評     価  

 
       
File No. 1845  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2013年08月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   テレンス・マリック  
       
上 映 時 間   112分  
       
公開時コピー   愛の真実を探り出す  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ベン・アフレック [as ニール]
オルガ・キュリレンコ [as マリーナ]
レイチェル・マクアダムス [as ジェーン]
ハビエル・バルデム [as クインターナ牧師]
タチアナ・シラン [as タチアナ]
ロミーナ・モンデロ [as アンナ]
トニー・オガンス [as セクストン]
チャールズ・ベイカー [as 大工]
マーシャル・ベル [as ボブ]
 
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あ ら す じ    ニールマリーナはフランスのモンサンミシェルにいた。アメリカを離れてフランスへやって来た作家志望のニールは、マリーナと出会い、恋に落ちる。10代で結婚し、娘タチアナを生みながらも、夫に捨てられたことで希望を失いかけていたマリーナを救ったのがニールだった。
 2年後、アメリカへ渡った彼らは、オクラホマの小さな町バードルズルで暮らしていた。ニールは故郷に近いこの町で、作家への夢を諦め、環境保護の調査官として勤務。前の夫と正式に離婚していないマリーナは、ニールと結婚はできないものの、穏やかな生活に満足していた。ニールとタチアナの関係も良好だったが、故郷から離れた土地で友だちに恵まれず、独りぼっちのタチアナは母に言う。“フランスへ帰ろう”。マリーナはニールとの関係を相談するため、カトリック教会の牧師クインターナのもとを訪れる。だが、布教に励み、町の人々から親しまれるクインターナも、信仰への情熱を失いかけていた。神はどこにいるのか?なぜ自分の前に姿を現さないのか?やがて、マリーナと諍いが増え、タチアナからも“パパ気取りはやめて”と非難されるようになると、ニールの気持ちは冷めてゆく。
 滞在ビザが切れたマリーナは、タチアナとともにフランスへ帰国。その後、ニールは幼なじみのジェーンと関係を深めていく。しばらくして、タチアナが別れた夫に引き取られたことをきっかけにマリーナがフランスでの生活に耐え切れなくなったことを知ったニールは、責任感から彼女を呼び戻して結婚し、ジェーンは去って行く。しかし、マリーナの強く激しい愛を、ニールは受け止めることができなかった。信仰の前で葛藤するクインターナ同様、愛について深く考えるニール。愛は感情か?義務か?それとも命令なのか?やがて2人は、それぞれの選択をすることになる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    こう見えても私は一応映画鑑賞に関するポリシーを持ち合わせていて、それは「映画とは娯楽であるべきだ」というものだ。難解であるにせよ、単純明快であるにせよ、そこには娯楽的な要素が欠かせないと思うわけだ。その意味では、マリック監督作の『ツリー・オブ・ライフ』などは私のポリシーに真っ向から対立する最たる例なわけで、おそらくはこの『トゥ・ザ・ワンダー』も同じ印象を受けるだろうとは予想していた。だったらなぜ観たのか、と思われるかもしれないが、もしかしたら一度観ただけでは私が誤解している可能性もあるし、それを確認するためにももう一度だけこの作品を観てみようと思ったのだ。それと、オルガ・キュリレンコ、レイチェル・マクアダムスというお気に入りの美女2人の出演も大きい(つーか、こっちの方が比重が重いきもする ^-^;)。そして、おそらくテレンス・マリック監督作を観るのはこれが最後になるような気がする。
 こういった詩的なな作品が悪いとは言わないが、映画は観客に理解してもらって初めて意味があるわけで、その意味では私の独断と偏見による評価では、マリック作品はあまりに独善的かつ高慢に思える。あたかも、「この作品がわからないなら、映画を観る資格がない」なんて言われているような気がするのだ。かと言って、逆に観客に媚びるような作品もまた好ましくはない。結局、私とマリック作品は相性が極端に悪いということで、この作品を素晴らしいと評価する者がいてもおかしくない。それはごく当たり前のことで、100人が観れば100通りの解釈があるのがむしろ自然なのだ。
 『ツリー・オブ・ライフ』に比べれば一応のストーリーはあるものの、登場人物のモノローグがほとんどでセリフがほとんどない。おまけに、主演がただでさえ表情に乏しいベン・アフレックでは、主人公のニールが何を考えているのか、感情の動きを感じることなどは到底不可能だ。これではせっかくの2人の美女と、オスカー俳優ハビエル・バルデムが無駄になってしまう。この作品のおかげで、ますますベン・アフレックという俳優が嫌いになった。