評     価  

 
       
File No. 1792  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2013年05月11日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   フィリップ・リドリー  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー  
悪魔と契約した男
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジム・スタージェス [as ジェイミー・モーガン]
クレマンス・ポエジー [as ティア]
ノエル・クラーク [as A.J.]
ジョゼフ・マウル [as パパ・B]
ニキータ・ミストリー [as ベル]
エディ・マーサン [as ウェポン・マン]
ティモシー・スポール [as ジョージ・モーガン]
ルーク・トレッダウェイ [as リー・モーガン]
ラス・シーン [as マリオン・モーガン]
ジャスティン・サリンジャー [as レイモンド・モーガン]
フレイザー・エアーズ [as ヴィニー]
コニー・ハイド [as リンダ]
 
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あ ら す じ    ロンドン。母親マリオン・モーガンと2人で暮らすジェイミー・モーガンは、生まれつき顔にあるハート型の痣のために、他人との関わりを避けるように生きてきた。ある日、フードで顔を隠して凶行に及ぶストリート・ギャング集団と遭遇する。ジェイミーは、彼らが人間とは異質の“何か”であることに気づく。やがて、ジェイミーをつけ狙うギャングたちは、彼の最愛の母親を惨殺してしまう。そして、怒りと復讐に燃えるジェイミーは、リーダーと思われる謎の男パパ・Bから呼び出され、単身彼の指定する場所へと向かうのだった。
 少女ベルに導かれてパパ・Bと対峙したジェイミーは、パパ・Bに手にした銃の弾をありったけ撃ち込むが、パパ・Bは不死身だった。そしてパパ・B、定期的に自分の言う通りの落書きをすれば、ジェイミーの願いを叶えてやると囁く。痣さえなければと願ってきたジェイミーは、痣を消すことと引き替えに悪魔の契約に同意してしまう。パパ・Bの言う通り彼の痣は嘘のように消え去ったが、しかしそれはジェイミーにとって地獄のような悪夢の幕開けとなる。
 後日、ジェイミーの自宅にパパ・Bの言った使いの男・ウェポン・マンが訪れる。ウェポン・マンがジェイミーに依頼した仕事は、落書きではなく何と殺人だった。しかも、殺した男の心臓を抜き取り、深夜の0時までに教会へ持って行くという、奇妙きわまりない依頼だった。ジェイミーは話が違うと依頼を拒否するが、ウェポン・マンの力に屈し、殺人を引き受けざるを得なくなるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品の公開初日、昼間に観た作品はいずれもホラー色の濃い作品となった。そのひとつ、この『ハートレス』だが、2009年に製作されたにもかかわらず公開までに4年を要しているのが不思議。もしかして、当時日本で公開するには訴求力不足だったのだが、昨年『クラウド アトラス』が公開されてジム・スタージェスの認知度が国内でも高まったのを機に、公開に踏み切ったのでは?なんて邪推したくなる。
 ジム・スタージェス扮する主人公のジェイミーだが、あの痣をそれほどまでに気にするのが今ひとつ説得力不足。痣があったって彼のルックスは美形なんだし、あの程度の痣なんて気にしない女性はいくらでもいるはず。恋人ができない理由は、必要以上に痣を気にして自分の殻にこもってしまうという、ジェイミーの性格にあるとしか思えない。
 パパ・B率いる悪魔の集団だが、銃で撃たれても死なないパパ・B当人は別にして、その他大勢が果たして人間なのかそれとも悪魔なのか、そして何のために人を殺すのか、結局最後までわからないまま終わってしまった。また、パパ・Bの目的もハッキリしない。ただ人を次々と殺すだけで、人間に乗り移って仲間を増やすというワケでもないようだ。
 解らないことはまだある。ジェイミーの痣は、本当に消えてなくなったのか?痣が消えて以来彼の側にいつも付き添う少女ベルの姿は、他の人間には見えないのか?そして、彼女の真意は?そんな理屈を追求する作品ではないのかもしれないが、おそらくハリウッド作品だったら、無理があったとしても何らかの理由をこじつけていたんじゃないだろうか。あまりに疑問が多過ぎて、私にとっては観終えた後実にモヤモヤして精神衛生上あまりよろしくない作品だった。