評     価  

 
       
File No. 1749  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年03月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   クエンティン・タランティーノ  
       
上 映 時 間   165分  
       
公開時コピー   これがワイルドだ。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジェイミー・フォックス [as ジャンゴ]
クリストフ・ヴァルツ [as Dr.キング・シュルツ]
レオナルド・ディカプリオ [as カルヴィン・キャンディ]
ケリー・ワシントン [as ブルームヒルダ]
サミュエル・L・ジャクソン [as 執事スティーブン]
ドン・ジョンソン [as ビッグ・ダディ]
ウォルトン・ゴギンズ [as ビリー・キャッシュ]
デニス・クリストファー [as レオニード・モガイ]
ローラ・カユーテ [as ララ・リー・キャンディ=フィッツウィリー]
M・C・ゲイニー [as ビッグ・ジョン・ブリットル]
クーパー・ハッカビー [as リル・レイ・ブリットル]
ドク・デュハム [as エリス・ブリットル]
ジェームズ・ルッソ [as ディッキー・スペック]
トム・ウォパット [as 連邦保安官ギル・テイタム]
ジェームズ・レマー [as バッチ・プーチ/エース・スペック]
フランコ・ネロ [as アメリゴ・ヴァセッピ]
 
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あ ら す じ    奴隷制度をめぐる対立が色濃くなる1858年のアメリカ南部。賞金稼ぎの歯科医Dr.キング・シュルツと出会い、奴隷を繋ぎとめる鎖から解放されたジャンゴ。数年前に賞金稼ぎに転身したシュルツは、自らが狙う賞金首の顔を知らなかったために、彼らと同じ農場にいたことがあるジャンゴに目を付けたのだった。
 ジャンゴはシュルツの目的が果たされれば、自由の身と獲得した賞金の一部をもらうことを条件に、シュルツの手助けをすることになる。そして、目的の賞金首を討ち果たした後、奴隷市場で生き別れとなった妻のブルームヒルダを取り戻するジャンゴに、シュルツも手を貸すこととなる。2人は賞金稼ぎを続けながら、ブルームヒルダの行方を探すのだった。
 ブルームヒルダが、奴隷商人カルヴィン・キャンディが営むキャンディランドという農園にいることがわかる。ジャンゴとシュルツはブルームヒルダを救うため、極悪人カルヴィンに対してある策を講じるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    あの『イングロリアス・バスターズ』を超えて、タランティーノ作品史上最大のヒットを記録した作品で、『イングロリアス』ではナチの将校を怪演してオスカー助演男優賞を受賞したクリストフ・ヴァルツが、またしてもタランティーノ作品で2度目の助演男優賞を受賞している。ちなみに、オスカーには除染男優賞意外に作品賞、脚本賞、撮影賞、音響賞の計5部門でノミネートされているが、主演男優賞と監督賞はのみネーションから漏れている。
 とにかくクリストフ・ヴァルツの軽妙で人を食ったようなふてぶてしさがたまらない。165分という長尺の作品だが、長さを全く感じさせないのも全て彼のおかげだと言っていい。少なくとも、私にとっては。思いがけない場面で彼がお役御免となるまでは、完全に彼の独壇場で、それ以降は主役のジェイミー・フォックス扮するジャンゴの見せ場であるはずなのだが、私は完全にトーンダウンしてしまった。
 この作品、どうやら当初ジャンゴ役にはウィル・スミスがキャスティングされていたらしいが、どういう理由かは知らないがジェイミーを主役にして正解だと思う。また、希代の悪役という触れ込みの、ディカプリオ扮するカルヴィン・キャンディが実に様になっていて、おそらくは本人も喜々として演じていたんじゃないだろうか。メイクのおかげで気持ちの悪い怪老人と化したサミュエル・L・ジャクソンの卑屈な演技も見物だ。自分もカラードであるにもかかわらず、ジャンゴを「ニガー!」と蔑む様は凄い。
 “ニガー”と言えば、確か黒人に対する蔑称とされているはずだが、この作品ではそんなことはお構いなしに終始“ニガー”が連発されている。もっとも、舞台が南北戦争直前だから、“ニガー”を使わなければ不自然この上ない作品になることは明らかけど。