評 価
File No.
1896
製作年 / 公開日
2013年 / 2013年10月26日
製 作 国
アメリカ
監 督
ニールス・アルデン・オブレヴ
上 映 時 間
118分
公開時コピー
死んだはずの男。
未来を奪われた女。
ふたりを繋ぐものは<復讐>だった
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
コリン・ファレル
[as ヴィクター]
ノオミ・ラパス
[as ベアトリス]
テレンス・ハワード
[as アルフォンス]
ドミニク・クーパー
[as ダーシー]
イザベル・ユペール
[as ヴァレンタイン]
アーマンド・アサンテ
[as ロン・ゴードン]
F・マーレイ・エイブラハム
[as グレゴール]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
ヴィクター
は、裏社会で不動産業を牛耳る
アルフォンス
の信頼厚い寡黙なヒットマン。脅迫文や謎のメモ、仲間の惨殺死体など、何者かの脅しに悩まされるアルフォンスと、そんなボスの悩みを解決してのし上がろうと躍起になる同僚の
ダーシー
たちの騒ぎを冷静に見つめていた。一方、ヴィクターの向かいのマンションに住む若い女性
ベアトリス
は、酒酔い運転の車に追突された事故で顔に傷跡が残り、近所の子どもたちから“怪物”と罵られ、未来と笑顔を失っていた。
ヴィクターはそんな彼女に同情し、食事の誘いに乗るが、ベアトリスには目的があった。「あなたが人を殺した現場を見た。通報しない代わりに、私をこんな顔にした男を殺して」。弱みを握られたヴィクターに選択の余地はなかった。さらに、ヴィクター自身も個人的な復讐計画を秘めていた。妻子を殺され、自分も殺されかけて以来、名前や経歴を変えて生きてきた彼のターゲットは、ボスのアルフォンスだった。
ある時、標的を仕留め損ねたヴィクターは、ベアトリスに窮地を救われる。これをきっかけに、互いの境遇を語り合う2人。フランス人のベアトリスは母
ヴァレンタイン
と2人暮らし。ヴィクターも妻子に先立たれたことを打ち明け、2人の距離は着実に接近していく。しかし、事態は彼らの予期しない方向へ向かって行く。刺客の策に気付いたアルフォンスは、ヴィクターに難題を押し付けてくる。さらに、ボスを狙う刺客の正体に迫ったダーシーも、あろうことかヴィクターに協力を要請してくる。
だが二重の復讐計画を進めるヴィクターにそんな余裕はなかった。しかし、刺客の正体がヴィクターであることに気づいたダーシーが、ベアトリスを人質にとたことを知ったヴィクターは、遂に最後の計画を実行する・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
コリン・ファレルとノオミ・ラパスという、どちらかと言えば地味な2人が共演した作品だが、これが予想外に面白かった。少なくとも、今までに観たコリンの主演作の中では、トップクラスに属すると個人的には思う。妻子を殺した相手に復讐を企てる、コリン分するヴィクター。自分の顔を、子供たちから「モンスター」と呼ばれるように変えてしまった男に復讐したい、ノオミ・ラパス演じるベアトリス。復讐で結ばれた2人に、果たして明るい未来は訪れるのか?そして、ヴィクターの復讐は成し遂げられるのか?その2つの興味に引っ張られて、グイグイとラストまで引っ張って行かれる。
尺が118分もあったとは観終えてから知ったことで、実は終わった時にはてっきり100分を切る程度の尺だと思い込んでしまっていた。それほど退屈を感じさせないスリリングな展開で、それを支える脚本もまた優れているということだろう。かつては嫌いな俳優のトップクラスにいたコリン・ファレルに対する拒否反応も今はなく(『フライトナイト 恐怖の夜』と『トータル・リコール』のおかげか)、逆になかなかいい俳優だと思えるまでにイメージが好転している。そして、『パッション』といいこの作品といい、ノオミ・ラパスにはやっぱり“不幸な女”が似合う。
この作品のメガホンを執るニールス・アルデン・オプレヴ監督は、奇しくもノオミ・ラパスが主演した『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でも監督を務めていて、なるほど「どこかで観たことがあるような雰囲気だ」とデジャヴを覚えたわけだ。