評     価  

 
       
File No. 1887  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年10月18日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   オリヴァー・ヒルシュビーゲル  
       
上 映 時 間   113分  
       
公開時コピー   やっと会える。本当のあなたに。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ナオミ・ワッツ [as ダイアナ]
ナヴィーン・アンドリュース [as ハスナット・カーン]
ダグラス・ホッジ [as ポール・バレル]
ジェラルディン・ジェームズ [as ウーナ・トッフォロ]
キャス・アンヴァー [as ドディ・アルファイド]
ローレンス・ベルチャー [as ウィリアム王子]
チャールズ・エドワーズ [as パトリック・ジェファーソン]
ジュリエット・スティーヴンソン [as ソニア]
ジョナサン・ケリガン [as コリン]
ハリー・ホランド [as ハリー王子]
ダニエル・ピリー [as ジェイソン・フレイザー]
 
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あ ら す じ    1995年、英国皇太子妃ダイアナは夫と別居して3年、2人の王子とも離れ、寂しい暮らしを送っていた。そんなある日、心臓外科医のハスナット・カーンと出会う。心から尊敬できる男性にやっと巡り逢えたと確信するダイアナ。BBCのインタビュー番組に出演し、別居の真相を告白、“人々の心の王妃”になりたいと語って身内から非難されるが、ハスナットは彼女を励ましてくれた。
 1年後、離婚したダイアナは、地雷廃絶運動などの人道支援活動で世界中を飛び回る。自分の弱さを知るからこそ、弱者の心を理解する彼女は、人々を癒し、政治を動かす力も持ち始めていた。一方、ハスナットはゴシップ紙に書きたてられ、彼の一族からも反対される。ダイアナは、ドディ・アルファイドとの新しい関係に踏み出すが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    1997年8月に不慮の死を遂げ世界中を騒然とさせた、ウェールズ公チャールズ皇太子の妻・ダイアナ妃の、離婚から亡くなるまでを描い作品。ダイアナ妃といえば、1986年に来日した際に、日本でも一大旋風を巻き起こしたことが記憶に残っている。
 ダイアナ妃を演じるのは、今や2度のアカデミー主演女優賞にノミネートされて演技派の代名詞と言っても過言じゃない、私のお気に入り女優のひとり、ナオミ・ワッツ。どちらかと言えばシャープな美人タイプの顔立ちのダイアナを、柔和などちらかと言えば可愛らしい美人タイプのナオミ・ワッツが、亡くなった時のダイアナ妃より9歳も年上で演じることに不安もなくはなかった。顔が似ている・似ていないというのはどうでもいいことで、どうしても本人ソックリにしたければ、それこそオーディションで一般からソックリさんを募ればいいわけで、そうしなかったのは女優ならではの演技力で魅せるためで、ミシェル・ウィリアムズが演じたマリリン・モンローや、アシュトン・カッチャーが演じるスティーブ・ジョブズも然りだ。
 ナオミ演じるダイアナ妃は、本当に良く勉強したなぁとほとほと感心。顎をを引いてやや上目遣いで話す仕種を筆頭に、ほぼ完ペキにダイアナ妃の動作を習得していてると言っていい。個人的にはエイミー・アダムスにダイアナを演じさせてみたら面白いんじゃないかと思ったりする。が、やはりダイアナ妃を演じるのは英国出身の女優がふさわしいかもしれないし、その意味ではナオミ・ワッツの起用はベストなキャスティングと言えるだろう。そして、監督も当然英国人・・・・・と思ったら、『ヒトラー〜最期の12日間〜』を撮ったドイツ人監督・オリヴァー・ヒルシュビーゲルがメガホンを執っているとは意外だった。もっとも、内輪の人間よりも外様の方が、変に遠慮することもなく歯に衣着せない大胆な描写が可能なのかもしれない。
 アラブの富豪ドディ・アルファイドとの浮き名はあまりに有名で、そのためにパパラッチから執拗に追い詰められていたことは周知の事実だが、その陰に単なる外科医であるハスナットとの、純粋で真剣な恋物語があったとは、この作品を観て初めて知った。おかげで、ダイアナに対して抱いていた売名行為として恋愛を演じるような女性というイメージが払拭され、好感度が増したことは言うまでもない。