評     価  

 
       
File No. 1709  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年12月01日  
       
製  作  国   イギリス / アメリカ  
       
監      督   サム・メンデス  
       
上 映 時 間   143分  
       
公開時コピー    

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ダニエル・クレイグ [as ジェームズ・ボンド]
ハビエル・バルデム [as ラウル・シルヴァ(ティアゴ・ロドリゲス)]
レイフ・ファインズ [as ギャレス・マロリー]
ナオミ・ハリス [as イヴ]
ベレニス・マーロウ [as セヴリン]
アルバート・フィニー [as キンケイド]
ベン・ウィショー [as Q]
ジュディ・デンチ [as M]
ロリー・キニア [as タナー]
オーラ・ラパス [as パトリス]
 
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あ ら す じ    愛した女性を死に追いやった組織を追い詰めるべく、ハイチやボリビアなど各地を舞台に壮絶な戦いを続けるジェームズ・ボンドジェームズ・ボンド。ある日、直属の上司Mが秘めていた過去の事件が浮かび上がってくる。その衝撃的な内容は、Mに対するボンドの信頼と忠誠心を試すかのようだった。そんな中、彼らの所属するイギリス情報局秘密情報部“MI6”が何者かの標的に。機密情報が記録されたディスクが盗まれ、それを追うボンドはあろうことか味方のエージェントイヴの銃弾を受け、列車から滝壺へと転落してしまう。さらに敵の攻撃は容赦なく、MI6の本部が爆破されてしまう。
 怪我から復帰を果たしたボンドは、MI6に戻ると復職のためのテストを受ける。そして、後任として派遣されたギャレス・マロリーの懸念を黙殺して、Mはボンドに復職し事件解決のために送り出す。ボンドは上海からマカオへと飛び、敵の首魁にたどり着くべく、謎の女性セヴリンに接触する。そして、彼女の案内で訪れた孤島ボンドを待ち受けていたのは、元彼と同じMI6でMの部下であった、ラウル・シルヴァことティアゴ・ロドリゲスだった。
 無線で応援を要請していたボンドによって、シルヴァは逮捕され、MI6の新しい本部へと連行される。ところが、それはすべてシルヴァの計算づくだった。Mへの凄まじいまでの恨みを晴らすべく、シルヴァの復讐劇がそこから始まるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    007シリーズ誕生50周年記念作となる第23作目にして、初めて劇場で観ることとなった。ちなみに、今までの22作のうち、DVDまたはビデオで観たのすら、ソフィー・マルソーがボンドガールを務めるシリーズ19作目の『ワールド・イズ・ノット・イナフ』の1作のみ。今回この作品を劇場で観たのも、ひとえにTOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートのおかげであることは言うまでもない。
 初代ボンドがショーン・コネリー、そして2代目がロジャー・ムーア(私の中ではジェームズ・ボンドといえばこの人のイメージが最も強い)、3代目がピアース・ブロスナン、4代目がティモシー・ダルトン、そして現在のダニエル・クレイグが5代目だと堅く信じていたのだが、調べてみたらダニエル・クレイグは6代目のボンドだということを初めて知った。実はショーン・コネリーとロジャー・ムーアの間に1作(『女王陛下の007』)だけ、ジョージ・レーゼンビーなる俳優がボンドを演じていたようだ。
 ジェームズ・ボンドといえば何でもカッコよくそつなくこなすタフガイ、そんなイメージを持っていたのだが、この作品で観たダニエル・クレイグのボンドは私のイメージを完全に覆すものだった。確かに多くの修羅場をくぐり抜けて場慣れしているのは観て取れるが、戦闘能力がズバ抜けているわけでもなく、あくまで普通の人間の域を超えていない。その証拠に、再試験を受けた結果は体力をはじめとするほとんどの項目で不合格になっている。
 何作目から登場しているか知らないけど、Mを演じるジュディ・デンチも御年78歳。さすがに世代交代が必要とあって、今回は退任の花道が用意されていて、彼女の後任を務めるのはヴォルデモートのレイフ・ファインズ、30歳近くも若返ったことになる。そして、この作品で重鎮を務めるのが、シルヴァを演じるハビエル・バルデムだ。素顔からして一度観たら忘れないよく言えば個性的、悪く言えば典型的な馬面の彼だから、『ノーカントリー』の時もそうだったが、こういう不気味なキャラクターを演じさせると抜群に似合っている。
 初めて劇場で『007』シリーズを観てこんなことを言うのも気が引けるが、正直もうショボクレボンドは観たくない。ダニエル・クレイグがボンドを演じると知ったときから、あの顔はボンドじゃないと思ったこともあり、たった3作で幕を引くのはどうかと思うが、この際思い切った若返りを図るのもひとつの手じゃないかな。でないと、往年のボンド・ファンも高齢になった今、若年層の新規ファンを獲得しなければこのシリーズは続かないと思うよ。