評     価  

 
       
File No. 1969  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2014年02月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロリ・ペティ  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   少女は 大人になる  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジェニファー・ローレンス [as アグネス]
ソフィア・ベアリー [as ビー]
ボキーム・ウッドバイン [as デュヴァル]
クロエ・グレース・モレッツ [as キャミー]
キャシー・タットン [as シェイラ]
マシュー・ジェルディッシュ [as アール]
ロバート・ジェルディッシュ [as バール]
ダニエレ・キャンベル [as ダーラ]
ジェイス・ライアン [as ダニエル]
セルマ・ブレア [as サラ]
 
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あ ら す じ    1976年。14歳のアグネスアグネスは、2人の妹ビーキャミーたちとともに、アメリカ・アイオワ州の小さな町にある『ポーカー・ハウス』と呼ばれる不法居住者の家に住んでいた。そこでは夜な夜なポーカー賭博や売春が繰り広げられ、ドラッグディーラーたちが集まってきた。
 母親から売春を強要されながら、死に物狂いで妹たちを守る日々。そんな過酷な境遇のアグネスに、さらに追い打ちをかけるような事件が起きる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    オスカー女優のジェニファー・ローレンスと、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツという、今まさに旬な若手女優が共演するということで、昔の2人がどんなだったかをい是非とも観てみたいと思い、劇場へと赴いた。都内での公開がシネマカリテのわずか1劇場のみで、しかもレイトショーの1回切りの上映とあって、ほぼ満席状態だった。この映画が製作された2008年は、『ウィンターズ・ボーン』や『X-MEN ファースト・ジェネレーション』、『キック・アス』よりも前だから、ジェニファー・ローレンスもクロエ・グレース・モレッツも知る人が少なく、そのために日本では公開されず、2人が有名になった今、しかも『キック・アス』の続編の公開も相俟って、やっと公開にこぎ着けることができたんじゃないだろうか。
 『早熟のアイオワ』という邦題がなんとも酷くて、センスがないのはもちろんのこと、知性の欠片すらも感じられない。これじゃ、アイオワがジェニファー・ローレンス演じる主人公の名前と勘違いしかねないし、それがアイオワ州だとわかると、もう完全に意味不明なタイトルと言わざるを得ない。同じ意味がわからないのなら、原題のまま『ポーカー・ハウス』にでもした方が、まだマシというものだ。
 この作品のメガホンを執ったロリ・ペティ監督の実体験を元に描かれた作品だが、こんな少女時代を過ごしながら、よくねじ曲がらずにまともな大人になれたものだと、妙なところに感心してしまった。そして、ジェニファー・ローレンスは『ウィンターズ・ボーン』やこの作品のような、悲惨な状況に置かれた少女の役柄が多い気がする。彼女は、少女の中に疲れ切った大人の気だるさを漂わせる、そんな演技が非常に上手いのだ。それでいて、笑顔を見せると途端に10代の少女本来の可愛らしさが戻ってくる。そのギャップが、彼女の女優としての最大の魅力なのかもしれない。
 一方、当時11歳のクロエ・グレース・モレッツは、この頃からややぽっちゃり加減の体型で、どうやら太りやすい体質のようだ。おそらくは、『キック・アス』の時に、半年ほどトレーニングを積んだために、一時的に体が引き締まっていたのかもしれない。それはともかく、演技の方は姉の苦労を知ってか知らずか、ノホホンとマイペースで生きるキャミーを可愛らしく演じていて気に入った。『キック・アス』のインパクトが強すぎて、私の中では演技は二の次扱いになっていたが、今のブレイクは決してフロックじゃないことを、この作品を観て知らされた。