評     価  

 
       
File No. 1896  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年10月26日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ニールス・アルデン・オブレヴ  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   死んだはずの男。
未来を奪われた女。
ふたりを繋ぐものは<復讐>だった
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   コリン・ファレル [as ヴィクター]
ノオミ・ラパス [as ベアトリス]
テレンス・ハワード [as アルフォンス]
ドミニク・クーパー [as ダーシー]
イザベル・ユペール [as ヴァレンタイン]
アーマンド・アサンテ [as ロン・ゴードン]
F・マーレイ・エイブラハム [as グレゴール]
 
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あ ら す じ    ヴィクターは、裏社会で不動産業を牛耳るアルフォンスの信頼厚い寡黙なヒットマン。脅迫文や謎のメモ、仲間の惨殺死体など、何者かの脅しに悩まされるアルフォンスと、そんなボスの悩みを解決してのし上がろうと躍起になる同僚のダーシーたちの騒ぎを冷静に見つめていた。一方、ヴィクターの向かいのマンションに住む若い女性ベアトリスは、酒酔い運転の車に追突された事故で顔に傷跡が残り、近所の子どもたちから“怪物”と罵られ、未来と笑顔を失っていた。
 ヴィクターはそんな彼女に同情し、食事の誘いに乗るが、ベアトリスには目的があった。「あなたが人を殺した現場を見た。通報しない代わりに、私をこんな顔にした男を殺して」。弱みを握られたヴィクターに選択の余地はなかった。さらに、ヴィクター自身も個人的な復讐計画を秘めていた。妻子を殺され、自分も殺されかけて以来、名前や経歴を変えて生きてきた彼のターゲットは、ボスのアルフォンスだった。
 ある時、標的を仕留め損ねたヴィクターは、ベアトリスに窮地を救われる。これをきっかけに、互いの境遇を語り合う2人。フランス人のベアトリスは母ヴァレンタインと2人暮らし。ヴィクターも妻子に先立たれたことを打ち明け、2人の距離は着実に接近していく。しかし、事態は彼らの予期しない方向へ向かって行く。刺客の策に気付いたアルフォンスは、ヴィクターに難題を押し付けてくる。さらに、ボスを狙う刺客の正体に迫ったダーシーも、あろうことかヴィクターに協力を要請してくる。
 だが二重の復讐計画を進めるヴィクターにそんな余裕はなかった。しかし、刺客の正体がヴィクターであることに気づいたダーシーが、ベアトリスを人質にとたことを知ったヴィクターは、遂に最後の計画を実行する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    コリン・ファレルとノオミ・ラパスという、どちらかと言えば地味な2人が共演した作品だが、これが予想外に面白かった。少なくとも、今までに観たコリンの主演作の中では、トップクラスに属すると個人的には思う。妻子を殺した相手に復讐を企てる、コリン分するヴィクター。自分の顔を、子供たちから「モンスター」と呼ばれるように変えてしまった男に復讐したい、ノオミ・ラパス演じるベアトリス。復讐で結ばれた2人に、果たして明るい未来は訪れるのか?そして、ヴィクターの復讐は成し遂げられるのか?その2つの興味に引っ張られて、グイグイとラストまで引っ張って行かれる。
 尺が118分もあったとは観終えてから知ったことで、実は終わった時にはてっきり100分を切る程度の尺だと思い込んでしまっていた。それほど退屈を感じさせないスリリングな展開で、それを支える脚本もまた優れているということだろう。かつては嫌いな俳優のトップクラスにいたコリン・ファレルに対する拒否反応も今はなく(『フライトナイト 恐怖の夜』と『トータル・リコール』のおかげか)、逆になかなかいい俳優だと思えるまでにイメージが好転している。そして、『パッション』といいこの作品といい、ノオミ・ラパスにはやっぱり“不幸な女”が似合う。
 この作品のメガホンを執るニールス・アルデン・オプレヴ監督は、奇しくもノオミ・ラパスが主演した『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でも監督を務めていて、なるほど「どこかで観たことがあるような雰囲気だ」とデジャヴを覚えたわけだ。