評     価  

 
       
File No. 1870  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年09月21日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョナサン・レヴィン  
       
上 映 時 間   98分  
       
公開時コピー   ゾンビ・ミーツ・ガール
世界の終わりに、恋が襲ってきた。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ニコラス・ホルト [as R]
テリーサ・パーマー [as ジュリー]
ロブ・コードリー [as M]
デイヴ・フランコ [as ペリー]
アナリー・ティプトン [as ノラ]
コリー・ハードリクト [as ケヴィン]
ジョン・マルコヴィッチ [as グリジオ大佐]
 
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あ ら す じ    近未来。感染によってゾンビ化した人々はは人間を喰らい、人間は防壁の中の町に居住しながら捕食者であるゾンビを敵対視していた。ある日、ゾンビの青年Rが仲間たちといつものように人間を食べに出かけたところ、食べ物であるはずの人間の女の子ジュリーに恋をしてしまう。Rはジュリーを守りながら自分の居住区へ連れて行くのだった。
 ジュリーは食べられまいと必死に抵抗していたが、Rが不器用ながらも自分に寄せる好意や純粋さに触れ、次第に警戒心を解き心を開いていく。Rもまたジュリーと交流するうちに、生ける屍である自分の中であたたかな気持ちが広がっていくのを感じる。しかし2人の恋はゾンビと人間の関係を覆すものであり、最終型ゾンビの“ガイコツ集団”やジュリーの父親グリジオ大佐にとっては到底許せないものだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    こういうの、大好きなんです。そもそもこの作品に興味を持ったのは、ヒロインを演じるのが『アイ・アム・ナンバー4』であまりにカッコ良過ぎるナンバー6を演じたテリーサ・パーマーだったから。そして、ゾンビと人間との恋愛ストーリーだなんて、そんなあり得ない恋愛が成就するのか?多分、最後は破局を迎えるんだろうなぁ・・・・・なんて悲観的だった私の予想を見事裏切るハッピーエンドが非常に心地良い作品だった。
 おそらくは、こんなご都合主義的な展開を批判する向きもあるかもしれない。だが、そもそも人間とゾンビの恋愛なんて現実にあり得ない物語なのだから、あり得ないようなハッピーエンドもありだろう。シリアスさを追求した作品ならいざ知らず、この作品はあくまでラブコメなのだから、悲恋の物語になどになっちゃいけない。
 主人公のゾンビ・Rを演じたニコラス・ホルトなのだが、これがあまりに要潤ソックリで思わず笑っちゃうほど。で、その要潤が・・・・・じゃなくてRが、仲間と共に食料(つまり人間)を求めて町に向かった途中で、テリーサ演じるジュリーたちと遭遇して恋に落ちてしまう。おそらくは、直前に彼女の恋人だったペリーの脳を食べて記憶を共有したせいもあるのだろうが、食べたい、でも食べられないというジレンマは、『トワイライト・サーガ』でヴァンパイアのエドワードが人間であるベラに感じたそれに通じるものがある。
 要潤・・・・・じゃなくてニコラス・ホルト(くどい?)のゾンビの演技が見物で、目つきや仕種(特にあの猫背の歩き方)がちょっと滑稽なのがいい。ところが、最初はギクシャクしていた動作がだんだんスムーズになってきて、「おいおい、丁寧なのは最初だけかよ?」なんて思ったのだが、それも実は手抜きなんかじゃなく、Rが次第に人間へと変わっていくためだとわかり、なかなか細かいところにまで気を配っているなと感心。
 テリーサ・パーマー扮するジュリーの父親を演じるのがジョン・マルコヴィッチなのだが、このオッサン相変わらずブッ飛んだ演技を披露してくれている。おかげで、ともすれば重苦しくなりがちな雰囲気をどこかコミカルに感じさせてくれる。