評     価  

 
       
File No. 1884  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2013年10月12日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジェフリー・フレッチャー  
       
上 映 時 間   88分  
       
公開時コピー   甘くみたら、大きな間違い。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   シアーシャ・ローナン [as デイジー]
アレクシス・ブレデル [as バイオレット]
ジェームズ・ガンドルフィーニ [as マイケル]
ダニー・トレホ [as ラス]
マリアンヌ・ジャン=バプティスト [as アイリス]
タチアナ・マズラニー [as エイプリル]
コディ・ホーン [as バービー・サンデー]
キャシディ・ヒンクル [as ジューン]
リンダ・グラヴァット [as ドロレス]
 
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あ ら す じ    ニューヨーク。バイオレットデイジーは、お手軽な仕事だけを請け負うティーンエイジャーの殺し屋。ある日、仕事仲間のラスから、報酬アップの楽な仕事を依頼された2人は、一度はあっさりと断るが、雑誌の記事に掲載されていた彼女たちのアイドル“バービー・サンデー”の新作ドレスに惹かれ、そのドレス欲しさに仕事を引き受ける。ターゲットは、自ら電話で殺して欲しいと頼んできた男だという。
 デイジーはドレスを手に入れることで何かが変わることを願いながら、一方のバイオレットはデイジーと2人でドレスを着てパーティで楽しく踊る姿を夢見ながら、ターゲットの部屋へと向う。ターゲットの留守中に部屋に忍び込むことに成功した2人だったが、ついつい居眠りしてしまい、気づかないうちにターゲットの中年男マイケルが帰宅してしまう。目が覚めた2人にマイケルはクッキーを焼いてくれ、食べ終えた2人に「早く殺して欲しい」懇願するマイケルに、バイオレットとデイジーは動揺を隠せないでいた。
 時を同じくして、別の殺し屋の男たちがマイケルの部屋へと向っていた。思わぬ殺しのターゲットだったことから、バイオレットとデイジーはある危険な賭けに出るが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    先日の『ビザンチウム』に続き、シアーシャ・ローナンが主演する作品だが、制作は2011年のこの作品が『ビザンチウム』に先立つようだ。共演のアレクシス・ブレデルは、シアーシャと同じ世代だと思い込んでいたが、'94年生まれで当時17歳のシアーシャに対し、アレクシスは'81年生まれの当時30歳と、これほど年齢が離れているとは思わなかった。だからバイオレットはデイジーを子供扱いしていたんだなと納得。
 可愛い2人の女の子が実は殺し屋という設定に興味があったのだが、「自分たちはプロだ」と何度も口にする割には手際が実にぬるくて、その辺りがこの作品のコメディたる所以なのだろう。見知らぬ相手をいきなり銃で撃つことはできても、マイケルのような敵対するどころか2人に親切にしてくる相手に対しては、ロコツに躊躇してしまう。おまけに、いくらターゲットが殺して欲しいと言っているとはいえ、部屋で寝込んでしまうなんてプロ失格だろう(笑)。
 2人のターゲットとなったマイケルだが、演じる名優ジェームズ・ガンドルフィーニが、つい先頃(2013年6月19日)他界していたとは全く知らなかった(遅まきながらご冥福をお祈りいたします)。で、そのマイケルが、なぜあれほどまでに死に急いでいるか、今ひとつ説得力不足。そんな彼が、なぜあれほどまでにデイジーに殺されることを望んだのか?デイジーが殺し屋を続けていく上で、大きな壁を乗り越えさせてやろうという親心だったのか。デイジーと同じ年頃の娘を持つ彼だから、おそらくは娘のエイプリルにデイジーが重なったのだろうが、そうなるとデイジーに殺しをさせないようにするのが、マイケルの性格としてはふさわしいように思える。
 クライム・サスペンスではなくてクライム・ファンタジーとでも言うべきこの作品、すべてはマイケルとバイオレット&デイジーの出会いが話の核になっている。もっと次々と仕事をやり遂げていくような内容を期待していた私にとっては、少々当てが外れた感はあるものの、こういう作品もアリだろう。そう言えば、2人の少女とは正反対のイカツイ男ダニー・トレホが連絡係のラスとして出演していたが、まさに美女と野獣を地でいくような設定が面白かった。