評     価  

 
       
File No. 1786  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年04月27日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   ピョン・ソンヒョン  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   リアルな恋愛、見てみたいでしょ?  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   チソン [as ヒョンスン]
キム・アジュン [as ユンジョン]
シン・ソユル [as ソヨン( = ヒョンスンの元カノ)]
カン・ギョンジュン [as スンジュン( = ユンジョンの彼氏)]
キム・ソンオ [as ソグン]
クァク・ジミン [as アラ]
チョン・スヨン
ムン・ジユン
キム・ボミ
 
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あ ら す じ    7年間付き合った彼女ソヨンにフラれたヒョンスンは、何事にもやる気が起きずに、どん底の毎日を送っている。その夜も、親友の彼女がドイツへ留学するための送別会で、バッタリとソヨンに出くわしたヒョンスンは、先に帰った彼女の後を追って、男が運転するベンツにソヨンが乗り込むのを見てショックを受ける。集まった友仲間のうちで、ソヨンに恋人ができたことを知らなかったのはヒョンスン一人だったのだ。
 その夜落ち込んで帰宅したヒョンスンの元に、一本の電話がかかってくる。身に覚えのない番号から電話をかけてきたその女性は、いきなり甘えた声で彼を誘惑してくる。誰とも分からないその女性の声に興奮したヒョンスンは、本能の赴くままに、その電話に最後まで付き合ってしまう。
 彼に電話をかけてきた女性ユンジョンは、彼氏スンジュンとのマンネリ化した関係を変えようと、サプライズでテレフォンセックスをしようとして、うっかりと番号の下一桁を間違ってかけてしまったのだ。こうして、思いもかけない“PS = フォン・セックス”から2人の関係は始まった。
 名前も顔も知らない2人は、電話越しにお互いの境遇や恋の悩みをぶつけ合うようになり、次第に心を通わせていく。募る好意はやがて淡い恋に変わり、電話だけの関係に満足できなくなった2人は、実際に会ってみようと決めるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    改めて振り返ってみると、韓国版『カンナさん大成功です!』の公開からもう6年もたっている。その後音沙汰がなくて気になっていたキム・アジュンの劇場作品が、やっと公開される!ということで、メンズデーの月曜日に当たる4月29日にいそいそとシネマート六本木へ臨んだ。
 『カンナさん』の彼女があまりに可愛かったために、この数年間で彼女のイメージを勝手に膨らませすぎているんじゃないかと身構えていたが、久し振りに観たキム・アジュンは以前にも増して美しさに磨きがかかったようで、170cmの整ったモデル体型といい、ルックスといい、ケチの付け所がみつからない。電話でヒョンスンに自分のことを「美し過ぎてビックリする」なんてセリフがあるが、それが全くイヤミに聞こえない。もっとも、そんなセリフもヒョンスンと会わない前提での話だから言えたわけで、実際のユンジョンは自信が持てなくて自分を平凡な取り柄のない女だと思っている、そんなところにまた惹かれてしまう。また、彼女だけじゃなく、ヒョンスンの元カノ・ソヨン役のシン・ソユルが、小柄でショートヘアが似合っていてまたメチャクチャ可愛い。久し振りに韓流女優の美しさに打ちのめされた思いだ。
 この作品、視聴制限が「R18+」となっているのは、下ネタが多いことと、ヒョンスンとソヨンのセックスシーンのためだろうか。ただ、あくまでラブコメディだし、エロディックさを前面に押し出すような描写もないし、「R15+」でいいんじゃないだろうか。むしろ、「R15+」指定のチョン・ドヨン主演『ハウスメイド』の方を「R18+」指定にすべきだと思う。
 会ったことがなく、電話だけの関係だからこそ、互いに自分を飾ることなく思っていることをストレートにぶつけられる。だから、そんな関係を壊すことを恐れて、2人に実際に会うことを躊躇させているというのは実に共感できる。でも、だからこそ会わずにはいられないんだよね。
 そして、ユンジョンがヒョンスンに傾きかけた時に、彼氏のスンジュンが絶妙なタイミングでプロポーズする。一方のヒョンスンもまた、新しい彼氏と別れたソヨンが戻ってきて、2人は互いに元の鞘に収まってしまいそうになる。この辺りの脚本は、さすがラブコメはお手の物の韓国映画だけあって、さすがだと感心させられる。けれども、お互いに今までの相手に未練はあっても、一端壊れた関係は元に戻ることはないのだ。ユンジョンの結婚式をブチ壊したヒョンスンの勇気は賞賛に値するけど、あの歌の歌詞はどうだかねぇ(笑)。
 ラストシーンでは、キム・アジュンが再びその歌声を披露してくれているのも嬉しい。ああいう終わり方も爽やかで気に入った。