評     価  

 
       
File No. 1809  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年06月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ウォルター・ヒル  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   40年間
生きるために撃ってきた
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   シルヴェスタ・スタローン [as ジミー・ボノモ]
サン・カン [as テイラー・クォン]
サラ・シャヒ [as リサ]
アドウェール・アキノエ=アグバエ [as ロバート・モレル]
クリスチャン・スレイター [as マーカス・バプティスト]
ジェイソン・モモア [as キーガン]
ジョン・セダ [as ルイス・ブランチャード]
ホルト・マッキャラニー [as ハンク・グリーリ]
ブライアン・ヴァン・ホルト [as ロニー・アール]
ヴェロニカ・ロサティ [as ローラ]
デイン・ローデス [as LT・レブレトン]
マーカス・ライル・ブラウン [as タウン刑事]
 
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あ ら す じ    ニューオーリンズ。海兵隊員から闇の世界に身を落とし、殺し屋を生業としてきたジミー・ボノモ。逮捕されること26回、有罪となること2回。彼はその日も、相棒のルイス・ブランチャードと共に仕事を終え、仲介人のロニー・アールと会うためにいつものバーを訪れる。ところがロニーは現れずに、謎の巨漢キーガンに襲われ、キーガンに刺されたルイスはジミーの目の前で息絶えてしまう。
 力を頼りに生きてきた彼が唯一心を許していた相棒の復讐に燃えるジミーの元へ、ワシントン警察の刑事テイラー・クォンが現れる。テイラーは、ジミーが殺し屋であることを知りながらも捜査への協力を要請するが、長年裏社会を生きてきたジミーには受け入れられるはずもない依頼だった。ところがジミーと接触した直後に、テイラーがあろうことかニューオーリンズの刑事たちに襲撃され、負傷する。テイラーを救ったのはジミーで、彼は自分の娘リサにテイラーを治療させる。そしてジミーは、自らのルールを曲げて刑事と手を組む決意をする。
 テイラーの情報とジミーの強引な尋問によって、2人は事件の真相に近づいていくが、テイラーは自分の目の前で平然と人を殺すジミーを必ず逮捕するという決意を固める。一方、ルイスと共にジミーを仕留められなかったキーガンは、ジミーをライバル視して執拗に追ってくる。相棒の復讐に燃える殺し屋ジミー、そんな彼との対決に喜びを感じるキーガン、そして頑なに正義を貫こうとするテイラー。3人が決着をつける時は近づいていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ウォルター・ヒル監督70歳、スタローン66歳という高齢の2人がタッグを組んだこの作品。ロートル臭がプンプンと漂う、観ていて手を貸してあげたくなるようなワビ・サビの作品になっちゃうんじゃないか、なんて一抹の不安を抱いて臨んだのだが、そんな心配は全く無用。いきなりのハイテンションにはワクワクさせられた。決して目新しさを感じる作品ではないが、それだけに誰にでも単純明快でわかり易い。“スタローン、新章開始!”なんてオフィシャルサイトにはあるが、殺し屋という役回り以外はいつものスタローンで、往年の彼のファンも拒絶反応もなく受け入れられるはず。ま、スタローンに小難しい理屈をこねるような役柄を演じろと言っても無理な相談で、あくまでスタローンはいつまでもスタローンのまま変わることはないんだだろうけどね。
 『ランボー』の頃よりは当然贅肉も増えたものの、年齢の割には鍛えた肉体美をこれでもか!と言わんばかりに披露するのも、昔と変わっていない(笑)。そして、そんなスタローンを取り巻く脇役陣にも注目。まずは、ジミーとコンビを組む刑事テイラー役のサン・カン。韓国系アメリカ人らしく、どうりで英語が堪能なわけだ。スタローンより身長が高いのにはちょっと驚いた。犯罪者と刑事が手を組むなんて、ちょっと『48時間』を思わせるような設定だ。今回のヒロイン、ジミーの娘リサを演じるサラ・シャヒは、イラン人の父とメキシコ人の母を持つ、エキゾチックな雰囲気が魅力的だ。韓国系のテイラーとは相性が良さそうだ。そして、本当に久し振りに観たハリウッドの片岡鶴太郎(と私が勝手に思っているだけだが)こと、クリスチャン・スレイター。この人、90年代と全然変わってないよ(笑)。小悪党が似合っていて、ストーリー半ばでジミーに殺されてしまうけど、しっかりと存在をアピールできている。そして、やたらとマッチョで迫力があるキーガンだが、『コナン・ザ・バーバリアン』でコナンを演じたジェイソン・モモアだったとは。そりゃ、体格がいいのも当たり前なわけだ。
 そんなジェイソン・モモアとスタローンがクライマックスで見せる、重量級同士の一騎打ちが迫力満点だ。結局テイラーキーガンのトドメを刺してしまうが、負け惜しみみたいに「一人で倒せた」なんていうジミーのセリフには、ちょっとクスッとさせられた。