評     価  

 
       
File No. 1736  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年02月16日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マイケル・マナッセリ  
       
上 映 時 間   81分  
       
公開時コピー   吸世主、
降臨。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   マイケル・マナッセリ [as ジム・クロウリー/モスキートマン]
モンティ・ベイン [as シャナハン刑事]
ジョーダン・トロヴィリォン [as エヴリン]
リッキー・ウェイン [as デヴィッド・メイヤーズ(デイヴ)]
ダニー・ムーニー [as ボーエン刑事]
ロイド・カウフマン [as Mr.コップルマン]
キンバリー・ケイツ [as ジャッキー・クロウリー]
ダナ・ガマラ [as バリー]
テッド・メイヤーズ [as シモンズ]
 
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あ ら す じ    世間では蚊によって媒介されるウィルスが蔓延し、至るところで殺虫剤が買い占められ、被害の大きな地域では外出も制限されていた。原子力研究所に勤務するジム・クロウリーは、出世の見込みもなく、家庭でも妻ジャッキーとの仲は冷え切っていた。そんな彼が唯一心が癒されるのは、美しく心優しい同僚のエヴリンだけだった。
 ある日ジムは、ライバルのダンとの昇進レースに敗れたうえに職場を解雇されてしまう。おまけに、帰宅途中のモーテルに妻の車が停まっているのを見つけ、中を覗くと、妻とダンが抱き合っている姿があった。
 自暴自棄になったジムは自殺を図ろうと街をさまよい、科学者デイヴと出会う。いかにも親切そうに接するデイヴはジムに酒をおごり、酔いつぶれたジムを車で自らの研究室へと連れ帰る。デイヴは蚊媒体ウィルスのワクチンを開発しての一攫千金を狙っており、ジムはその実験台に選ばれてしまったのだ。
 実験は失敗に終わり、罪を恐れたデイヴはジムの遺体を町のゴミ捨て場へ投棄する。しかし、ジムはまだ死んではいなかった。デイヴに投与されたワクチンによって遺伝子操作が行われ、ジムは蚊の特性と驚異的な力を身につけるたモスキートマンへと変貌を遂げるのだった。
 ちょうどその頃、ATMで現金を引き出したエヴリンが2人組の強盗に襲われる。エヴリンの悲鳴を聞きつけたジムは、モスキートマンの能力を駆使してエヴリンを助ける。しかし、シャナハンボーエンの両刑事に殺人犯として追われ、ジムが金になると考えたデイヴからもつけ狙われ、挙げ句にエヴリンがデイヴによって人質にされてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「未体験ゾーンの映画たち2013」の1作品。当初は観るつもりがなかった作品だが、上映時間が『ストレージ24』と『コリドー』に挟まれていたために、2時間当てもなく渋谷で時間を潰すよりはと、3作ぶっ通しで観ることになった。そもそも万人から嫌われている蚊がヒーローだなんて荒唐無稽で、しかもいきなり冒頭でボウフラが蚊に羽化するまでの映像を見せられたのには辟易したが、中身は思ったほど酷い内容でもなかった。
 蚊の能力を身につけたモスキートマンだから、当然ながら羽を持ち空を飛べるのかと思っていたら、ジャンプはできても空を飛べないというのにはちょっとガッカリ。空を飛ぶシーンを作成するCGにまで制作費をかけられなかったんじゃないか、なんて勘ぐりたくなる。結局、ジムが身につけた蚊特有の能力と言えば、人間の血を吸うことと蚊の群れを操ることだけのようだ。でも、余談になるけど額に穴を開けて吸ったところで、脳ミソばかりで血液はほとんど吸えないんじゃないのかな?
 監督・脚本・主役の3役をマイケル・マナッセリがこなしているうえに、出演者も誰ひとりとして知る者がいないことからも、低予算の作品であることは一目瞭然だ。だから、映像も結構荒かったりするのだが、それが却って不気味な雰囲気を醸し出しているように思える。ただ、ほとんどのシーンが夜だから、場面によっては非常に見づらい箇所があったりはするが。
 役者陣の中では、シャナハン刑事を演じたモンティ・ベインのあまりにテンションの高い、しかも芝居がかった演技が滑稽に映る。けれども、それを補って余りあるほど、ヒロインのエヴリンを演じたジョーダン・トロヴィリォンが可愛らしくて、こんな作品(なんて言ったら失礼だけど)のヒロインにはもったいないくらいだ。