評     価  

 
       
File No. 1798  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年05月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   中田 秀夫  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   誰から、死ぬ?  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   前田 敦子 [as 二宮明日香]
成宮 寛貴 [as 笠原忍]
勝村 政信 [as 二宮勲]
西田 尚美 [as 二宮佐智子]
田中 奏生 [as ミノル]
並樹 史朗
筒井 真理子
諏訪 太朗
柳 憂怜
青山 草太
佐藤 めぐみ
岩松 了
朝加 真由美
高橋 昌也 [as 篠崎老人]
手塚 理美 [as 野々村早苗]
 
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あ ら す じ    クロユリ団地に父・二宮勲、母・二宮佐智子、そして弟との家族4人で引っ越してきた二宮明日香。高度成長期に建てられたものの今はすっかり寂れてしまい老朽化の進むこの団地で、13年前から謎の死が相次いでいることを彼女は知らなかった。明日香は引っ越したその夜から、隣りの部屋からの不気味な音に悩まされ続ける。
 ある日、目覚ましの音が鳴り続いているのを不審に思った彼女が隣室を訪ねると、老人が独りきりで死んでいるのを見つける。明日香は老人の死を防げなかった自責の念と、その日から次々と彼女を襲う恐ろしい出来事に神経をすり減らす。老人が何か伝えようとしているのではないかと考えた明日香は、隣室の遺品整理に来た特殊清掃員の笹原忍の力を借りて手がかりを探そうとするが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ホラーなのに微塵も怖くない。その上面白くも何ともない。というわけで、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートを使って無料で観たにもかかわらず、久し振りに上映が終わって「金返せ−!」と叫びたくなった作品。どうやらそれは私だけじゃなく、前方に座っていた私と同世代の男性2人組もやはり「金返せよな」なんて話していたのが聞こえて、思わず頷いてしまった。
 前田敦子は成海璃子と共演したスクリーンデビュー作『あしたの私のつくり方』以来演技は決して下手じゃないと思っていたし、共演するのは成宮寛貴だし、さらに『リング』の中田秀夫監督がメガホンを執るとあれば、もう少しマシな作品に仕上がっていると思ったのが大間違い。せっかくのホラー初出演の前田&成宮の2人の熱演にもかかわらず、実にお寒い出来の作品だった。おまけに、観客の年齢層が低いのはある程度予想できたが、上映が始まってもしゃべり声が止まないのには閉口させられた。
 無理矢理怖いシーンを探すなら、唯一篠崎老人に扮した高橋昌也が壁を引っ掻くシーンくらいのもの。ミノル少年のメイクは怖いよりもむしろ滑稽に見えてしまったし、それ以上に滑稽だったのは、手塚理美扮する霊媒師(?)の野々村早苗たちが必至になって祈祷するシーン。完全に醒めた目で観ていた私にとっては、笑いをこらえるのが結構大変だった。
 前半のテンポの悪さも致命的で、退屈なことこの上ない。そう、何がいけないと言って、ホラー特有の緊迫感が全く感じられず、観る者は完全な弛緩状態に陥ってしまうのだ。後は推して知るべしで、金と時間を浪費したいならば観ればいい。でも、金と時間の浪費は嫌だけどどうしても観たいならば、DVDがリリースされるまで待つべきだということだけは断言しておきたい。