評 価
File No.
1722
製作年 / 公開日
2012年 / 2013年01月26日
製 作 国
日 本
監 督
利重 剛
上 映 時 間
131分
公開時コピー
秘めた思いは、「月の光」とともに溢れだす・・・
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
橋本 愛
[as 香月遥]
清塚 信也
[as 岬洋介]
ミッキー・カーチス
[as 香月玄太郎]
柳 憂怜
[as 香月徹也]
相築 あきこ
[as 香月悦子]
山本 剛史
[as 香月研三]
清水 紘治
[as 鬼塚先生]
熊谷 真実
[as 綴喜みち子]
サエキ けんぞう
[as 加納]
相楽 樹
[as 片桐ルシア]
戸田 恵子
[as 桃山校長]
三ツ矢 雄二
[as 工藤先生]
吉沢 悠
[as 新条医師]
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あ ら す じ
父
香月徹也
と母
香月悦子
、祖父
香月玄太郎
、それに叔父
香月研三
らと大邸宅に暮らす
香月遥
の夢は、ピアニストになることだった。ある日、両親と共に海外で暮らしていた従姉妹の
片桐ルシア
が、両親に連れられて帰国する。そして、ルシアの両親はルシアを香月一家に預けて危険な海外へと向かったまま、消息を絶ってしまう。
それ以来、遥とルシアは実の姉妹以上に強い絆で結ばれて成長した。ところがある日家で起きた火事のために、祖父とルシアは帰らぬ人となり、助かった遥も全身に大火傷を負ってしまう。幸い担当の
新条医師
の尽力で形成手術は見事成功したものの、体を動かすこともできなかった遥は、辛いリハビリと取り組むことと成る。そんな遥に対し、以前からピアノを教わっていた
鬼塚先生
はこれ以上ピアノの指導を続けることが無駄だと拒否してしまう。鬼塚先生の代わりに自ら指導を名乗り出たのは、若い新進のピアニスト
岬洋介
だった。
岬の指導の下、リハビリも兼ねてピアノに取り組む遥の演奏は、みるみるうちに上達していく。そして、亡くなったルシアとの約束を果たすためにも、ピアニストになる夢を実現させようとコンクールに向けて練習を積み重ねる遥。そんな中、彼女の周辺で、階段の手摺りが壊れたり、頭上からシャンデリアが落下したりと、不可解な出来事が起こり始めるのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
「このミステリーがすごい!!」で大賞を受賞した同名原作小説を映画化した、音楽ミステリー。この作品の見所はなんと言っても本物のピアニスト・清塚信也が本物の演奏を披露してくれていることだ。清塚扮する岬が、火事で大怪我を負った橋本愛演じる主人公・遥のピアノ指導を引き受け、誰もいない部屋でピアノを演奏するシーンでは、その本物の迫力には大袈裟でも何でもなく正直全身に鳥肌が立った。それは、吹き替えなどでは決して味わうことのできない、本物のみが醸し出すことができる迫力なのだ。そして、プロのピアニストである清塚信也という男、俳優としてもこれが映画初出演とは思えないほど、実に見事な演技力を披露してくれているのだ。考えてみれば、ピアノを演奏することと演技すること、とどちらも「演」じることであって、つまりは自らを完全に捨て去って、他の何かに成り切るという点において、根本は一緒なのかもしれない。
ミステリー作品としては、遥を陥れようとした人物が呆気なく判明してしまい物足りなく思えたのだが、実はそれはこの作品にとっては枝葉に過ぎず、この作品最大のミステリーは実は最後に用意されていた大どんでん返しにあった。もちろん、それが何だったのかはこの場で書くわけにはいかない。書きたくてうずうずしてはいるけれど(笑)。ただ、ピアノを主題にした作品だけに、ミステリーよりもピアノ演奏シーンに比重が置かれていて、その分人物の描写が不足していたり、細部への配慮が欠けていたりするように感じるのは残念だ。