評 価
File No.
2031
製作年 / 公開日
2013年 / 2014年06月14日
製 作 国
日 本
監 督
熊切 和嘉
上 映 時 間
129分
公開時コピー
誰にも、言えない
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
浅野 忠信
[as 腐野淳悟]
二階堂 ふみ
[as 腐野花]
モロ 師岡
[as 田岡]
河井 青葉
[as 大塩小町]
山田 望叶
[as 花(10歳)]
三浦 誠己
三浦 貴大
広岡 由里子
安藤 玉恵
吉村 実子
高良 健吾
[as 尾崎美郎]
藤 竜也
[as 大塩]
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あ ら す じ
北海道・奥尻島を襲った津波で家族を失い、10歳で孤児となった少女、
花
。そんな彼女を、遠縁だという男
淳悟
が引き取ることになる。ふたりは雪と流氷に閉ざされた北海道紋別の田舎町でひっそりと暮らしていた。
6年後、町の有力者で好々爺の
大塩
がふたりを別れさせようと花を説得する。ところがその時、思いも寄らない殺人事件が起こり、淳悟と花は逃げるように紋別を後にする。東京に出てきても、小さなアパートで身を寄せ合うようにふたりだけの生活を続ける花と淳悟だったが・・・・・。
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たぴおか的コメント
観ていてなんだか、真田広之と桜井幸子が共演したTVドラマ『高校教師』を連想してしまった。一方は血が繋がっていないとはいえ、父と娘との禁断の愛。教え子である桜井幸子扮する二宮繭を愛してしまった、真田広之演じる羽村隆夫に対して、峰岸徹演じる繭の父・耕介は「お前じゃ繭を受け止められない」と突っぱねる。同様にこの作品でも、二階堂ふみ演じる花が連れてくる男にことごとく「お前じゃ無理だ」とつぶやく、浅野忠信演じる淳悟。
こう書くと、なんだか近親相姦というショッキングなテーマの作品のように受け取られてしまうだろうが、実際にこの作品を観て感じたのはその一点なのだ。原作を読んでいないからわからないが、おそらく淳悟と花は、単なる肉体関係だけじゃなく、お互い家族を失ったという共通点もあり、互いに2人一緒でなければならない強い精神的な絆があったんじゃないだろうか。そこが描き切れていないために、出来上がった作品は画竜点睛を欠き、張り子の虎のような中身のない外側だけの空虚なものになってしまっているように思えて仕方ない。
また、時間軸が何の前兆もなく突然切り替わってしまうので、一瞬戸惑ってしまうのもマイナスかな。特に、淳悟と暮らしていたはずの花が、突然結婚相手を淳悟に紹介するシーンなどは、なぜ離れられない2人が別居したのか、それって結構重要な要素じゃないのかな?
そんなわけで、通常なら星5個くらいに留めておきたいところだが、2個上乗せした理由はほかでもない、二階堂ふみの熱演だ。そして、改めて彼女の可愛らしさをこの作品で思い知らされた。弱冠19歳の彼女、この先天狗になって沢尻エリカの二の舞にならなければいいのだけれど。