評     価  

 
       
File No. 1833  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年07月13日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   リュ・スンワン  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   敵は南か、北か、
世界か
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ハ・ジョンウ [as ピョ・ジョンソン(北朝鮮秘密諜報員)]
ハン・ソッキュ [as チョ・ジンス(韓国国家情報院)]
リュ・スンボム [as トン・ミョンス(北朝鮮保安監察員)]
チョン・ジヒョン [as リョン・ジョンヒ(北朝鮮大使館通訳官)]
イ・ギョンヨン [as リ・ハクス(ベルリン駐在北朝鮮大使)]
チェ・ムソン
クァク・ドウォン
キム・ソヒョン
ミョン・ゲナム
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    ドイツの首都ベルリン。韓国情報院の敏腕エージェントチョン・ジンスは、高級ホテルの一室で行われている武器取引の密談を隠しカメラで監視中、ロシア人ブローカーを介してアラブ系組織の幹部に新型ミサイルを売りつけようとしている北朝鮮の秘密工作員に目を留める。その男ピョ・ジョンソンは、CIAやMI6のリストにも記録がない“ゴースト”と呼ぶべき謎の人物だった。ジンスは取引成立のタイミングを狙い部下たちに現場への強行突入の指令を下すが、イスラエルの情報機関モサドの横やりによって銃撃戦が勃発、ジンスはジョンソンを取り逃がしてしまう。一方、北朝鮮で英雄と崇められるほど数多くの勲功を立ててきたジョンソンは、韓国側への情報漏洩に不安を抱き、内通者の存在を疑い始める。
 そんな中、在ベルリン北朝鮮大使館のリ・ハクス大使は、平壌から派遣されてきた保安観察員トン・ミョンスから、大使館に勤める通訳官でジョンソンの妻リョン・ジョンヒが二重スパイだという情報を入手する。上司であるハクスから妻の調査を命じられたジョンソンは、ショックを受けながらも彼女への監視と尾行を開始する。数年前に初めて授かった子供を亡くして以来、ジョンヒと感情がすれ違っているジョンソンは、彼女がアメリカに亡命するのではないかという疑念を強めていく。
 その頃、旧知のCIA局員から連絡を受けたジンスも「北朝鮮の何者かが国連を通じて亡命を要請した」との情報をキャッチしていた。だがアメリカ大使館近くの広場に姿を現した北の亡命志願者は、意外にもハクスだった。韓国情報院の張り込みを察知して地下鉄構内に逃げ込んだハクスは、そこに駆けつけたジョンソンとミョンスによって拘束される。信頼を寄せていた同志のハクスが亡命を要請した理由が全くわからないジョンソンは、自宅で妻を激しい口調で問い詰める。すると重い口を開いてジョンヒが打ち明けたのは、二人目の子を身籠っているという事実だった。さらに自宅に盗聴器が設置されていることに気付いたジョンソンは、自分たち夫婦が恐るべき陰謀に巻き込まれ、裏切り者に仕立てられたことを確信する・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    最後にスクリーンで観たのが2008年の『ラスト・ブラッド』だから、チョン・ジヒョンにお目に掛かるのは実に5年振りになるわけで、彼女も既に32歳とは、時の経つのは早いものだ。そして、私がこの作品を観ることにしたのは、言うまでもなく彼女が出演しているからだ。
 韓国と北朝鮮、南VS北の諜報合戦だという私の予想は、あながち見当違いではなかったものの、主人公が北の人間などとは夢にも思っていなかった。しかも、韓国と北朝鮮にアラブまでが絡んでくるおかげで、誰がどの組織に属していて、誰と誰が敵で誰が味方なのかという、登場人物の相関関係が把握しづらいのなんのって・・・・・。でも、ストーリーはそんな落ちこぼれの観客は置き去りにして、どんどん進んで行ってしまう(笑)。
 それにしても、北朝鮮の秘密諜報員が主人公とはいえ、作品中に金日成や金正恩という実名がお構いなしに登場するとは驚きだ。こんなことをして、テポドンを落とされたりしないんだろうか(笑)。見かけによらず金正恩氏は映画が好きだっていうし・・・・・。
 韓流作品におけるアクションシーン、特に格闘シーンの迫力は特筆すべきだ。ピョ・ジョンソンを演じるハ・ジョンウを初めて観たのが『チェイサー』の異常な性犯罪者という役柄だったから、ハッキリ言って第一印象はあまり芳しくなかったが、こういう作品を見せられると、そんなよろしくない印象も消し飛んでしまいそうだ。そして、こういうアクションを演じられる俳優は、残念ながら日本にはいないんだろうな。
 お目当てチョン・ジヒョンだが、この作品ではジョンソンの妻という地味ではあるが重要な役柄を演じて、その存在感はやはり侮れない。ただ、『デイジー』もそうだったが、途中で殺されてしまうのはとても残念。悲運の女性というキャッチコピーがついて回りそうだな。
 ジョンソンの後輩・ミョンスを演じたリュ・スンボムが、まさかとは思ったがリュ・スンワン監督の実弟らしい。日本で言えば、大森立嗣監督作に大森南朋が出演しているようなものだろうか。