評     価  

 
       
File No. 1705  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年12月15日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山本 透  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   超・自由人VS元パンクロッカーの母VS真面目な女子中学生
 
ROCKじゃなきゃ、
家族はない!?
 
破天荒一家が織り成す、涙必至の感動ムービー!
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   麻生 久美子 [as 広瀬アキ]
大泉 洋 [as ヤグ(矢口)]
三吉 彩花 [as 広瀬ハツキ]
能年 玲奈 [as トモちゃん]
竹村 哲 [as ベースの茂樹]
MAH [as ドラムのヒロシ]
塚地 武雅 [as 学年主任・カニ]
小池 栄子 [as 小川先生]
土屋 アンナ [as フリマの店番]
 
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あ ら す じ    中学3年生の広瀬ハツキは、名古屋市内のアパートで母の広瀬アキと2人暮らし。以前パンクバンドでギタリストをしていたアキは、ハツキと友達同士のように仲がいい。桜が満開の頃、1年半前から「世界ツアーにでる」と言って音信不通になっていたヤグから葉書が届く。そこにはカンガルーの写真と共に「グッモーエビアン!」と書かれていた。
 半年後。ハツキが商店街を歩いていると、世界放浪を終えて突然帰国した薄汚い格好のヤグに出会う。その日からアキとハツキ、そしてヤグの騒がしい3人暮らしが復活した。15年前、ヤグは自分が父親ではないにもかかわらず、ハツキを身ごもっていたアキにプロポーズした。当時アキは17歳、ヤグは中学3年生。やがてハツキが無事に産まれ、3人は一緒に暮らし始めたのだった。アキとヤグはバンド活動も続け、籍は入れなくとも3人は家族同然の暮らしを送り、ハツキも最初はヤグが本当の父親だと思っていたほどだった。
 ところが、2年ぶりの3人暮らしにハツキは戸惑いを隠せない。仕事もせずにその日暮らしをするヤグと、それに対して文句も言わないアキにも理解できなかった。そんな中、ハツキの親友、トモちゃんから「ヤグちゃんがお父さんだったら毎日楽しそう」と言われ、思わずハツキはキレてしまう。そしてその翌日、トモちゃんは学校に来なかった。両親が離婚して、母親の実家がある鹿児島へ引っ越してしまったと担任の小川先生から告げられてショックを受けるハツキ。すると、呆然としながら授業を受けていハツキに、突然教室に侵入したヤグが、先生に取り押さえられながら「ハッちゃん、『さよなら』と『ありがとう』は、言える時に言わなダメ!」と叫ぶ。教室から駆け出したハツキは、ヤグのママチャリの荷台に乗って空港を目指すが、途中でトラックと接触事故を起こし、結局トモちゃんの見送りはできなかった。
 幸い軽い怪我で済んだヤグは、病室に迎えに来たアキに「またバンドがやりたい」と切り出す。ある晩、アキが帰宅すると、待ち受けていた小川先生から、ハツキが就職を希望していることを初めて聞かされる。就職をして一人暮らしをするというハツキはどうやら、自分がアキとヤグの暮らしに邪魔な存在だと思っているらしい。家を飛び出し、土手に座っているハツキを見つけたアキは、本当の父親のこと、ヤグが中学卒業後すぐに両親を事故で亡くしていること、ハツキの名付け親がヤグであることを打ち明ける。
 春。中学を卒業し、パンクテイストのファッションに身を包むハツキとトモちゃんが薄暗いライヴハウスにいた。ステージではヤグが歌い、アキがギターを弾きながらコーラスをしている。MCでヤグは「アキちゃんと結婚します」と宣言、温かい拍手と愛情溢れる野次を贈る観客の中に、少し大人になった笑顔のハツキがいた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    麻生久美子と大泉洋という、まるで正反対のキャラのような2人のW主演に興味があって、12月15日の公開から遅れること2週間たった元旦に、やっと劇場で観ることができた。観る前は、バンドにかまけるダメな両親とその娘の物語だと思っていたのだが、観てみると私の予想は全然見当違いで、バンドのエピソードはそれほど本筋には関わりなく、アキとハツキ、それにヤグの3人が織りなすヒューマンドラマだった。
 大泉洋は、相変わらずどんなキャラを演じてもねずみ男にしか見えない(笑)。本当はヤグも、いつもノー天気を装っていながら実は繊細な感情を表に出さないだけじゃないか、なんて思ったりするけど、大泉洋が演じると本物の単純ノー天気男になっちゃうんだよね(笑)。逆に、麻生久美子の場合は、アキがそうだというんじゃないけど、もしもノー天気な女を演じていても、実は裏に何かあるんじゃないかと勘ぐっちゃうんだろうな。
 ヤグがいい奴なのはわかっる。でも、あんな男と一つ屋根の下で暮らして、「ハッピーちゃん!」なんて呼ばれたりしたらと思うと、ついついヤグに反発してしまうハツキの複雑な気持ちもわかる気がする。まして、小さい頃は本当の父親だと信じていた男が、実は赤の他人だと知ったなんて、余計に素直に接することなんてできないだろう。
 クレジット上はあくまで麻生久美子と大泉洋が主演だが、内容からすると実質的にはハツキを演じた三吉彩花が主演と言っていい。この作品で初めてお目にかかる彼女、170cmという長身でモデル出身らしい。トモちゃん役の能年玲奈(彼女も決して身長は低くない)と並ぶと、その差は歴然だ。そして、成海璃子と吉高由里子を足して2で割ったようなルックスだけじゃなく、演技力の方も抜群で、麻生久美子の前でも引けを取らない堂々とした演技・・・・・なんて言ったら言い過ぎかな?
 『カラスの親指』ではあまり笑顔が見られなかった能年玲奈チャンだが、この作品では笑顔満載で、まるで別人のように印象が違って感じた。そしてもちろん、どちらの彼女がいいかと言えば、この作品の笑っている彼女の方が断然カワイイ。三吉彩花と能年玲奈の2人、2013年のたぴおか的一押しティーン女優で、今後の彼女たちの活躍が楽しみだ。