評 価
File No.
1712
製作年 / 公開日
2012年 / 2013年01月12日
製 作 国
アメリカ
監 督
ライアン・ジョンソン
上 映 時 間
118分
公開時コピー
任務:未来から来る犯罪者を消せ
標的:30年後の自分
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
[as ジョー]
ブルース・ウィリス
[as オールド・ジョー]
エミリー・ブラント
[as サラ]
ポール・ダノ
[as セス]
ノア・セガン
[as キッド・ブルー]
パイパー・ペラーボ
[as スージー]
ジェフ・ダニエルズ
[as エイブ]
ピアース・ガニォン
[as シド]
トレイシー・トムズ
[as ベアトリクス]
フランク・ブレナン
[as オールエド・セス]
ギャレット・ディラハント
[as ジェッセ]
ニック・ゴメス
[as デイル]
マーカス・ヘスター
[as ザック]
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あ ら す じ
30年後の未来ではタイムトラベルが可能となったいたが、しかしタイムトラベルは禁じられていた。そして唯一、犯罪組織が邪魔者を消すために30年前の過去に送り、そこで待機している“ルーパー”と呼ばれる処刑人が標的を始末することだけが秘密裏に行われていた。現在に生きる
ジョー
も、そんなルーパーの一人だった。彼はルーパー組織を仕切る
エイブ
に拾われ、ルーパーとしての新たな人生を与えられたのだった。
ある日、ジョーのもとへ送られてきた標的は、何と30年後の自分だった。ジョーは、未来の自分である
オールド・ジョー
の殺害を躊躇し逃がしてしまい、必至でオールド・ジョーを追跡せざるを得なくなる。それというのも、つい先日に彼の親友
セス
が、やはり未来から送られてきた自分自身を処刑できずに、エイブから殺されてしまったのを目の当たりにしていたためだった。
やがてジョーはオールド・ジョーと対峙し、彼が危険を冒してまで未来からやって来た理由を明かされる。その理由とは、未来を牛耳る謎の人物“レインメーカー”がループを閉じている、すなわち未来のルーパー達を過去の自分に処分させており、オールド・ジョーはレインメーカーが子供の頃に遡って亡き者にすべくやって来たのだった。
ジョーはオールド・ジョーが残したレインメーカーの生家を示す地図から、サトウキビ畑の中の一軒の家にたどり着く。そこには、幼い息子
シド
を女手ひとつで育てる
サラ
が暮らしていた。ジョーは理由を告げずにしばらくサラの家に居候し、やがて必ずやって来るオールド・ジョーを待ち受けるのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
このところ『50/50』や『ダークナイト ライジング』と乗りに乗っている感のあるジョセフ・ゴードン=レヴィット主演のSF作品。共演は、ジョセフ演じる主人公ジョーの30年後にブルース・ウィリス、そしてジョーと関わる女性サラ役にエミリー・ブラントだ。ジョセフの30年後がブルース・ウィリスとは、ちょっとジョセフには可哀想な気もする。でも、明らかに不自然なジョセフのあのメイクは、実は少しでも見た目をブルースに近づけようという努力の成果のようだ。残念ながら、私にはあのメイクは失敗作だと思うけど(笑)。
タイムトラベルを扱う作品で必ず遭遇するのが“時のパラドックス”で、平たく言えば「過去を変えてはならない」という絶対条件だ。そして、この作品もやはりその点について追求すると弱い。ブルース・ウィリス扮するオールド・ジョーの元にも、かつて未来の自分が送られてきたが、彼は躊躇せずに未来の自分を仕留めている。その時点で既に現在のジョー、オールド・ジョー、そしてオールド・ジョーに始末されたジョーという、3つの異なる時の流れに分岐してしまっているわけだ。そんなことを考える私のような人間は、ヤング・ジョーと共に劇中のオールド・ジョーから一喝されることになる。「面倒くさいことを聞くな!」とね。
明らかにそういう作りにはなっていないものの、内容からしてこの作品は3部構成になっているように思う。オールド・ジョーの登場とサラとの出会いが大きな転機になっているのだ。1部では退廃的な社会で生きるルーパー、ジョーの暮らしぶりが描かれ、それがブルース・ウィリスの登場で一転大味なアクション調に転じるかと思われたが、ジョーがサラと出会うことでこの作品の真骨頂が発揮されるのだ。この手の作品にエミリー・ブラントが出演するのは意外に思えたが、よく考えたらジャック・ブラックの『ガリバー旅行記』にも出演していたくらいだから、別に驚くことじゃなかった。
やがてサラの元にオールド・ジョーが現れて、新旧のジョーが対決するのは誰が観ても予想ができるのだが、あの結末だけは全くの予想外だった。冒頭でジョーが使う“ラッパ銃”は射程が短いと説明があるが、それがラストにきて生きてくるとは思ってもみなかった。そう、オールド・ジョーとヤング・ジョーの間には距離があり過ぎたのだ。そして、負のループが続くことをどこかで断ち切らなければならない、そう考えたジョーの決断はあまりに潔いが、それは彼が生きてきた境遇を思うとむしろ当然の選択だと言えるのかもしれない。