評     価  

 
       
File No. 1742  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2013年02月23日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   カルロス・ブルックス  
       
上 映 時 間   85分  
       
公開時コピー   嵐の夜。出口なし。
密室に放たれた飢えた獣
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ブリアナ・エヴィガン [as ケリー・テイラー]
ギャレット・ディラハント [as ジョニー]
チャーリー・ターハン [as トム・テイラー]
メアリー・レイチェル・ダドリー [as キャサリン・テイラー]
ペギー・シェフィールド・ローフ [as 医師]
トム・ノウィッキ [as 保安官]
デヴィッド・W・スコット
アンディ・ウサッチ
 
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あ ら す じ    ケリー・テイラーは、母を亡くしてからずっと、1人で自閉症の弟トム・テイラーの面倒を見ながら暮らしてきた。大学進学が決まり、弟を施設に預けることにしたケリーだったが、母が銀行に残していた預金は、サファリパークで一儲けを企む義父のジョニーがすべて使い込んでしまっていた。ジョニーがその金を使って購入したのは、2週間もの間絶食状態に置かれて飢えた獰猛なシベリアン・タイガーだった。
 巨大なハリケーンの接近に備え、家の全ての窓にはジョニーとその仲間たちの手で板が打ち付けられ、完全防備が施された家の中でたケリーとトムは一夜を過ごすことになる。しかし、ジョニーの行動の裏には悪意が隠されていた。ジョニーは家の中でトラの檻を開け放つと、自らは家を出て行ってしまう。
 その夜ケリーが目を覚ますと、階下から不審な物音が聞こえる。そしてケリーが目にしたのは、檻から解き放たれた獰猛なトラだった。窓はおろかドアまでもが外から塞がれ、密室と化した家の中で、逃げ場を探すケリーとトム。そしてケリーは、ジョニーが自らを受取人にして彼女とトムに保険金が掛けられていたことを知り、ジョニーが自分たちを殺そうとしていることを知る。絶体絶命の状況に追い込まれたたケリーは、果たして自閉症のトムを守って生き残ることができるのか・・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    「未体験ゾーンの映画たち2013」の1作品。この作品と『エンド・オブ・ザ・ワールド』、そして『ダークホース』の3本は予告編を何度も見せられて、どうしても観なければいけないような気にさせられてしまい、まんまと乗せられて劇場に臨んだ作品。ヒューマントラストシネマ渋谷で4は最も小さいスクリーンとはいえ、場内がほぼ満席だったのは意外だった。
 ケリーを演じた主演のブリアナ・エヴィガンが、若い頃のジェニファー・コネリーを思わせる美人で、まずはこの手の作品のたぴおか的必須条件をクリアといったところだろうか。そして、彼女の弟トムが自閉症という設定なのだが、この弟が観ているとイライラが募るばかりで、精神衛生上よろしくない(笑)。家の中をトラが徘徊しているというのに、ケリーに食事を作れとわめいたり、仕方がないとはいえ「触るな!」の連発で、「こんな面倒なヤツは思い切ってトラの餌にしちゃえばいいのに」なんて思ったのは私だけじゃないはず。
 あえてCGを使わずに、本物のトラを3頭使ったという映像は緊迫感に溢れ、スクリーンに目が釘付けになるのは必至だ。本物のトラを使って、俳優たちが間違って大怪我したりするようなことはなかったのかと、ついつい気になってしまう。
 結末は希望的観測通りで、ちょっとしたカタルシスを味わうことができる。でも、あの場にはケリーとトム、それにジョニーの3人がいたのに、迷わずジョニーを選んだトラには拍手喝采を贈りたくなる(笑)。