評     価  

 
       
File No. 1954  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2014年02月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   安里 麻里  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   バイロケは
もう一人の自分。
必ず、本物を、殺す。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   水川 あさみ [as 桐村忍]
千賀 健永 [as 御手洗巧]
高田 翔 [as 加賀美榮]
滝藤 賢一 [as 加納隆]
浅利 陽介 [as 高村勝]
酒井 若菜 [as 門倉真由美]
マイコ [as 飯塚小百合]
豊原 功補 [as 飯塚誠]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    画家を目指す桐村忍はある日、スーパーでニセ札の使用容疑をかけられてしまう。身に覚えのないことだったが、10分前の防犯カメラ映像には、いるはずのない自分が確かに映し出されていた。現場に到着した刑事の加納隆に対して、ニセ札を使ったのは自分ではないと主張する忍。加納から返ってきた答えは、“あれがあんたじゃないのはわかっている。あれはニセモノだ”という意外なものだった。状況が飲み込めないまま、忍はとある場所へと連れて行かれる。そこでは、ある集まりが開かれていた。
 飯塚誠が主催するその会のメンバーは、大学生の御手洗巧、主婦の門倉真由美)、謎の少年・加賀美榮、そして加納だった。そして彼らから、忍は思いもよらない話を聞かされる。それは、自分と同じ容姿を持ちながら、全く別の人格を持つもう1人の自分、“バイロケーション”が存在するという事実だった。通称“バイロケ”と呼ばれるその人物はオリジナルよりも凶暴な性格を持ち、必ずオリジナルを殺しにくるという。
 飯塚は忍に告げる。「私はあなたを守りたい。ただそれだけだ」。半信半疑の忍は、怪しげな勧誘と思ってその場をすぐに離れるが、部屋を出た途端に見覚えのある人物が目の前に立っていた。目に飛び込んできたのは、忍そっくりの姿。まさに今、忍のバイロケが本人を睨みつけていたのだ・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    ついつい角川の策略に乗せられて観てしまった、バイロケーションの【裏】。結論を言ってしまえば、【表】と違うのは、表のラスト数秒のシーンをカットして、代わりに2分程度のワンシーンを差し替えているだけで、それ以外はまったく裏・表に違いはない。【表】のコメントで、「出演する俳優陣は、本物のキャラクターとそのバイロケに加え、「表」編と「裏」編の、合計4つものキャラクターを演じるのは、さぞかし苦労したことだろうと思う」なんて書いていたのは、まったくとんだ見当違いだったわけだ。
 上映中の暗がりの中で、「もしかして間違って【裏】のつもりだったのが、間違って【表】を観てしまったのではないか?」なんて思って、何度もチケット半券に印刷されているタイトルを見直したが、ハッキリ見えないとはいえどうしても【裏】と印刷されているとしか思えない。そして、そんなことを何度か繰り返して、ついにラストシーンまで【表】と違う箇所はまったく見つからず仕舞い。そんなわけで、上に書いたストーリーは全くの【表】のコピーになってしまった。
 【表】と【裏】として別々に公開するなら、まったく別のストーリーにするのは無理だとしても、せめて視点を変えるくらいの工夫は欲しかった。これじゃ、詐欺だとわめきだす観客がいてもおかしくない。料金を払って観ている観客に対する良心ってものが、角川映画にはないのだろうか?【表】に星8個をつけたから、内容が99%同じなこの作品も同じ評価にしておいたものの、心情的には1個か2個でも付けるだけ有り難いと思ってもらいたい、そんな作品だった。