評     価  

 
       
File No. 1826  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年06月29日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   橋本 一  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   恋に狂わない世界は狂っている  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   日南 響子 [as 桜姫]
青木 宗高 [as 権助]
麻美 ゆま [as お七]
平間 美貴
星野 あかり
七海 なな
マリエム・マサリ
HIRO
クロちゃん
野々村 真 [as 吉田左門]
平山 祐介 [as 長浦残月]
風祭 ゆき [as 春琴]
徳井 優 [as 宅悦]
合田 雅吏 [as 定吉]
でんでん [as 清玄]
 
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あ ら す じ    ワケあり稼業の権助は、桜姫という美少女を目撃する。彼女は高家の名門、吉田左門の一人娘だったが、吉田家の名前を聞いて権助の顔色が変わる。桜姫の出自を教えたのは、この時代には不似合いな風貌の男・定吉だった。夜、一人で眠っていた桜姫は、吉田家へ盗みに入った権助に襲われる。最初は抵抗していた桜姫は次第に女の歓びに目覚め、権助の右腕に掘られた釣鐘の刺青だけが目に焼き付いていた。
 左門は良家との縁談を進めようとしていたが、盲目の琴の師匠・春琴は、桜姫の女としての変化を感じ取っていた。やがて権助への恋慕から、桜姫は家を飛び出してしまう。3ヶ月後、お金にがめつい宅悦が経営する遊郭“ぢごくや”には、お七を初め数人の遊女がいたが、一番人気は新入りの風鈴お姫。彼女こそ、あの桜姫だった。腕に釣鐘の刺青を入れた彼女は、相手をする男に、釣鐘の刺青の男を探してほしいと頼んでいた。
 権助は、心中の死に損ないの坊主・清玄から風鈴お姫の評判を聞き、会いに行く。激しく求め合う2人。男たちが姫をちやほやし、自分好みの権助まで入れあげるのが我慢ならないお七は、力さえあれば権助などものの数ではないとうそぶく清玄を使っての権助抹殺を企む。宅悦が作る精力剤を盗み出して清玄に飲ませるが、効き目が強すぎて清玄は死んでしまう。そのころ権助は、侍・長浦残月と取引をしていた。実は桜姫を襲った日、長浦から頼まれて吉田家の家宝の掛け軸を盗んでいたのだ。
 姫は、吉田家の掛け軸が盗まれており、その犯人が権助であることを知る。盗人であることを意味した。愛する男と、一度は捨てた家の間で揺れる姫。そんな折り、権助の命をと彼が持つ掛け軸を狙って、長浦が大勢の配下を連れてぢごくやを襲撃してくる。果たして、姫と権助の運命は・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    今月3度目の初日舞台挨拶に臨んだ作品。ただ、別に日南響子の実物を見たかったワケでもなく、なるべく早い時間の回にしたかったために舞台挨拶の回となっただけのことなのだが。ただ、予告編を観て斬新な時代劇ってことで、中身には少々期待はしていたのだが・・・・・。
 主演の日南響子(ふり仮名の表記は“ひなみきょこ”で、“きょこ”じゃないらしい)はてっきり20代半ばかと思ったら、撮影当時はまだ18歳だった。整った綺麗なルックスだとは思うけど、個人的には可愛いと思えないし、魅力的だとも思えない。作品の中では「紗倉の化身と見まがうような」なんて台詞があるが、そこまで褒められるほどの華が感じられない。もし私が遊郭“ぢごくや”に遊びに行ったならば、風鈴お姫じゃなくて、麻美ゆま分するお七にお相手をしてもらいたいかも。演技もお世辞にも上手いとは言えないから、主役が映えないという残念な出来になってしまっている。
 四世鶴屋南北の手になる「桜姫東文章」を現代風にアレンジしたというストーリーは、リアリティを度外視したハチャメチャな展開。それが面白いと思える作品もあるのだが、この作品の場合は残念ながらそうは思えない。中でも群を抜いてハチャメチャなのが、でんでん演じる生臭坊主の清玄で、舞台挨拶でも青木宗高が「でんでんさんが凄いことに」なんて言っていたが、その言葉だけは誇張でも何でもなかった。雷に打たれだり、首を斬られたりと、忙しいのなんのって(笑)。さすがにこれには苦笑せざるを得なかった。  。