評     価  

 
       
File No. 1841  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年08月03日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   RZA  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   鉄の拳でぶっつぶせ!!  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   RZA [as ブラック・スミス]
ラッセル・クロウ [as ジャック・ナイフ]
カン・リー [as 銅獅子]
ルーシー・リュー [as マダム・ブロッサム]
バイロン・マン [as 銀獅子]
リック・ユーン [as ゼン・イー]
デヴィッド・バウティスタ [as ブラス・ボディ]
ジェイミー・チャン [as レディ・シルク]
ダニエル・ウー [as ポイズン・ダガー]
パム・グリア [as ジェーン]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    19世紀の中国。武装集団同士の争いが続く叢林村で暮らす黒人の鍛冶屋ブラック・スミスは、敵対する猛獅会と群狼団から特注の武器の注文を受ける。女主人マダム・ブロッサムが仕切る娼館・粉花楼で働くレディー・シルクと愛し合う彼には、身請けの費用を稼ぎたいという事情があった。
 猛獅会の銀獅子銅獅子は、総督から猛獅会に輸送を依頼された金塊の強奪を企み、首領の金獅子を殺害してしまう。一方、金塊輸送の噂が広まった叢林村には、多くのよそ者が流れ込んでくる。その中には、白人ジャック・ナイフの姿もあった。群狼団を殲滅した銀獅子はさらに、叢林村への帰途にあった金獅子の息子ゼン・イーに暗殺部隊を差し向ける。全身に武器を仕込んだ“X刀”でこれを退けるゼン・イーだったが、全身を真鍮に変化させる特殊能力を持つ殺し屋・ブラス・ボディの襲撃を受け、瀕死の状態に陥ってしまう。
 その危機を救ったのはブラック・スミスだった。金塊の輸送隊を襲撃した銀獅子と銅獅子は、護衛していた剣技の達人・双飛夫妻をポイズン・ダガーの吹き矢で殺害し、金塊を手にした銀獅子たちは、総督配下の胡狼軍迎撃に備える。一方、回復したゼン・イーは、ブラック・スミスに新しいX刀を注文するが、ゼン・イーの行方を追うブラス・ボディに拉致されたブラック・スミス鍛冶屋は両腕を切断されてしまう。
 窮地を救ってくれたジャックの手を借り、“鉄の拳”を作り上げたブラック・スミスは、封印していたカンフーを解放し、“アイアン・フィスト”として生まれ変わる。協力を誓ったゼン・イー、ジャック、アイアン・フィストの3人は、銀獅子、金剛たちが待つ粉花楼へ向かうのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    この作品、主演・監督・原案・そして音楽を手がけたRZAが、『キル・ビル』の音楽を担当したことがきっかけで親交を持つようになった、クエンティン・タランティーノが提供という形で名を連ねている。そして、いかにもタランティーノが好きそうな作風に仕上がった、異色のカンフー・ムービーだ・・・・・ということは観る前から知っていたのだが、実際に観てみると個人的には少しばかり落胆させられた。
 そもそも主演がRZAで、クレジットの2番目がラッセル・クロウであることからも察しがつくのだが、ジャッキー・チェンやジェット・リーらが主演する本格カンフー映画とはほど遠い。拳対拳の肉弾戦というよりも、奇抜な武器を使った戦いがメインなのだ。その最たる例がリック・ユーン演じるゼン・イーで、猛獅会という拳法の派閥のトップを父に持ちながらも、全身に隠し持ったナイフが最大の武器で、あんな武具を身につけていたら、自分が仕込んだナイフで自分が怪我するんじゃないか?と心配になるほどだ。
 また、全身が真鍮(黄銅?)と化して、拳や蹴りはおろか刃物さえもはねつけてしまうという、おおよそ人間とは思えないブラス・ボディなんてバケモノも登場するそして、そのバケモノとRZA扮する鋼鉄の拳を装着した鍛冶屋との一騎打ちがクライマックスになっているのだが、いくら鋼鉄の拳を持っているとはいえド素人の鍛冶屋が、虎拳を習得しているブラスに勝てるはずがない、なんてツッコミたくもなる。
 ルーシー・リューは歳を重ねるごとに、ますます顔が片桐はいり化してきている気がする(笑)。そんな面々に混ざって、ラッセル・クロウが一体どんな役回りを演じているのか、もしかしたら完全に浮いちゃうんじゃないかと心配にもなったが、彼は彼なりに奇妙なナイフ付きの小銃を駆使して、違和感なく作品に溶け込んでいるのは、きっと周囲が奇抜なキャラ揃いだからかもしれない。