評     価  

 
       
File No. 1730  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年02月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スティーヴン・エリオット  
       
上 映 時 間   102分  
       
公開時コピー   少女は無邪気に、裸になる  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   アシュリー・ヒンショウ [as アンジェリーナ]
ジェームズ・フランコ [as フランシス]
デヴ・パテル [as アンドリュー]
ヘザー・グレアム [as マーガレット]
リリ・テイラー [as フィリス]
ジョニー・ウェストン
ダイアン・ファール [as ジリアン]
マヤ・レインズ [as アンジェリーナの妹]
 
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あ ら す じ    家庭環境に悩む18歳のアンジェリーナは、早く独り立ちしたいと考えていた。恋人の紹介でWeb向けのヌードモデルのバイトを始めたアンジェリーナは、バイトで得たお金を手に男友達のアンドリューと共に家を出て、サンフランシスコに訪れる。
 ストリップ・クラブでウェイトレスのバイトを始めたアンジェリーナは、客のひとりでドラッグ中毒の弁護士・フランシスと恋に落ちる。店からはポールダンスを勧められても断り続けてきたアンジェリーナだったが、同僚から日給800ドルという高額な仕事を紹介され、ついに一線を越える決意をする。
 教えられた会社に赴いたアンジェリーナは、そこで元ポルノ女優で今は監督として活動するマーガレットと出会う。お金が必要だったこともあって、アンジェリーナはこの出会いをきっかけにヌードモデルからポルノ業界の道へ進むのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「未体験ゾーンの映画たち2013」の1作で、家庭に問題を抱え、お金欲しさにポルノ業界へと足を踏み入れる少女の生き様を描いた作品。フィクションとノンフィクションの違いはあるが、日本でもAV女優みひろの自伝を映画化した『nude』を既に観ている私にとっては、それほど目新しい作品とも思えず、むしろ印象に残ったのは、この手のインディーズ系作品にジェームズ・フランコやデヴ・パテル、ヘザー・グラハムといった面々が参加していたことだった。
 主人公のアンジェリーナを演じたのは、おそらくこれが映画初主演だと思われるアシュリー・ヒンショウ。着痩せするタイプのようで、ヌードになった彼女の肢体は意外とグラマラスだ。彼女が演じるアンジェリーナには父親がおらず、母親はアル中(?)で、歳の離れた妹を抱えて彼女が家計を切り盛りしなければならないという苦境にあえいでいる。そんな彼女が大金を得るには、ポルノに出演するしかないと決断するに至るのは無理もない。けれども、お金を得る代償は大きい。ジェームズ・フランコ扮する恋人のフランシスからは絶縁されてしまう。フランシスと口論になって、彼女が吐いた一言「相手は性病の検査をしているから」には、既にフランシスや他の一般人と彼女との間には、埋めることができない深い亀裂が生じていることがうかがわれる。そして、彼女の唯一最大の理解者だった、デヴ・パテル演じるアンドリューもまた彼女から離れていってしまう。華やかに見える成功の裏側には、そんな喪失が伴うというのは世の常なのだろう。その代償を悔やむのか、それとも失った代償には目を向けずに華やかな成功だけを見つめられるか、その辺りが失敗と成功の別れ目になるのだろうが、彼女の場合は後者だったようだ。
 そんな彼女を見捨てなかったのが、ヘザー・グレアム演じる元ポルノ女優のマーガレットというのは皮肉なものだ。確かにマーガレットはアンジェリーナの最大の理解者だった。けれども、それは長年連れ添った恋人から絶縁状を叩きつけられたマーガレットの、“同病相憐れむ”ような心境があったことは想像するに難くない。この先アンジェリーナとマーガレットがどうなっていくのか・・・・・想像したくないような末路をたどってしまう気がして仕方ない。