評 価
File No.
1740
製作年 / 公開日
2012年 / 2013年02月17日
製 作 国
韓 国
監 督
イム・サンス
上 映 時 間
115分
公開時コピー
この家は、
女と金と欲望が渦巻いている
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
キム・ガンウ
[as チュ・ヨンジャク]
ペク・ユンシク
[as ユン会長]
ユン・ヨジョン
[as ペク・グムオク]
キム・ヒョジン
[as ナミ]
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あ ら す じ
韓国の中でも最上流階級に位置するペク財閥。
ユン会長
は金を手に入れるためにペク家の女主人
ペク・グムオク
と愛のない結婚をし、金を得るためにはどんなことでもしてきた。嫉妬深い妻、バツイチの娘
ナミ
、純朴な青年秘書
チュ・ヨンジャク
、魅惑的なメイドに囲まれた生活は、不穏ながらも均衡を保っていた。
ところが、ユン会長がメイドに手をつけたことからその均衡は崩れ、悲劇の幕が切って落とされる。夫を愛する故ではなくただプライドの為に夫とメイドの関係を妨害しようとするグムオク、ユン会長とグムオクの板挟みで翻弄されるヨンジャク、そんな彼らの有様を冷ややかな目で見るナミ。彼らがそれぞれに行き着く先は・・・・・?
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たぴおか的コメント
金銭的には文句なく裕福な上流階級の家庭だが、その中身はドロドロとした人間の醜さが渦巻いており、その渦に巻き込まれる第三者・・・・・ナゼだか「どこかで観たような・・・・・」というデジャヴに囚われた作品。それもそのはず、主人公の男女こそ違うものの、2010年のチョン・ドヨン主演『ハウスメイド』(2010)と同じ設定なのだ。で、もしかしてと調べてみたら案の定、監督も同じくイム・サンスだった。
こう言っちゃ失礼に当たるかもしれないが、今の韓国はちょうど日本の30〜40年前と状況が似ているようで、物質面の裕福さというステータスに対する憧れや羨望が今の日本よりも遥かに強いようだ。公示価格に即して毎年「一番高い家」が発表され、そのランキングに国民が強い関心を寄せるという国民性は、まさにバブル時代の日本とを見るようだ。そして、未だに上流・下流という埋まることのない階級格差が存在しているのだ。
この索引の主人公ヨンジャクもまた、『ハウスメイド』のウニと同様に、決して上流の生まれではない。そんな彼の目を通して見たペク財閥の内面は、例によって韓国映画独特の「あり得ねぇ〜!」と言いたくなるほどの極端にデフォルメされており、醜いがそれ以上に滑稽だ。札束が無造作に金庫室に積み上げられているなどという光景は、まさにフィクションだと言わんばかり。夫の部屋にカメラを仕掛けて、夫とメイドの情事に見入る妻という、あまりにも自虐的な光景などは、妻に対する不快感を通り越して、あまりにも哀れに思えて仕方ない。
ただ、ヨンジャクも表面上はユン会長やその妻に従順な秘書を装ってはいるが、それはあくまで彼の仮面であって、その裏側には一筋縄ではいかないしたたかさが潜んでいるように感じられる。不本意ながらあらすじには彼のことを「純朴な青年秘書気」などと、オフィシャルサイトにあるままに書いたが、あの作ったような無表情は、その裏側に隠された緻密な計算高さの隠れ蓑だとしか思えないのだ。
そんな重苦しい雰囲気の中、唯一の救いはキム・ヒョジン演じるナミの存在だ。育った家庭が家庭だけに、素直に自分の感情をストレートに表現するのが苦手なのだろう。初めは家族の中で最も曲者かと思ったが、中身は少なくとも異常な家族の中では極めてまとも。観客だけではなくヨンジャクもまた彼女に心を癒やされたことは間違いない。