評 価
File No.
1835
製作年 / 公開日
2012年 / 2013年07月20日
製 作 国
ド イ ツ
監 督
アレックス・シュミット
上 映 時 間
102分
公開時コピー
あの森で起きたことを
私は覚えてる・・・
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ミナ・タンデル
[as ハンナ]
ラウラ・デ・ブーア
[as クラリッサ]
カタリナ・タルバッハ
[as ガブリエラ]
マックス・リーメルト
[as マーコス]
クレーメンス・シック
[as ヨハネス]
トーマス・サルバッハー
[as ティム]
リナ・ケラート
[as レア]
ミア・カサロ
[as マリア]
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あ ら す じ
子供のころから親友同士の
ハンナ
と
クラリッサ
は、毎年夏のバカンスを2人の両親とともに小さな島で過ごしていた。それから25年が経ち、結婚して7歳の娘を持つハンナは、地元の病院の主任医師として勤務していた。ある日その病院の救急治療室に、睡眠薬の過剰摂取でクラリッサが運ばれてくる。
意外な形で再会した2人は昔の友情を取り戻す。そして、夫
ヨハネス
との関係がぎくしゃくしていたハンナは、クラリッサの提案で娘の
レア
を連れて3人で子供時代に遊んだあの島で数日間を過ごすことにする。
以前バカンスを過ごしたのと同じ屋敷に着くと、そこでハンナはアルバムに貼られた昔の写真を見て、自分とクラリッサ以外のもう一人の少女が写っていることに気付く。ハンナはクラリッサから説明を受け、彼女が島に住んでいて2人の遊び友達だった
マリア
という名の少女であることを知る。なぜかハンナは、マリアの存在すら忘れ去っていた。ハンナは徐々にかつての記憶を取り戻していき、やがて想像を絶する真実にたどり着く・・・・・。
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たぴおか的コメント
何だか、一時期ハマっていたドイツ映画を久し振りに観た気がする。ただ、振り返ってみると私が観たドイツ映画はほとんどが第二次大戦を舞台にしたナチスが絡む作品が多く(最後に観た『ソハの地下水道』などは典型的なパターンだ)、ドイツのサスペンス・スリラー作品はこれが初体験となった。
ドイツ作品らしい骨太の構成の中に、緻密な脚本が組み込まれた秀作で、数々の映画祭で評価されたのも頷ける。偶然に再会した、25年前の親友クラリッサ。そこに既に布石が敷かれているのだが、その時は当然そんなことに気付きもしない。ただひとつだけ、クラリッサの髪がブルネットであることに違和感を覚えたが、それが後になって非常に大きな意味を持つこともまた、知る由もなかった。
マリアという少女の死の謎が常について回り、その謎は深まる一方で観ている者を惹き付けてやまない。マリアの死について、クラリッサはハンナに対して確かに何かを隠しているのだ。そして、クライマックスで明かされる秘密に衝撃を受けずにはいられない。クラリッサが、なぜ睡眠薬を過剰摂取してハンナの病院に搬送されたのか、その理由も初めて分かるようになっている。
クラリッサの魔手に落ちたかと思われたハンナが、病院のベッドで意識を取り戻して、もしかしてすべて解決したのか?と思わせるが、さらにクラリッサの企みが続いているという、二重の構成が実に見事だ。冒頭で子供時代のハンナが語った、「誰かが身代わりになるまでは助からない」、それが、ハンナの娘レアに引き継がれるよな終わり方がまた素晴らしく、計算し尽くされた巧みな構成には脱帽だ。
何だか、奥歯にものが挟まったような中途半端なコメントになってしまったが、これ以上書くとどうしてもネタバレになってしまうので、書きたくても書けないのだ(苦笑)。興味を持たれた方は、ぜひとも劇場へ行くか、でなければDVDで観ることをオススメしたい。