評     価  

 
       
File No. 1713  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2013年01月11日  
       
製  作  国   中  国  
       
監      督   ツイ・ハーク  
       
上 映 時 間   121分  
       
公開時コピー   60年に一度、“黄金の都”は砂漠に甦る。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジェット・リー [as ジャオ]
ジョウ・シュン [as リン]
チェン・クン [as ユー/フォン]
グイ・ルンメイ [as チャン]
リー・ユーチュン [as グー]
メイヴィス・ファン [as スー]
ルイス・ファン
ゴードン・リュウ
シェン・チェン
リュー・チャーフィー
 
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あ ら す じ    明朝の中国。権力者による弾圧や不正が平然と行われていた。皇帝の子を身ごもった官女スーは諜報機関・西廠の督主である宦官ユーに命を狙われており、都から抜け出し危機に瀕したところを美しい女侠客リンに助けられる。片や、義士ジャオは世を正すため打倒ユーを掲げていた。西廠一行の船上でユーとジャオは一戦を交えるが、ユーたちの猛攻を受け、やむなくジャオたちは船から退散するのだった。
 不気味な暗雲が広がる辺境の砂漠にたどり着いたリンとスーは、龍門という宿屋に寄る。そこでは、60年に一度起こる砂嵐が迫り、その嵐により300年前に砂漠に飲み込まれた財宝都市が再び姿を現すとの噂が飛び交っていた。宿屋では、秘宝を虎視眈々と狙う王女チャン率いる遊牧部族の盗賊団が幅を利かせていた。そこにユーが派遣した西廠の先遣隊がやってくる。凄腕の女剣客グーと情報屋フォンが盗賊団に合流。西廠の先遣隊と盗賊団のにらみ合いが始まり、リンとスーは身を隠す。
 その夜、二人が地下空間に身を潜めているところを盗賊団が見つけ、リンとグーが激しく衝突する。そこへ、ジャオが現れる。かつて龍門の女主人だったリンはあることからジャオへ恋心を抱き、宿屋に火を放ちジャオを捜す旅に出ていたのだった。圧倒的な力を持つユーの一味に対抗するために、盗賊団に加担することにするジャオ。翌日、ユーが本隊を率いて宿屋に到着する。ユーとフォンが瓜二つなのを利用して、ジャオはユー陣営を混乱に陥れる。その隙にジャオは盗賊団を統率して一斉攻撃を仕掛ける。熾烈な戦いが繰り広げられ、ユーとジャオが直接対決しようとしたそのとき、砂漠に巨大な竜巻が発生する。暴風が吹き荒れる中、二人は敢えて竜巻の中で死闘を繰り広げるのだった。
 ジャオとユーが気づくと、目の前には砂に埋もれていた都市が姿を現していた。一同は一時停戦協定を結び、都市に眠ると言われる財宝を手に入れるために、数時間後に起きる竜巻で再び砂に埋もれてしまうという都市へと足を踏み入れるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ジェット・リーを一躍スターダムへとのし上げた伝説のヒットシリーズ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』以来、14年ぶりにツイ・ハーク監督とのコラボレーションを実現させたアクション・アドベンチャー大作。武侠映画としては初となる3Dというのも見所のひとつだ。と一応社交辞令を言っておいたが、中身は今ひとつという残念な作品だった。そもそも脚本があまりに雑過ぎる。ジェット・リー扮するジャオ一味が西廠と東廠のトップを狙う意図が今ひとつ伝わってこない。それどころか、悪政の根源であるユーを倒すことを軸に展開する前半に対して、幻の城が現れると一転してトレジャー・ハンターのお話になってしまい、結局何が言いたいのかワケがわからなくなってしまう。
 そもそもこの手のカンフー活劇のストーリーにリアリティを求めるべきじゃない、という意見もあるとは思う。そして、こういった荒唐無稽なド派手なアクションは嫌いじゃないから、そこまでは許容範囲内だ。けれども、最大の見所であるはずのジェット・リーのカンフー・アクションが、あまりにワイヤー・アクションを多用し、また3Dを意識し過ぎたためか、あの技のキレも迫力も伝わってこないのは惜しまれる。いや、ジェット・リーのアクションだけを期待して観た作品なのだから、「惜しまれる」などという生やさしい言葉で済む話じゃないだろう。全体的にまとまりを欠いた、つぎはぎな印象を受けた作品だった