評     価  

 
       
File No. 1947  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2014年01月18日  
       
製  作  国   オランダ  
       
監      督   ポール・ヴァーホーヴェン  
       
上 映 時 間   89分  
       
公開時コピー   女は
嘘と秘密で
満ちている
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ピーター・ブロック [as レムコ]
ヨフム・テン・ハーフ [as ヴィム]
サリー・ハルムセン [as ナジャ]
ロベルト・デ・ホーフ [as トビアス]
ハイテ・ヤンセン [as メレル]
リッキー・コーレ [as イネケ]
カロリーン・スプーア [as リーケ]
ピーテル・ティデンス [as フレッド]
 
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あ ら す じ    妻イネケトビアスリーケの2人の子供、裕福な生活、美しい愛人メレル。欲しいものをすべて手に入れ、完璧な人生を送る女好きの資産家レムコは、妻が開いた50歳の誕生パーティーで人生の絶頂を噛みしめていた。ところが突然、パーティーの場に海外で暮らしていたはずの元愛人のナジャが現れる。
 ナジャは妊娠8ヶ月の身重の体で、その子の父親はレムコだという。折も折、レムコの会社は中国の企業に身売りをする話が持ち上がっており、妻イネケは反対していたが、共同経営者のヴィムは、ナジャの件を闇に葬ることを条件に、会社の身売りをレムコに迫ってくる。レムコが築き上げてきたもののすべてが音を立てて崩れ始めるかと思われた中、愛人のメレルがイネケに思わぬ情報を提供する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ポール・ヴァーホーヴェン監督が、『ブラックブック』以来6年ぶりにメガホンを執った作品は、最初の5分の映像を公開して脚本を一般公募し、その中から監督がセレクトしてつなぎ合わせて撮影し、再びそこまでの映像を公開して脚本を公募することを繰り返して作り上げたという異色作。制作過程を撮影したドキュメンタリー・パートと、本編の2部作という構成となっているために、本編自体は約40分程度の短編となっている。
 映画サイトを見るとこの作品のジャンルはサスペンスってことになってるけど、どう見てもこれはコメディだよね?オランダ版リーアム・ニーソンとでも言うべき、ピーター・ブロックが演じるレムコを取り巻く人間模様を描いているのだが、どこかしら滑稽で、随所で場内から笑いが巻き起こっていた。特に、妊婦ナジャの腹をレムコの妻・イネケがハサミでめった刺しにするシーンなどは、刺されている当人ナジャの表情も相まって爆笑ものだ。
 登場する女優が美人揃いなのだが、中でもレムコの愛人メレルを演じたハイテ・ヤンセンの美しさは特筆すべきだ。そんな彼女が、大胆なベッドシーンまで演じてくれているのは、この作品の最大の見所のひとつであることは間違いない。メレルがレムコの愛人であると同時にレムコの娘・リーケの親友でもあり、レムコとの関係を断ち切ったメレルの新しい恋人がトビアスと、いささか関係が複雑だが、幸いにも登場人物が少ないだけに理解に苦しむことはないだろう。ラストでイネケがレムコに言った言葉が、強烈なエッセンスとなって作品を締めくくっているのが印象的ではある。
 ただ、あくまで実験的な作品のために作品の作り方が作り方だけに、今までのポール・ヴァーホーヴェンの監督作と比較すると、「これがヴァーホーヴェンの作品??」と感じてしまうのは事実。『ブラックブック』が悪くなかっただけに、正攻法の作品も制作してもらいたいものだ。