評     価  

 
       
File No. 1717  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年01月19日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スティーヴン・フリアーズ  
       
上 映 時 間   94分  
       
公開時コピー   ド派手に行こうぜ!  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ブルース・ウィリス [as ディンク・ハイモウィッツ]
レベッカ・ホール [as ベス・レイマー]
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ [as チューリップ・ハイモウィッツ]
ジョシュア・ジャクソン [as ジェレミー]
ヴィンス・ヴォーン [as ロージー]
ローラ・プリポン [as ホリー]
フランク・グリロ [as フランキー]
ヨー・ニューマン [as ダーシー]
ジョエル・マーレイ [as ダレン]
ウェンデル・ピアース [as デイヴ・ザ・レイヴ]
コービン・バーンセン [as ジェリー]
ジョン・キャロル・リンチ [as デイヴ・グリーンバーグ]
アンドレア・フランクル [as マルシア・グリーンバーグ]
 
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あ ら す じ    個人客専門のストリップダンサーをしていたベス・レイマーは、ひょんなことからスポーツブックを生業とする噂のギャンブラー、ディンク・ハイモウィッツたちのアシスタントをすることになる。数字に強いベスは徐々に才能を発揮し、それと同時にスポーツブックにのめり込んでいった。そしてベスは、仕事だけの関係を超えてディンクに魅かれるようになっていく。しかし、ディンクには妻チューリップがいて、関係ベスの思うようには進展しない。ある日ベスは、ディンクから関係を断ち切ると告げられ、彼の事務所をクビになってしまう。
 ベスはカジノで知り合った恋人のジェレミーと共にニューヨークに移ると、かつてディンクから金を借りていたギャンブラーロージーが営む違法スポーツブックの仕事を手伝うようになる。事業は順調であっという間に600万ドルもの大金を手にしたベスだったが、ある顧客の支払滞納がきっかけで窮地におちいってしまう。一方、ベスを失ったディンクも、すべてにわたって歯車が狂い始め、スポーツブックに負け続け、古くからの仲間までをもないがしろにしてしまう。
 そんなディンクの元へ、ベスから助けを求める電話が入る。ベスのために集結したディンクたちは、果たしてベスを救うことはできるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    ブルース・ウィリスが主演ということもあり、一時は劇場で観るのをやめてDVDまで待とうかとも思った作品だったが、上映スケジュールが上手い具合に『エンド・オブ・ザ・ワールド』と続いていたために、劇場で鑑賞することとなった。ところが観てみると、実質的な主人公はレベッカ・ホール演じるベス・レイマーで、田舎からラスベガスにやって来た彼女がギャンブラーとして成長していく様子がメインに描かれていた。この作品は実話に基づいており、実在の女性プロ・ギャンブラー、ベス・レイマーの自伝“LAY THE FAVORITE”が原作となっていることを知ったのは、映画を見終えた後のことだった。
 レベッカ・ホールは以前に何かの作品で少なくとも一度は観ているはずなのだが(後で調べてみて、『ザ・タウン』『それでも恋するバルセロナ』『フロスト×ニクソン』『プレステージ』の4作品で遭遇していることが判明。それでも記憶に残っていないとは、改めて自分の記憶力の頼りなさを痛感)、結局まったく思い出せないのは印象が薄かったせいだろうか。でも、この作品で観た彼女の印象はおそらく消えることはないだろう、それほど生き生きと演じていて、この作品に対する意気込みが伝わってくるようだった。
 ギャンブルがモチーフになった作品だから、クライマックスでもスポーツブックでの大勝負となるわけで、そんな盛り上げ方が実話を基に上手く構成されているのは気に入った。自分の元を去って、商売敵のギャンブラーと組んだベスだが、そんな彼女が困った時にすがった相手はやはりディンクで、そんな彼女を過去のわだかまりに捕らわれることなく助けるディンクは、懐の広い鷹揚さを持った好人物なのだろう。だからこそ、原作である実話もサクセス・ストーリーに成り得たのだ。
 田舎者で数字には強いレベッカ・ホール扮するベスが、ラスベガスでひょんなことから伝説のギャンブラーと言われる、ディンクに雇われることになる。ディンクがまともな人間だったから良かったようなものの、もしもマフィアの息がかかったような男だったらと思うと、ベスの無鉄砲さにはあきれてしまう。が、その反面、この運の良さはギャンブラーにとっては必要不可欠な資質だったのかもしれないとも思ったりする。
 その伝説のギャンブラーのディンクが、部下にはめっぽう高圧的なのは、妻チューリップに対して全く頭が上がらない反動なのかもしれない(笑)。こういう女上位のキャラクターが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズに実に良く似合っている。このところの彼女、すっかりオバサンキャラが板に付いてきているように思えるのは、ちょっと寂しい気がするね。