評     価  

 
       
File No. 1804  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年05月31日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョセフ・コシンスキー  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   何故、彼は
人類のいない地球に残されたのか
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   トム・クルーズ [as ジャック・ハーパー]
モーガン・フリーマン [as ビーチ]
オルガ・キュリレンコ [as ジュリア]
アンドレア・ライズブロー [as ヴィクトリア]
ニコライ・コスター=ワルドー [as サイクス軍曹]
メリッサ・レオ [as サリー]
ゾーイ・ベル [as カーラ]
 
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あ ら す じ    2077年、異星人スカヴとの侵略戦争に勝利したものの、地球は核兵器で壊滅状態となってしまう。人類は木星の衛星タイタンへ移住し、人類のいなくなった地球では、ドローンと呼ばれる無人偵察機による監視が続けられていた。そんな地球でドローンのメンテナンスやパトロールなどに任務に就くジャク・ハーパーは、パートナーのヴィクトリアと共に地球に残っていた。
 ある日ジャックは、未確認飛行物体の墜落現場へ向かい、墜落した宇宙船が人類が遙か昔に作ったものであり、飛散したカプセルの中に眠る男女を発見する。現場にやって来たドローンによって、カプセルは破壊されてしまうが、ただ一人助け出した女性・ジュリアは、目を覚ますと会ったはずのないジャックの名前を口にする。その女性こそ、ジャックが何度も夢の中で見た女性だったのだが、肝心なジャックの記憶は曖昧で、彼女が何者なのかわからなかった。
 その翌日、ジュリアは墜落した宇宙船のフライトレコーダーを入手したいとジャックに頼む。ジャックはヴィクトリアの制止を振り切って、ジュリアと共に墜落現場へと向かうが、そこでスカヴによって捕獲されてしまう。スカヴの本拠地らしき場所へ連れられたジャックとジュリアは、そこでスカヴのリーダーと思われる男ビーチによって、驚くべき真実を知らされる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この週末は金曜日の公開作品が3本もあり、その中で真っ先に観ることにしたのが、当然ながらこの『オブリビオン』。予告編では全貌がつかめず、どんな内容なのか期待したが、その期待に充分応えてくれる出来だった。少なくともここ最近に観たSF作品の中でも断トツの面白さだった。
 “破壊し尽くされた地球”の世界観が、なぜか逆に美しい。そんな地球で、たった2人だけで任務に就くジャックとヴィカ(ヴィクトリア)の日常が淡々と展開される。だが、観ている者はこの時点で既に、ジャックとヴィカ同様にこの作品に仕掛けられた大きな陥穽に陥ってしまっているのだ。もっとも、2人は記憶を消されているから、騙されているわけではないのかもしれないが。
 ヴィカを演じるアンドレア・ライズブローは、どこかで観た女優だと思ったが、ジェームズ・マカヴォイ主演の『ビトレイヤー』で、主人公とコンビを組む女刑事を演じていたことには気づかなかった。『ビトレイヤー』の時のおとなしめだったメイクも、今回は彼女の美しさを充分に引き立てていて、もし観た順番が逆だったら絶対に彼女に気づかないはずがなかっただろう、それほどこの作品での彼女は強く印象に残る。夜のプールでのシーンは、幻想的で甘美な雰囲気に酔いしれることだろう。
 そんなヴィカに加えて、ジャックが夢に見続けてきた女性、オルガ・キュリレンコ扮するジュリアが登場する。『ヒットマン』で初めてお目にかかって以来、私のお気に入り女優に加わったオルガだが、相変わらずそのエキゾチックな雰囲気が魅力的だ。そして、ジュリアの登場がトリガーとなって、そこからは急転直下モヤモヤしていた謎のベールが1枚ずつはがされていく。ジャックとジュリア、そしてヴィカの微妙な三角関係も絡めながら、ラストシーンへと一気になだれ込んでいく展開からは目が離せない。