評     価  

 
       
File No. 1796  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年05月17日  
       
製  作  国   デンマーク  
       
監      督   スサンネ・ビア  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   南イタリア、
ソレントより愛をこめて
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ピアース・ブロスナン [as フィリップ]
トリーヌ・ディルホム [as イーダ]
キム・ボドゥニア [as ライフ]
セバスチャン・イェセン [as パトリック]
モリー・ブリキスト・エゲリンド [as アストリッド]
パプリカ・スティーン [as ベネディクテ]
クリスティアーヌ・シャウンブルク=ミュラー [as ティルデ]
ミッキー・スケール・ハンセン [as ケネト]
チーロ・ペトローネ [as アレッサンドロ]
マルコ・ダモーレ [as マルコ]
スティーナ・エクブラ [as 女医]
リーネ・クルーセ [as ビッテン]
フレデリック・トーマッセン [as アレクサンドラ]
 
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あ ら す じ    イーダイーダは娘のアストリッドの結婚式を間近に控え、自身の乳癌治療に一区切りをつけることができた。ところが、ある日彼女が帰宅すると、夫・ライフと彼の会社の経理担当のティルデとの浮気現場に遭遇してしまう。
 アストリッドと相手のパトリックは、パトリックの父が所有するイタリア南部の街・ソレントの別荘で式を挙げる。ソレントまでライフと一緒に行くわけにいかなくなり、イーダは一人旅に慣れていないながらも式の4日前にイタリアへ向け出発する。ところが、コペンハーゲン空港の駐車場で他の車にぶつけてしまい、しかも相手の車を運転していたのはパトリックの父親フィリップだった。こうして、夫に浮気をされたイーダと、妻を亡くして仕事に打ち込んできたフィリップは、2人でソレントへ向かうこととなった。
 フィリップとイーダに遅れて到着したライフは、浮気相手のティルデを同伴していた。父の非常識な振る舞いにアストリッドは怒りを露わにするが、イーダは娘の前では冷静を装うしかなかった。深く傷ついたイーダが服もウィッグも脱ぎ海で泳いでいたところ、沖に流されまいか心配したフィリップが駆けつけ、自分の上着を彼女にかける。それをきっかけに二人の距離は縮まり、一緒にレモンの果樹園や街のカフェへ行くうちに二人の間に穏やかで優しい空気が流れだす。
 ところが、いよいよ式を翌日に控えた時、アストリッドはイーダにパトリックが結婚をやめたがっていると意気消沈しながら打ち明ける。一方のパトリックもまた、結婚に対して迷っていることをフィリップに話す。そして結婚式当日、アストリッドとパトリックは集まった人々の前で、結婚を取りやめにする宣言してしまう。
 イタリアから帰国してしばらく後、外出していたイーダが帰宅すると、家中にバラが飾られていた。よりを戻してほしいというライフの言葉に、イーダは戸惑いながらもうなずく。その数日後、イーダの勤める美容院にフィリップが現れる。事業を縮小しイタリアに戻ることにしたフィリップは、自分と一緒にイーダに来て欲しいと思いを告げる。動揺したイーダは、もう悩みたくないとフィリップの申し出を拒絶してしまうが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品でメガホンを執るスサンネ・ビアは、今までどちらかと言えば人生の苦しみに喘ぐような人物を描いてきた監督に思え、その彼女が撮るラブコメはどんなものだろうと興味津々でで初日のレイトショーに行ってみた。南イタリアの果樹園に囲まれた別荘というシチュエーションが素晴らしく、前編を通して柑橘系の香りが漂うような映像になっている。そして、フィリップを演じる5代目ジェームズ・ボンドだったピアース・ブロスナンと、イーダ役でスウェーデンのトップ女優だというトリーヌ・ディルホムという組み合わせがまた絶妙だ。
 会社の経営者で金銭的には裕福、しかも渋い男前ときたら、女性からモテないわけがない。そんなフィリップの唯一の欠点が、妻を亡くしたためにその代償を仕事に求めしまっている点だろうか。得てしてそういった経営者は社員から嫌われるものだが、彼の場合には社員から誕生日を祝ってもらったり、部下の女性からデートに誘われたりと、人望もあるのだからケチのつけようがない。一方のイーダは、なぜこんな奴と結婚したのか?と尋ねたくなる夫ライフの浮気現場に遭遇してしまう。そんな2人の恋物語が、それぞれの息子と娘の結婚式に絡めて描かれている。
 年上の女性に対して失礼に当たるかもしれないが、トリーヌ・ディルホムがとにかく可愛い。この役のために頭を丸めてしまったのだろうか。女性がそこまでするとは役にかける熱意には頭が下がるが、代わりに付けているブロンドのウィッグがピッタリ似合っている。そして、見た目もそうだが、彼女の表情やちょっとした仕草が可愛らしさを引き立てているようだ。そんなイーダの、文字通り一糸まとわぬ姿を見て、さすがのフィリップも恋に落ちてしまったのだろう(笑)。
 その反面、肝心のパトリックとアストリッドの結婚が破談になるというのは意外。しかもその理由が、パトリックがゲイに目覚めてしまったからだというのか?アレッサンドロと踊るアストリッドを見て、嫉妬のあまりパトリックは激怒したというのに、その直後にはアレッサンドロに恋に落ちるなんて、いくら何でも無理があり過ぎるんじゃないかな。