評     価  

 
       
File No. 1986  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2014年03月21日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ピーター・バーグ  
       
上 映 時 間   121分  
       
公開時コピー  
ひとりでは、生き残れなかった
  
仲間は命をかけて、たったひとりを守ろうとした
想像を超える真実の物語。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   マーク・ウォールバーグ [as マーカス・ラトレル]
テイラー・キッチュ [as マイケル・マーフィ]
エwミール・ハーシュ [as ダニー・ディーツ]
ベン・フォスター [as マシュー・“アクス”・アクセルソン]
ユーサフ・アザミ [as アフマド・シャー]
エリック・バナ [as エリック・クリステンセン]
アレクサンダー・ルトヴィグ [as シェーン・パットン]
アリ・スリマン [as グラブ]
ジェリー・フェレーラ [as ハスラート]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    2005年6月、国際テロ組織アル・カイーダの重要工作員アフマド・シャーの暗殺を狙ったレッド・ウィング作戦のため、アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズはアフガニスタンに赴く。マーカス・ラトレルマイケル・マーフィダニー・ディーツマシュー・“アクス”・アクセルソンの4人の隊員が山岳地帯で偵察をしていた際、現地の山羊飼いに遭遇したことで、彼らの運命は大きく狂い始める。
 民間人である山羊飼いを殺せば、世界中から非難を浴びることとなるが、解放すればタリバンに通報されて危地に陥ることになる。4人は議論の末に山羊飼いを解放することを選択するが、その結果200人を超えるタリバン兵から攻撃される状況を招いてしまう。圧倒的な戦力の差に、シールズ達は次々と被弾し傷ついていく・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    2012年の『テッド』で映画ファン以外からも知られることとなり、さらに『トランスフォーマー ロストエイジ』でさらにファン層を広げそうな、マーク・ウォールバーグが主演する実話に基づく戦場サバイバル・アクション作。アメリカ=正義、タリバン=悪という図式は確かに正しいかもしれないが、だからといってタリバン幹部を暗殺していい訳じゃないだろう、そんな批判が聞こえてきそうな内容ではあるが、この作品の核心はそんな倫理観を超えたところにある。
 冒頭でシールズの訓練がいかに過酷なものであるかが紹介される。屈強な男達が次々と音を上げて脱落していく。それまでして何故シールズになろうとするのか?それはおそらく、平和ボケした日本人には理解できない心情なのかもしれない。そう、シールズとはエリート中のエリート軍人なのだ。優秀であるが故に彼らに慢心が生じたとは思えないが、戦場という常軌を逸した場所では、ほんの些細なことから状況が大きく変わるもの。敵に情けをかけたことが仇となって帰ってくる、そんな皮肉な運命は、4人を絶体絶命の状況へと追い込んでしまうのだ。
 戦闘シーンはひたすらリアリティを追求するためか、緊張感を高めるような音楽も一切排除されている。そして、それがシールズであれタリバン兵であれ、観ていてあまりにも痛々しいシーンの連続には、戦争がいかに酷く悲惨であるかを嫌が応でも知らされることになる。そして、いかなる理由があろうとも、人が人の命を奪うことが、決して許されない行為であることも。所詮殺し合いにどちらが正しいなどという理屈は通用しないのだ。
 そんな苦痛に満ちた状況が続けばこそ、マーカス一人がなぜ助かったのか、その救いの手が観る者にとっても一抹の光を投げかけてくれるような救いになる。同じ民族でありながら、相手が子供であっても容赦なく銃を向けるタリバン兵。自らの信じるところを言論ではなく武力に訴えることで通そうとする蛮族とも言うべきタリバンに対し、抑えることのできない憤りをどこへ向けるべきなのだろう。