評     価  

 
       
File No. 1741  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年02月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   デヴィッド・O・ラッセル  
       
上 映 時 間   122分  
       
公開時コピー   少しイカれたきみが、なぜか希望の光。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ブラッドリー・クーパー [as パット]
ジェニファー・ローレンス [as ティファニー]
ロバート・デ・ニーロ [as パットSr.]
ジャッキー・ウィーヴァー [as ドロレス]
クリス・タッカー [as ダニー]
アヌパム・カー [as Dr.クリフ・パテル]
ジョン・オーティス [as ロニー]
シェー・ウィガム [as ジェイク]
ジュリア・スタイルズ [as ヴェロニカ]
ポール・ハーマン [as ランディ]
シェリル・ウィリアムズ・ミホク [as ティファニーの母]
パトリック・マクデイド [as ティファニーの父]
ブレア・ビー [as ニッキ]
 
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あ ら す じ    妻ニッキの浮気が原因で怒りをコントロールできなくなり、精神病院入りを余儀なくされたパット。ようやく退院したものの、妻ばかりか仕事も家も失ってしまい、ブックメーカーをしている父パットSr.と母ドロレスの元で社会復帰を図ることになる。心身の健康を取り戻せば、接近禁止令の出ているニッキともやり直せると思い込んでいるパットだったが、相変わらず突然キレてはトラブルを引き起こすこともしばしばだった。
 そんなある日、友人のロニーヴェロニカ夫妻に誘われたディナーで、近所に住むロニーの義妹ティファニーと出会う。彼女もまた、夫を事故で亡くして以来心に問題を抱えており、愛らしい姿からは想像もつかない過激な発言と突飛な行動を繰り出し、パットを翻弄する。ところがティファニーはニッキとも知り合いで、パットの手紙をニッキに渡す代わりに、ダンス・コンテストにパートナーとなって出場することをパットに交換条件として突きつけるのだった。
 ティファニーに強要されて仕方なく始めたダンスだったが、次第にパットはティファニーとダンスをしている時に驚くほど心が解放されることに気づく。ところが、そんなパットの気持ちを逆なでするような事態が起きる。ライバルのランディとの賭けに大負けした父がリベンジとばかりに、パットとティファニーのダンス大会の結果までをも賭けの対象にしてしまったのだ。そしてパットは、それに腹を立てた挙げ句にダンスをやめるとまで言い出すのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント  

祝・ジェニファー・ローレンス、
アカデミー主演女優賞受賞!!

 というわけで、アカデミー賞授賞式が開催される25日の月曜日までコメントの記載を待った甲斐があったというものだ。この作品も「アカデミー賞最有力候補」の作品のひとつで、今まで観た作品賞ノミネート作4作品(『レ・ミゼラブル』『ライフ・オブ・パイ』『ゼロ・ダーク・サーティ』、そしてこの作品)の中ではこの作品が一番好きだ。作品賞以外にも監督賞、主演男優賞(ブラッドリー・クーパー)、主演女優賞(ジェニファー・ローレンス)、助演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)、助演女優賞(ジャッキー・ウィーヴァー)他合計8部門でノミネートされている。そして、演技4部門すべてにノミネートというのは31年ぶりの快挙とオフィシャルサイトにはあるが、調べてみると31年前の82年には『黄昏』が助演男優賞を除く3部門にノミネートされているが、4賞全てにノミネートされた作品は存在しないんじゃないかな?
 2013年のアカデミー賞でなぜか強く確信していたのが(ということは、確たる根拠なんて無い、単なるヤマ勘だと言われそうだけど ^-^;)主演男優賞のダニエル・デイ=ルイスと主演女優賞ジェニファー・ローレンスで、その2人が揃って見事受賞するとは、これほど見事に私の勘が的中した年は初めてだ。ちなみに、その他の受賞予想はすべてハズレだったけど(笑)。
 『ハンガー・ゲーム』のカットニスとは全く違うキャラクターを作り上げた、ジェニファー・ローレンスの演技が光っている。観る前は若干22歳の彼女が未亡人という設定には無理があるのでは?なんて不安があったのだが、さすがにオスカーを受賞しただけあって、全く違和感を感じさせない。そして、見かけによらず口汚くののしったりする、ちょっとスレた感じのキャラクターが似合っている。そんな彼女の見た目と言動のギャップを観るのがまた楽しい。
 オスカーを受賞したことで、どうしてもジェニファーに話が行ってしまいそうだが、この作品が演技賞4賞全てにノミネートされたのは伊達じゃない。まずは、妻に浮気されたうえに躁鬱病で病院暮らしを余儀なくされたパットを演じた、ブラッドリー・クーパーだ。今までの彼の印象と言えば、『特攻野郎Aチーム』や『ハングオーバー!』によるものが大きいだけに、この作品で見せた演技は新鮮だ。最初はジェニファー扮するティファニーの過激な言動に面食らいながらも、次第に彼女を見つめる表情が優しくなっていく、そんな細かな表情から彼の気持ちの動きがしっかりと伝わってくる。
 つい先頃、『レッド・ライト』で超能力者を演じたロバート・デ・ニーロが、この作品ではフツーの父親を演じているが、これがまた肝心なところでは胸にグッとくる言葉を息子に投げかけてくるニクらしさがたまらない。ダンスを終えたパットが、おそらくは元妻のニッキに訣別の意志を伝えて、ティファニーがいないのに気づく。最初はティファニーを嫌っていたような父親が息子の背中を押すような台詞には、思わず目頭が熱くなってしまった。そして、追い打ちにかけるようにティファニーに追いついたパットが・・・・・押さえるべきツボをはずさない、そんな演出のおかげで、公開から3日間しかたたないのに劇場で2度も観てしまった。