評     価  

 
       
File No. 1718  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年01月18日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ローリーン・スカファリア  
       
上 映 時 間   101分  
       
公開時コピー   君に出会えたから
世界の終わりも
怖くない
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   スティーヴ・カレル [as ドッジ]
キーラ・ナイトレイ [as ペニー]
ナンシー・カレル [as リンダ]
メラニー・リンスキー [as カレン]
アダム・ブロディ [as オーウェン]
ジリアン・ジェイコブス [as ウェイトレス/ケイティ]
パットン・オズワルト [as ローチェ]
T・J・ミラー [as ダーシー]
コニー・ブリットン [as ダイアン]
デレク・ルーク [as スペック]
ロブ・コードリー [as ウォレン]
マーク・モーゼス [as ニュースキャスター]
ウィリアム・ピーターセン [as トラックの男]
ロジャー・アーロン・ブラウン [as アルフレッド]
ロブ・ヒューベル [as ジェレミー]
トニータ・カストロ [as エルザ]
レスリー・マーフィ [as エイミー]
 
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あ ら す じ    地球に衝突する小惑星マチルダの破壊作戦が失敗に終わり、3週間後の人類滅亡が避けられないと判った日、保険セールスマンドッジの妻リンダは何も告げずに去っていった。小惑星衝突まであと3週間。周囲の人間が酒やドラックに溺れる中、普段と変わらぬ生活を送るドッジは、隣人の奔放な女性ペニーが泣いているのを見つけ、「最後の飛行機に乗り遅れて、イギリスの両親に二度と会えなくなってしまった」と嘆く彼女と初めて言葉を交わす。
 翌日ドッジはペニーから、彼女のもとに誤配達された3年分の自分宛の手紙の束を渡されるが、そのときの会話から思いがけない事実を知ってしまう。ドッジの妻はずっと、彼が仕事に行っている間に浮気していたのだ。残酷な現実を突きつけられ、激しいショックを受けたドッジは荒れ狂い、夜の公園で自殺を図る。しかし、死ねなかった。翌朝目を覚ました彼の胸には“Sorry”と書かれたメモが置かれ、目の前には一匹の犬がいた。街に暴動が起き始める中犬を連れて家に帰ったドッジは、ペニーから手渡された郵便物の中から思いがけない手紙を見つける。それは、かつて心ならずも別れた最愛の人、オリヴィアからのものだった。
 ドッジはオリヴィアの手紙を持ち、彼がソーリーと名づけた犬を連れてペニーの家のドアを叩く。そして、お気に入りのレコードを持ち出したペニーと2人、彼女の車で脱出を図る。「知人が自家用機を持っているので、僕をオリヴィアのところまで車で送ってくれれば、君をイギリスの家族に会わせる」とペニーに持ちかけるドッジ。自分が手紙を放置していたことに罪悪感を感じたペニーは、ドッジと共にオリヴィアを探す旅に出ることを決意するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレルと、最近では『危険なメソッド』のキーラ・ナイトレイが共演する、ひょんなことから地球の終末に行動を共にすることとなった男女2人を描いたロマンティック・ロード・ムービー。『40歳〜』は観ていないのに、何故かスティーヴ・カレルの顔をどこかで観たことがあると思ったら、『ゲット スマート』でアン・ハサウェイと共演していたのが彼だと気づいた。
 このところ演じる役柄のせいだろうか、ますます可愛らしく見えなくなってきたキーラ・ナイトレイだが、この作品では久しぶりに愛らしい女性を演じていて好感が持てる。そしてスティーヴ・カレル演じるドッジだが、まるで自分を鏡で見ているような気がしてならない。3週間後には地球が滅亡するのだから、今更ルールを守るのも無意味で、やりたい事をやり尽くして終わりたい、と誰しも思うのが当然だと思う。なのにドッジは冷めていて、周囲の狂乱ぶりに同調することもできない。だから一人淡々と日常を繰り返す。そんなドッジの日常を打ち破ったのが、かつての恋人・オリヴィアからの手紙であり、それを彼に渡したペニーとの出会いだったのだ。
 人間は窮地に陥った時、種を残すという本能から理屈抜きで異性を好きになってしまう、そんな状況も手伝ってのことだろうが、10歳以上もはなれたドッジとペニーは互いに恋に落ちる。もしかしたらドッジはペニーに昔の恋人を重ね、ペニーは会えない父親をドッジに重ねていたのかもしれない。けれども、最初は2人とも互いに相手に恋していることに気づいていない。少なくとも、警察の拘置所で夜を明かすまでは。
 自分がペニーに恋していると気づいてからのドッジの行動が、これまた手に取るようにわかってしまう。なんせ、自分だったらこうするだろう、と考える通りにドッジは行動するのだから。だから、眠ったままのペニーを彼女の家族の元へ帰すべく父親に託した気持ちも痛いほどよくわかる。その気持ちの表れが、彼女の手に握らせたハーモニカなのだ。けれども、一人家に戻ったドッジの気持ちは、ポッカリと大きな穴が空いたように虚しかったことだろう。そして、彼女を一人帰したことを後悔したはずだ。そういう損な性格なのがドッジという男なのだ。
 だから、一人家族の元へと送られたペニーがそのことをどう思うかが気にもなっていたはず。少しは自分と一緒にいたいと考えてくれていたことを期待しながらも、自信がない。だから自分に言い聞かせる、「これで良かったのだ」と。そしてついに最後の時が近づき・・・・・果たしてそのときドッジは?