評     価  

 
       
File No. 1791  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年05月04日  
       
製  作  国   イギリス / アメリカ  
       
監      督   エラン・クリーヴィー  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   ここでは、正義も悪になる。
  
巨大な陰謀の影に
《裏切り者(ビトレイヤー)》
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジェームズ・マカヴォイ [as マックス・ルインスキー]
マーク・ストロング [as ジェイコブ・スターンウッド]
アンドレア・ライズブロー [as サラ・ホークス]
ピーター・ミュラン [as ロイ・エドワーズ]
ジョニー・ハリス [as ディーン・ウォーンズ]
ダニエル・メイズ [as ネイサン・バートニック]
デヴィッド・モリッシー [as トーマス・ガイガー]
ジェイソン・フレミング [as ハーヴェイ・クラウン]
エリス・ガベル [as ルアン・スターンウッド]
ダニエル・カルーヤ [as ジュカ]
ルース・シーン [as ディーンの祖母]
ロバート・ポータル [as ロバート・ワイズマン]
 
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あ ら す じ    ロンドン。捜査官マックス・ルインスキーは、大物犯罪者のジェイコブ・スターンウッドを、上司の制止を振り切って丸腰のまま単身で逮捕を試みる。しかし、銃を持っていたスターンウッドに逆に膝を撃たれ、スターンウッドには逃げられてしまい、心身共に深い傷を負ってしまう。
 3年後。強盗で大金を得たスターンウッドは、アイスランドで隠遁生活を送っていた。そこへ突然、ある事件に巻き込まれた息子のルアン・スターンウッドから救いを求める電話がかかってきて、スターンウッドは急遽アイスランドからロンドンへと向かう。それは、同僚の捜査官サラ・ホークスが心配するほど自信を失っていたマックスにとって、スターンウッドを逮捕する千載一遇のチャンスでもあった。
 ロンドンを訪れたスターンウッドは、息子を殺そうとした犯人を追い詰めるために、ルアンが滞在していたホテルの情報を流し、犯人をおびき寄せる。そして、激しい銃撃戦の末にスターンウッドは、息子を殺した一味に警察の人間が絡んでいることを知る。一方のマックスもまた、スターンウッドを追ってホテルに訪れ、銃撃戦の現場から同僚のネイサン・バートニックの眼鏡を見つけ、彼が事件に関与していることを知るのだった。
 追う者、追われる者として、決して相容れないマックスとスターンウッドは、やがて自分たちが政治家までもが絡んだ陰謀に巻き込まれていたことをに気付く。敵対する2人は、互いが生き延びるために協力して巨大な組織と戦うのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    例によって例のごとく、マーク・ストロングが隠遁生活を送る強盗という悪役に扮し、彼に辛酸をなめさせられた警官をジェームズ・マカヴォイが演じる、クライム・サスペンス作。もしかしたら犯罪者であるスターンウッドを主役に描いた方が面白かったかも知れない。ジェームズ・マカヴォイは好きな俳優ではあるが、この作品ではマーク・ストロングの存在感が圧倒的で、また彼がこれほどカッコ良く見えるとは意外だった。
 99分という、どちらかと言えば短めの尺の割には、あまりに何でもかんでも詰め込みすぎているような気がする。そのおかげで、人物の相関関係が非常に把握しにくい・・・・・と言うよりも、一度では把握しきれなかった。おまけに、前の晩が睡眠不足だったため、レイトショーでもないのに猛烈な睡魔に襲われて、所々意識が薄れてしまい、余計に理解不能に陥ってしまった。
 周囲の誰が味方で誰が敵なのかわからない、そんな状況が生む緊迫感は心地いい。ただ、私の嗜好から言わせてもらうならば、女性が殺されるような設定にはして欲しくなかった。特に、サラのようなキャラクターが殺されてしまうと、あまりに痛ましくて。
 仇敵同士だったマックスとスターンウッドが手を組むという設定は、作品を観ずにあらすじだけを読めば無理矢理に思えるかもしれないが、作品を観てみるとこれが実に自然で、むしろ必然的とも思える。それほど2人は、互いを好敵手として一種の敬意すら抱いているように感じられる。「あの時(3年前のこと)になぜ殺さなかった?」というマックスの問いかけにも、「For What ? ( = 何のために?)」と返しているのも、スターンウッドが理由もなしに無益な殺しはしないという、一種のポリシーが感じられて、なおさら好感が持てるのだ。