーと話すうちに王妃は落ち着きを取り戻す。
 7月15日。バスティーユ陥落の報と286人の処刑リストが出回り、騒然となるヴェルサイユ。筆頭は王妃で、3番目は王妃に最も愛され有り余る富と特権を享受しているガブリエル・ド・ポリニャック夫人だった。その深夜。王妃からポリニャックへの情熱的な恋心を打ち明けられたシドニーは、王妃のために、呼び出しに応じないポリニャックを説得して連れてくると申し出る。しかし、自宅で睡眠薬を飲んで熟睡するポリニャックの寝姿を、嫉妬と羨望の眼差しで眺め、諦めて引き返すのだった。
 取り乱しながら逃亡の準備をする王妃だったが、その姿を見て涙ぐむシドニーに“あなたを見捨てないわ”と告げる。7月16日。ヴェルサイユは激しく混乱していたが、王は逃亡せずに留まることを決定。王家の運命は新政府に委ねられた。絶望のあまり立ちすくむ王妃に歩み寄ったのは、光り輝く緑のドレスを纏ったポリニャックだった。しっかりと肩を抱き合って部屋へ向かう2人の背中に、シドニーは燃えるような視線を投げかける。ところが、王妃が逃亡を勧めると、ポリニャックは素直に応じてしまう。
 自殺者まで出した混乱の一夜が明けた翌朝。シドニーは王妃に改めて忠誠を誓うが、王妃からは召使いに変装してスイスに逃げるポリニャックの身代わりとして彼女に同行するよう言い渡される。王妃の残酷な命令と冷たい視線。引き裂かれた思い、死の恐怖。シドニーに待ち受ける運命は・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』で、その美しさと名前が記憶に強烈に焼き付いてしまったレア・セドゥの主演作。マリー・アントワネットを演じる共演女優がダイアン・クルーガーという、美人女優の競演とあれば否が応でも期待が高まるというものだ。『ルビー・スパークス』とどちらを先に観るか迷ったが、結局時間の都合でこちらを優先させることとなった。
 マリー・アントワネットをモチーフにした作品は数多いが、この作品は王妃の朗読係の少女を主人公に据え、彼女の視点から革命直前のヴェルサイユを描くという、今までにないアプローチが試みられているのが売り。で、主人公の朗読係シドニー・ボルドを演じたレア・セドゥだが、とにかく肌が驚くほど白く、“透き通るような肌”とはまさに彼女のためにあるような言葉だ。前歯の味噌っ歯が気になったけど、あれってメイクだよね?
 王妃の朗読係という役柄のためだろうが、レア・セドゥの演技が終始抑え気味に思えるのは、ちょっと物足りなかった気がする。『M:I G.P.』でも笑顔のない役柄だったから、もっと彼女の笑顔を観てみたいとは思うが、それでも王妃に恋い焦がれる好奇心旺盛な少女というのは充分に伝わってくる。一方のダイアン・クルーガーは、さすがに王妃の貫禄充分。実年齢もマリー・アントワネットに近いようだし、違和感を感じないのは何よりだった。