評     価  

 
       
File No. 1711  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年01月11日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   オリヴィエ・メガトン  
       
上 映 時 間   92分  
       
公開時コピー   迷宮の街 イスタンブール。
  
悲しいほどの父の愛が、
再び暴走を始める。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   リーアム・ニーソン [as ブライアン・ミルズ]
マギー・グレイス [as キム]
ファムケ・ヤンセン [as レノーア]
ラデ・シェルベッジア [as ムラド]
リーランド・オーサー [as サム]
ジョン・グライス [as キャセイ]
D・B・スウィーニー [as バーニー]
ルーク・グライムス
ケヴォルク・マリキャン
アラン・フィグラルツ
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    イスタンブールで要人警護の職務を終えた元CIA秘密工作員ブライアン・ミルズは、ホテルのロビーで元妻レノーアと娘キム)を迎え入れる。彼の願いはこの休暇で家族の絆を完全修復することだった。だが翌日、イスタンブールの名所のバザールに二人で出かけたブライアンとレノーアに、不気味な影が忍び寄る。2年前、パリでブライアンに息子たちを殺害され、怒りに燃えるアルバニア人ムラドが大勢の手下を引き連れ、復讐計画を企てていたのだ。
 不審な尾行車を察知したブライアンは、ホテルに戻るように耳打ちしたレノーアをバザールの入口で下ろし、一味との怒涛のカーチェイスから激烈な乱闘へと身を投じていく。しかしバザールの迷宮のような路地で立ち往生したレノーアを人質に取られ、彼女の身を案じて抵抗をやめたブライアンは、ホテルのプールにいるキムにその場所を離れてブライアンの部屋に隠れるよう携帯で連絡したうえで、レノーアと共に一味に拘束される。しかし、頭に麻袋を被せられて視界は完全に失われていながらも、ブライアンは時間をカウントし、車の進行方向や速度、周囲の物音をくまなくチェックし、自分たちがどこに連れて行かれるかを分析していた。
 薄暗い地下室に監禁されたブライアンは、隠し持っていた緊急用の超小型電話を取り出し、からくも追っ手から逃れて身を潜めていたキムにアメリカ大使館に避難するように告げる。しかし、キムは危機に陥った両親を助けたい一心で大使館行きを拒絶し、ブライアンの指示を仰ぐ。そんな娘にブライアンは、様々な警護用アイテムが詰まったアルミケースからイスタンブールの地図を取り出させる。続いてキムに手榴弾を爆発させ、その轟音を手がかりに自分が囚われている場所を絞り込んでいく。
 そこへムラドが現れ、ブライアンの目の前でレノーアのノド元を刃物で切り裂き、血を流す彼女を逆さ吊りにして去って行った。ブライアンは必死に両手の拘束を解こうと試みる。レノーアが絶命するまでに残された時間はわずか30分。しかも、このとき既にキムの身にも敵の魔手が迫っていたのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    2009年に公開された、ヨーロッパ・コープ作品『96時間』の続編で、前作でリーアム・ニーソン扮する主人公ブライアンに殺された悪党どもの遺族が復讐するという(私に言わせれば、そんなもん外道の逆恨み以外の何物でもないのだ)、まさにタイトル通り“リベンジ”を描いた作品。ブライアンの妻レノーアと娘のキムも、前作に引き続きファムケ・ヤンセン、マギー・グレイスと同じ女優が演じている。
 今回は前作のように96時間という時間制限があるわけじゃないけど、むしろ妻レノーアの命を救うためには一刻の猶予もないという状況の緊迫感は、前作以上かもしれない。さすがに続編とあって1作目のインパクトには劣るものの、相変わらず“最強の父親”が特殊能力を存分に発揮してくれている。拉致された際に目隠しをされて車で運ばれる時も、周囲の特徴となる音とそこまでの秒数を数えて記憶するなんて、とても並の人間にできるマネジャないし、それ以前にそこまで冷静でいられるわけもない。
 コピーには「悲しいほどの父の愛が、再び暴走を始める」とあるけど、そのコピーはちょっと違うと思う。今回は娘のキムだけは拉致されずに、逆に妻と共にブライアン自身が拉致されてしまうのだから。そして、拉致されても為す術無く手をこまねいていることなどとは無縁なのがブライアンの凄さで、今回は非常用の携帯を使ってキムを自分が拘束されている場所まで導く方法を見せられると、彼の特殊能力がいかに優れているかを思い知らされる。そして、ブライアンの手足となって行動する肝心のキムがド素人だけに、ブライアンにたどり着くまでのシーンが危なっかしくて、逆にブライアン本人じゃないのが功を奏してスリルは満点だ。
 それにしても、敵を追い詰める時の一分の隙もない猟犬のような鋭ブライアンが、特に娘の前だと打って変わって単なる親バカに豹変するのは笑える。娘の携帯のGPSで恋人の家を探し当てて乗り込むなんて、普通じゃ考えられないし、そんなことをしたら娘に反発されるのは当たり前なのにね(笑)。